高浜海水浴場

水色からエメラルドグリーン、深い藍色へと表情を変える透明度の高い海

地元客にも観光客にも愛される「日本一美しいビーチ」

島の西側にある高浜海水浴場へは、福江港や五島つばき空港から車で約50分。高浜へと通じる国道384号線は、「日本の道百選」にも選ばれていて、自然を満喫できる気持ちのよいドライブコースだ。高浜に近づくと目の前にエメラルドグリーンの海が広がり、思わず歓声があがる。夏は大勢の海水浴客で賑わう高浜海水浴場だが、それ以外の季節でも、美しい風景を眺めるだけでも訪れる価値は十分にある。ゆるやかな弧を描いて白く輝く砂浜。透明度の高いエメラルドグリーンの浅瀬から、沖合のコバルトブルーへと移り変わるグラデーション。「日本一美しいビーチ」とも称される眺めを満喫しよう。周囲に人工物が少なく、手つかずの自然に囲まれた高浜海水浴場は、環境省選定の「快水浴場百選」や「日本の渚100選」にも選ばれている。

ビュースポットとして知られる「魚籃観音(ぎょらんかんのん)展望所」から見た高浜海水浴場

貝やサンゴのかけらが混じり合ってできた美しい砂浜

マリンスポーツと絶景サンセットを楽しむ！

遠浅の海に白い砂浜が広がる高浜海水浴場。夏季には「海の家」が開設され、更衣室やトイレの使用を含む休憩所、シャワーやロッカーが有料で利用できる。海水浴はもちろんのこと、砂浜で遊ぶもよし、海を眺めながらのんびりと過ごすのもよし。バナナボートや水上スキーなど、子どもから大人まで楽しめるマリンアクティビティも豊富にそろっている。夏のハイシーズンでも都会のビーチのように混み合わないのも、うれしいポイントだ。

「海の家」には焼きそばやかき氷、ビールなどを販売する軽食店もある

ビーチが西を向いている高浜海水浴場は、サンセットスポットとしても人気。海と空をオレンジ色に染める夕日は、言葉を失うほどの美しさ。太陽が水平線に沈んだあとも、空の表情が刻々と変化し、いつまでも眺めていたい気分になる。また高浜海水浴場から車で3分ほどの丘の上にある「魚籃観音展望所」は、眼下にビーチと大海原が広がるビュースポットとして知られ、サンセットタイムには多くの観光客が訪れる。

沖合の嵯峨島(さがのしま)に沈む夕日。季節によっては水平線に沈む夕日を見られる

遣唐使の足跡をたどって最果ての地へ

高浜海水浴場がある三井楽(みいらく)地区は、遣唐使ゆかりの地としても知られている。高浜海水浴場から国道384号線を北上すると、道の駅「遣唐使ふるさと館」がある。売店やレストランのほか、遣唐使にまつわる五島の歴史などを紹介するコーナーもあるので、休憩がてら立ち寄ってみよう。ここから車で10分ほどの柏崎(かしわざき)は、遣唐使船が中国へ向かう際の最後の寄港地だったとされる場所。この地で食料と飲料水を補給し、船を整備して順風を待ち、東シナ海を一気に横断したという。現在このエリアは「三井楽(みみらくのしま)」として国の名勝に指定され、岬の突端に空海の像と記念碑が立つ。空海の遺徳をたたえて建立された記念碑には、日本の最果ての地を去るという意の「辞本涯」の文字が刻まれている。その背後には遣唐使も目にしたであろう大海原が広がり、ここから見る夕日も壮大で美しい。

ドライブ途中の食事や買い物に便利な道の駅「遣唐使ふるさと館」

三井楽に立つ空海の像と記念碑。周辺には遣唐使ゆかりの史跡もある