吉田パン 亀有本店

コッペパンは一つひとつ包んでくれるので、外でも気軽に食べやすい

広告業だった店主がほれ込んだ岩手の「福田パン」

JR亀有駅から徒歩約4分、路地の角に見えてくるモダンなお店がコッペパン専門店「吉田パン」だ。オーナーの吉田知史さんが2013年(平成25)に開業したお店で、東京でのコッペパンブームの火付け役的存在として知られている。吉田さんはもともと広告代理業を営んでいたが、ある日妹がお土産に買ってきた、岩手県盛岡市のコッペパン専門店「福田パン」のパンにほれ込み、コッペパン屋をやろうと決意。福田パンに通い詰めてパン作りを習い、東京・亀有の地に開業した。パン作りは福田パンから習ったが、パン自体は福田パンとは別物。吉田さんならではのパンということで「吉田パン」の名を付けたという。近くの工場で4時間かけて作っているというパンはふわふわ。店ではこれにさまざまな具材を挟んで提供している。

お昼どきにはいつも行列ができているが、手早い接客なのでそれほど待たない

オーナーの吉田知史さんはとっても気さく

数十種類のコッペパンから選ぶ楽しみ

店内に入ると長いカウンターが目を引く。カウンターの裏側では店員が商品を手作りしており、いわばライブキッチンのようなものだ。注文はカウンターにいる店員に伝える方式で、お品書きにはさまざまなコッペパンがずらりと並ぶ。通常メニューは「おやつコッペ」「おかずコッペ」「オリジナル野菜サンド」の3パターンで、合計で約30種類。自分の好みにあわせて好きなものを選ぶのはなかなか楽しい。コッペパンは長さ約19cmとやや大型なので、小食な女性なら1つでお腹いっぱいになりそう。半分に切って家族や友人とシェアするといろいろな種類が楽しめるのでおすすめだ。

ずらりと並ぶお品書きを眺めるだけでも楽しい

見本がずらりと並ぶカウンターのうしろ側ではスタッフがコッペパンを手作りしている

季節限定メニューにも注目

吉田パンでいちばん人気なのはおやつコッペの「あんマーガリン」。北千住の2店舗目やほかの店舗に卸しているものとあわせると月に1万個売れるという売れ筋商品で、餡とマーガリンのコラボレーションが懐かしい味わいだ。このほかおかずパンなら「ハムカツ」や「コンビーフ」が人気という。さらに、吉田パンでは四季折々の季節限定メニューを4種類程度用意。訪問した時期は夏のメニューとして冷やして楽しむ「夏コッペ(桃ジュレ)」が用意されており、桃とジュレが爽やかな味わいで夏を感じさせた。なお、いずれのコッペパンもその日のうちに食べるのが原則。すぐに食べない場合は涼しい所で保管しておこう。

生クリームたっぷりの「レモン」も期間限定。爽やかなチーズケーキを思わせる味でおすすめだ

赤ちゃんのファーストブレッドとしても人気

実は吉田パンではメニューには載っていないが、「裏メニュー」としてパンだけを購入することができる。このため赤ちゃんのファーストブレッドとしてもひそかな人気を博しているという。「おやつコッペ」などのパン部分を赤ちゃんと分け合うのもよいが、何も挟んでいないパンだけを買うのはとても便利。パンだけを購入し、家でジャムなど自分の好きなコッペパンを作るパン好きのファンも多いという。パンのみなら冷凍可能なので、好きなタイミングで自分だけのオリジナルサンドを作るのも1つの楽しみ方だ。

パンだけは1つ130円。開いたままオーブンで焼いて食べるのもおすすめ