金沢山 称名寺
名勝と讃えられた往時の金沢八景をしのばせる、鎌倉時代の古刹
極楽浄土を再現した庭園
称名寺を訪れるなら、京急金沢文庫駅よりも金沢シーサイドライン海の公園柴口駅のほうが少々近い。海水浴を楽しむ人々を横目に坂を上ると、静かな住宅街のなかに朱塗りの門が現れる。1771年(明和8)に再建された惣門だ。これを入って桜並木の参道を進むと立派な仁王門に出る。高さ4mの金剛力士像を拝顔しつつ奥へまわり込むと、そこは極楽を再現したという浄土式庭園。絵図や発掘調査を基に1987年(昭和62)に復元されたものだという。鯉が泳ぐ阿字ヶ池に朱塗りの反り橋が影を落とし、まさに一幅の絵のよう。そのほとりには鐘楼がある。700年以上前から金沢八景の集落と山々、そして海にまで鐘の音を響かせてきた名鐘だ。
金沢北条氏一門の菩提寺として発展
称名寺は鎌倉時代中期の1258年(正嘉2)頃、鎌倉幕府の重鎮、北条実時(ほうじょうさねとき)が開基した。菩提寺として一門の庇護を受けて栄え、1323年(元亨3)には金堂が建立されるなど隆盛を極める。鎌倉幕府の終焉によって北条氏が滅亡すると寺も衰退したが、江戸時代に復興。多くの江戸っ子が訪れる景勝地として知られていたという。本尊は鎌倉時代に作られた木造の弥勒菩薩立像(国指定重要文化財)。庭園の一角には実時の子、顕時(あきとき)と孫の貞顕(さだあき)の廟所がある。実時の墓は釈迦堂の裏から奥へ300mほど歩いた山中にひっそりと建てられている。
2万点以上の宝物を金沢文庫に寄託
ひととおり見学したら、庭園の西にあるトンネルを通って隣の神奈川県立金沢文庫へ寄るといい。称名寺の本尊のレプリカが展示されている。実は称名寺は、北条実時らが収集した古文書など、貴重な文化財を多数所有していることでも知られている。平安時代以後の和漢書や称名寺の僧侶がしたためた書状を含む金沢文庫文書(もんじょ)、仏教の経典類である称名寺聖教(しょうぎょう)など、国宝だけで2万点以上。国指定重要文化財も仏像、古文書、絵図、工芸品など膨大な数にのぼる。現在、その多くは金沢文庫に寄託されており、学芸員らによって修復や解読が進められている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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