香嵐渓に代表される、数多くの紅葉名所を有する愛知県三河。その中で、あまり知名度は高くないものの、密かに人気を誇っているのが瀬戸市の「岩屋堂公園」です。中心となっている“岩のほこら”周辺は、鮮烈なもみじに彩られ、そこから岩巣山展望台までハイキングを行えば、名古屋市街と紅葉の山々のコラボレーションを一望できます。下山後には、絶品のお団子が待っているのも、ちょっとした楽しみです！
愛知高原国定公園が育む！素朴な「岩屋堂公園」
今回紹介する「岩屋堂公園」が位置しているのは、愛知県瀬戸市の猿投山北山麓。いわゆる尾張地区と三河地区の境界線に当たる場所で、都会とは一線を画す豊かな自然が根付いています。
実は「愛知高原国定公園」として定められており、名古屋から最も手軽に行ける国定公園と言えるでしょう！
それゆえに、休日ともなると自然を求めるファミリー層や、山歩きを趣味とするアウトドア層が集まります。中でも人気が高いのが、秋のシーズン。愛知高原国定公園一帯には、標高が低い里山が広がっており、11月中旬にもなると美しい紅葉が見られるからです。
鳥原川沿いが鮮烈！橋と紅葉のコラボレーションも楽しもう
名古屋市内から車で約1時間。せと品野ICの少し南、県道22号線を車で走っていると、岩屋堂の標識が見られます。それに従って道なりに進んでいくと「岩屋堂公園」へ到着です。
駐車場手前では早速鮮やかな紅葉が迎え入れてくれます。これからの散策に期待値が高まりますね！
駐車場へ車を止めたら、川沿いを歩いていきましょう。この岩屋堂公園ですが、公園内を流れる鳥原川に沿って整備され、沢山のもみじが植わっています。まずは川沿いでゆっくりと紅葉観賞するのがオススメです！
川も一部曲がっているため、時折水面に紅葉が映りこむ姿を見ることができ、とても美しいですよ。また他の紅葉名所と比べ、比較的空いているので、マイペースで楽しめるのもポイントです。
また紅葉の良いアクセントとなっているのが、所々架けられた橋の存在。特に中央に位置する「紅橋」はその名の通り、鮮やかな紅色に包まれた風光明媚な橋です。
橋から紅葉を眺めてもよし。少し遠くから橋と紅葉を一緒に眺めてもよし。写真撮影が捗りますね！
名僧行基ゆかりの地！「岩のほこら」は紅葉包み込む絶景
川沿いを楽しんだら、次は公園の中央部にある「岩のほこら」へ。実はこの場所が岩屋堂公園の名称の元になっている史跡です。実はかつて東大寺の大仏を作るために全国を巡行した名僧行基が、聖武天皇の病気平癒を祈願した場所だと伝わっています。
そんな「岩のほこら」も実は素晴らしい紅葉名所！隣接している、もみじの木の下から覗いて見れば、そこには岩屋堂が赤一色に包まれる景色を眺めることができます。これが思わず息を呑む美しさです。
なおここに至るまでの参道にも、数々もみじの木が植わっているので、時間が許す限りゆっくりと鑑賞してみてくださいね。
そして奥にある毘沙門堂へと進んでいきます。こちらに来ると先ほどとは少し違った雰囲気の紅葉が味わえます。竹林の緑に苔、奥ゆかしい素朴な景色の中に、オレンジ色が映え、心が安らぐ空間です。
どこか物寂びしさを感じつつ、趣のある小滝・暁明ヶ滝（ぎょうみょうがたき）まで歩いてみましょう！渓流のせせらぎにも癒されるはず。
名古屋を一望！紅葉のパノラマが美しい「岩巣山展望台」
ここまで紹介してきたように、鮮やかで美しい紅葉観賞を楽しめる「岩屋堂公園」ですが、その中で一番の穴場スポットが「岩巣山展望台」です。
実は「岩屋堂公園」は東海自然歩道の登山口としての役割を果たしていて、岩巣山頂上へ向かう中腹に、見晴らしの良い展望台が設けられています。道は良く整備され、気軽に足を運べるため、訪れるお客さんがちらほらといます。
途中、一部傾斜がキツいところもあり、少しこたえますが、展望台に到着すると、この絶景！オレンジに染まった山々の先に、名古屋の中心となっている高層ビル群まで望めます。こんな大迫力のパノラマを楽しめる場所が、名古屋近郊にあったのか？ということにも驚きです。
もちろん広角な眺めも素晴らしいですが、カメラを使って望遠で風景を切り取ってみるのも楽しいです。麓の岩屋堂公園一帯は、赤色が多いため、周囲の黄色の紅葉と相まって、さながら絵画のような風景を望むことができます。
下と上の両方から紅葉を満喫できる。これこそ「岩屋堂公園」の紅葉狩りの醍醐味です！
密かな楽しみもある！「岩屋堂公園」の紅葉散策
名古屋近郊でありながら美しい紅葉を鑑賞できる「岩屋堂公園」。鮮烈な赤に彩られる景色は一見の価値ありです！また公園には甘味どころや、美味しいみたらし団子を頂ける休憩スポットも充実しています。ぜひ秋ならではの風情を楽しみながら、一度散策してみてはいかがでしょうか？
