つむぎの館
日本の「粋」を伝える高級絹織物「結城紬」の複合ミュージアム
着物の似合う古きよき城下町「結城」
中世下総(しもうさ)の有力豪族「結城氏」の城下町としてひらかれ、鎌倉時代からの街並みや史跡や寺社が今なお残る「結城」は抒情的なレトロタウン。結城市を中心に鬼怒川流域およそ20kmの地域は養蚕が盛んで、古くは奈良時代に朝貢として朝廷に上納されていた絁(あしぎぬ)を原型とする「紬織物」、のちに結城氏の名にちなみ「結城紬」と呼ばれる伝統工芸の特産地として発展した。商都として栄えた名残で明治初期から大正期にかけて造られた見世蔵や町屋、古民家、格子戸が点在し、紬問屋や老舗商店として今でも多く現存している。古い城下町の風情のなかには、2000年もの悠久の時がはぐくんできた日本最古の織物「結城紬」が今も息づいている。「つむぎの館」は、結城紬の老舗問屋「奥順(おくじゅん)株式会社」が、より多くの人に紬を紹介し、紬を見て、触って、体験してもらいそのすばらしさと魅力を届けたいという想いから造られた「結城紬」に特化した総合ミュージアムである。
時を重ねるほどに深まる古民家と紬の魅力
約4000平方メートル(0.4㏊)の敷地内に立つおもな建物は明治・大正期に建築された古民家を再生したもの。結城紬の伝統を伝える資料館「手織里(ており)」、染織体験工房「織場館(おりばかん)」、築150年の古民家を解体のうえ移築・再生し常時200点以上もの結城紬を展示する「陳列館」、紬の和装小物を販売する「結の見世(YUKI OKUJUN)」、明治初期建造のギャラリー&カフェ「壱の蔵」(現在休止中)、一般公開されていないが1904年(明治37)建造の土蔵、1886年(明治19)建造の離れ、「奥順」仕入れ場兼店舗が立ち並び、そのうち5棟が国登録有形文化財となっている。「奥順」の紬に対する想いを受け、なるべく地場の伝統的素材、地場の職人を使い、日本の伝統や技を巧みに生かし、素材感を大切にし、華美に走らず、使い込むにつれて時が経てば経つほど風合いや美しくなる紬のようにという願いを込めて丁寧に再生されている。
結城紬が織りなす魅惑の世界
結城紬は、丈夫でふんわり温かい感触が魅力の日本を代表する高級絹織物。着込むほどしなやかに肌になじみ、絹本来の光沢と新たな風合いを生むことで、時を経てさらに魅力を増していく。華美に走らず生活にそっと寄り添うような質実剛健さが、鎌倉時代の源頼朝をはじめ質素を尊ぶ武家に好まれた。その後反物は鬼怒川の水運により江戸の街へ運ばれ、美意識の高い作家や女優、文化人に愛されて江戸の「粋」を支えた。その本質的な上質さは、手をかけ時間をかけて素材のよさを最大限に引き出す昔ながらの伝統技法にある。職人が熟練の勘を頼りに真綿から人の手で「糸つむぎ」して作った最上質の糸を「絣くくり」で防染して染め上げ、日本最古の「地機織り」で神経を研ぎ澄ませて手織りする。繭玉から一反を作り上げるのに、手の込んだものは1年以上かかるという。代々受け継がれてきたこの3工程をすべて満たす「本場結城紬」は伝統技法を現代に伝える唯一の紬として、1956年(昭和31)に国の重要無形文化財、2010年(平成22)には世界の財産としてユネスコ無形文化遺産に登録されている。
結城紬の新しいかたち「YUKI OKUJUN」
機械での大衆向け大量生産が一般的になった今、手間のかかる仕事は敬遠されて安易に流れ、希少価値の高い伝統工芸や高度な技術が世界的に失われつつある。いっさい機械を使用せず、職人が手で紡ぐ真綿手紬糸を地機(じばた)で織り上げる「結城紬」には、絹という自然の恵みと、脈々と受け継がれてきた先人の知恵と技、機械には生み出せない手の仕事がある。「結の見世」内に店舗を構える「YUKI OKUJUN」は「奥順」の新しいファブリックブランドで、結城紬を使ったオリジナルの小物を販売している。高級和装生地として知られる結城紬は、実はとてもふだん着向きの、心地よく親しみやすい、ふんわりとした風合いをもつ。その素材感を大切にしつつ、気軽にふだんの暮らしのなかで使える商品に変えて結城紬の新しいかたちを提案している。手をかけて造られ素材そのものが生きている織物は大切な人への贈り物にもぴったり。時代の変化のなかで輝きを増し、時を超えて日本人の「粋」を伝える結城紬を知る旅に出かけよう。
スポット詳細
- 住所
- 茨城県結城市大字結城12-2 地図
- エリア
- 結城・筑西エリア
- 電話番号
- 0296335633
- 時間
-
[平日]10:00-16:00(最終入館15:30)
[土日祝]10:00-17:00(最終入館16:30) - 休業日
-
火、水、年末年始
※臨時休業、貸切になる場合あり - 料金
- [つむぎの館]無料
- 駐車場
- あり(40台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners Club、International)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可(一部可、スペースあり)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 車椅子での入店
- 可(一部段差や室内が和室になっていて見学できない所あり)
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 結城市散策にて
- 結城駅から周辺を散策にて立ち寄りました。無料で入れる場所と有料エリアがあり、有料エリアには結城つむぎの歴史や作品が展示してありました〇
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- とてもフレンドリー
- 初めて行ったのに、いつも来ているかのような気持になりました。観光地によくある売り込みなく、こちらの質問に快く答えてくれる。いくつかの建物がそれぞれに異なる趣で語りかけてくれる。作業棟では紬の端切れから加工品まで格安で買い求められ、財布をゲットしました。園庭の造りも素晴らしく居心地がとてもいい空間です。街中の案内も的確にしてくださいました。
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- 国内唯一[結城紬]の専門施設です!リピ確定!
- まず『古民家陳列館』には、伝統的は柄から新作まで、色々な結城紬を常時200点以上も見る事ができます。世界最高の絹織物である結城紬に、直接触れることができ、その風合いを楽しめます。築150年の古民家を移築し、日本の伝統や技を巧みに生かした館内は、一歩を踏み入れると、とても落ち着く空間です。続いて『結の見世』は、YUKI...
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