真壁の街並み

歴史街道

古代以来400年の歴史をもつ真壁の街並み

中世の城下町に起源をもち「重要伝統的建築物群保存地区(重伝建)」に選定された歴史ある街並み。300余棟を数える伝統的建造物群が古風な街並みのなかに息づき、うち102棟が登録有形文化財に登録されている。

真壁唯一の「洋風建築」である旧真壁郵便局は、第五十銀行真壁支店として建設され戦後は真壁郵便局として使用、現在は街並み観光案内所として活用されている(真壁のひなまつり時期のみ)} 真壁唯一の「洋風建築」である旧真壁郵便局は、第五十銀行真壁支店として建設され戦後は真壁郵便局として使用、現在は街並み観光案内所として活用されている(真壁のひなまつり時期のみ)

400年間変わらぬ風情を残す城下町

真壁は、古くは「常陸国風土記(ひたちのくにふどき)」に「白壁(白髪部)郡」として登場する古い地名。戦国時代、中世を通じてこの地を治めていた豪族「真壁氏」がこの地に城を築き、今の真壁町の基礎となる城下町が形成された。関ヶ原の合戦後に真壁氏は秋田に移動、真壁城は廃城となった。その後、1606年(慶長11)に真壁領主となった浅野長政(ながまさ)とその子・長重(ながしげ)によって、真壁の町割りは完成されたといわれ、長重は城下の中心地だった現在の「大和町」に「真壁陣屋(まかべじんや)」を置き、最初は真壁藩の藩庁としてのちに長重が笠間藩主になると笠間藩による真壁支配の出張所として、この辺りの政治的中心地となった。真壁の町には、かつての街の繁栄を象徴する真壁造りの木造店舗を中心に、見世蔵、木造住宅、土蔵、石蔵、門など、300余棟を数える多彩な歴史的建造物群が古風な街並みのなかに息づいている。

真壁の町は、上宿町(かみじゅくちょう)・下宿町(しもじゅくちょう)・高上町(たかじょうまち)・仲町(なかまち)・新宿町(しんじゅくちょう)の「五町内」からなり、出入り口には木戸が設けられていた。} 真壁の町は、上宿町(かみじゅくちょう)・下宿町(しもじゅくちょう)・高上町(たかじょうまち)・仲町(なかまち)・新宿町(しんじゅくちょう)の「五町内」からなり、出入り口には木戸が設けられていた。

重伝建に選定された真壁の街並み

政治的中心地である一方で文化・産業の中心地でもあった真壁は、木綿を流通させる拠点として、さらに周辺地域の物産が集中する在郷町として繁栄した。酒造業も早くから展開、明治に入ると製糸工場が建設されるとともに、文明開化にともなう洋風建築の材料として石材業(真壁石)も興隆した。江戸時代からの町割りに隆盛を誇った商家の人たちが建てた見世蔵や町屋、土蔵などの多種多様な建築物が息づき、そこに樹齢400年を超える樹木、真壁石を用いた石蔵をはじめ、石仏・石塔など随所に石を利用した加工品が伝統的な建物とともに調和した街並み景観をつくり、真壁地区の魅力を引き立てている。2010年(平成22)には歴史的な街並み景観がよく残り非常に価値が高いと国に認められた「重伝建」に選定された。また、真壁町(現桜川市)では地域住民による歴史まちづくりの気運の高まりを受け、1999年(平成11)から「登録文化財」制度を活用し、貴重な文化財を後世に継承するため、現在までに102棟の建造物を登録有形文化財に登録し建造物保存の取り組みを進めている。

「市塚章一家住宅(長屋門)」は、真壁に残る長屋門のなかでもなまこ壁を用いた唯一のもの} 「市塚章一家住宅(長屋門)」は、真壁に残る長屋門のなかでもなまこ壁を用いた唯一のもの

「星野家住宅(店舗および主屋)」は、2階建ての店舗の奥に平屋の主屋が接続する} 「星野家住宅(店舗および主屋)」は、2階建ての店舗の奥に平屋の主屋が接続する

「村井醸造(店舗、脇蔵、石蔵、煙突)」は、北関東に最も早く江戸中期に進出した近江商人による酒蔵の建物群} 「村井醸造(店舗、脇蔵、石蔵、煙突)」は、北関東に最も早く江戸中期に進出した近江商人による酒蔵の建物群

2本の親柱の内側にそれぞれ控柱を立て、切葺き屋根を載せた典型的な薬医門。「猪瀬家住宅(薬医門)」は真壁で最も大きく、装飾は少ないながら精巧な彫刻がほどこされている} 2本の親柱の内側にそれぞれ控柱を立て、切葺き屋根を載せた典型的な薬医門。「猪瀬家住宅(薬医門)」は真壁で最も大きく、装飾は少ないながら精巧な彫刻がほどこされている

まかべ民話をたどる歴史散策

数ある真壁の登録有形文化財のうち、第一号文化財に登録されたのが「潮田家住宅」である。呉服太物商「鶴屋呉服店」として店を構え、田舎の三越とも呼ばれていた。昭和初期の廃業後も白壁土蔵の店と蔵は、昔の豪商の面影を残している。この「鶴屋呉服店」と、浦町の愛宕神社隣にあった同じ屋号の大きな荒物屋「鶴屋(古橋家)」は2大豪商として呉服屋を「上の鶴屋」荒物屋を「下の鶴屋」と呼ばれていたという話が「まかべ民話」として伝わっている。ほかにも、お堂の薬師如来を隠した男の話「上宿の薬師様」、吉田松陰が真壁を通ったことが記されているという「吉田松陰旅日記」、加波山事件で志士を助けた真壁商人の心意気「真壁の大中・小中」、斎藤伝鬼坊の碑と「不動尊と怨みの松」、古城の真徳寺に残る義経の「借用証文」、古城に昔から伝わる風習「大林院と犬供養」、「筑波鐡道開通秘話」、古城の常永寺にある「桜任蔵の墓と時の鐘」などの伝承が残る。これらの民話を読み解き、歴史に思いを馳せながら歴史の町を散策してみよう。

「潮田家住宅(見世蔵、袖蔵、脇蔵、別荘)」。木造真壁造りの店舗のうち、特に2階の外壁を通常より厚く土で塗り漆喰仕上げとした塗屋。内部で袖蔵とつながっている} 「潮田家住宅(見世蔵、袖蔵、脇蔵、別荘)」。木造真壁造りの店舗のうち、特に2階の外壁を通常より厚く土で塗り漆喰仕上げとした塗屋。内部で袖蔵とつながっている

不思議の時がうつろう町を散策しよう

まずは御陣屋前通りの東側「真壁陣屋跡」にある「真壁伝承館」に併設する「真壁伝承館歴史資料館」からスタートするのがおすすめ。町の歴史を予習しより充実した真壁巡りを楽しもう。中心部の北西にある市営の高上町駐車場を起点にして、高上町通り~御陣屋前通り~下宿通り~見芽(みるめ)通り~新宿通り~御陣屋前通りと一周する基本コースで、おもだった歴史的建造物を見ることができる。登録文化財には真壁のみかげ石を使ったシンボルが立っているので、これを目安にして歩こう。「五町内」の主要な通りからは町の北・東・南方向に円弧状に広がる筑波山系の山々の風景を望むことができる。時間があれば真壁城跡の古城コース、谷口家や大森家のある桜井地区コースも訪れてみよう。

「真壁伝承館」では真壁の歴史や真壁城について学べる} 「真壁伝承館」では真壁の歴史や真壁城について学べる

スポット詳細

住所
茨城県桜川市真壁町真壁232 map map 地図

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

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最寄り

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