福と笑いを呼び込もう!愛知豊橋「商家駒屋のひなまつり」


2019.02.16

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福よせ雛の季節です! 豊橋市二川町にある江戸時代の施設「商家駒屋」では、2019年1月26日(土)から4月7日(日)まで福よせ雛を開催。主屋と離れ座敷、さらに庭にも福を呼ぶお雛さまがいっぱい!
ショップ「ふたこまや」では、隠れファンが多い「二川レモンかしわ餅」の販売も。見て食べて、福と笑いを呼び込みましょう。入場無料・駐車場完備です。
福よせ雛をご存じですか?
愛知県豊橋市の二川町にある「商家駒屋」では、毎年1月下旬から館内の建物や庭で「商家駒屋のひなまつり」と題し「福よせ雛」を開催。
これは各家庭で役目を終え供養に出されたり、規格外として販売されることなく処分されることになった雛人形に、新たな命を吹き込み日常生活を表現させたもの。福と笑いを呼び込んだうえ、地域づくりにも役立つ取り組みです。
発祥の地・名古屋を中心とし、2019年は海外も含め全部で25会場となりました。
枡形の斜め前に位置し、田村家の邸宅や蔵を改修復原後、無料で一般公開している商家駒屋。枡形とは宿場町に見られるクランク形の道路のこと。ここ二川町は東海道五十三次で33番目の宿場町だったんです。
江戸時代に建てられた主屋は座敷入り口からご覧のとおり。靴をここで脱いで、座敷へ上がってみましょう。
表情豊かなお雛さま、メイクや小物も凝ってます
主屋の玄関から入って奥の部屋でまず目に付くのは、青や白の羽根を背負ったお雛さま。そしてその手前で彼らを見つめている官女たち。おや? 手に花束を持っている官女もいますね。
そう、これは雛壇の段飾りを舞台の大階段に見立てた「宝塚歌劇団 駒屋公演」の風景。舞台に立つスターたちのメイクにもご注目。
二川町は宝塚歌劇団の演出家で「すみれの花咲く頃」の作詞者・白井鐵造氏とゆかりのある町。2015年には駒屋で宝塚OGによる歌唱披露が行われました。
宝塚公演の隣はドラマ『陸王』の撮影の様子です。豊橋市は第1話に登場した「豊橋国際マラソン選手権大会」のロケ地。
2018年の福よせ雛では離れ座敷の廊下いっぱいを使って繰り広げられていたマラソン風景ですが、2019年は距離を短くし主屋で楽しめるようになりました。ランナーはもちろん、先導の白バイやテレビクルーの様子もバッチリ!
平成28年(2016年)から始まった駒屋の福よせ雛には毎回テーマがあります。実は宝塚公演と陸王ロケは、2017年と18年のテーマでした。4回目を迎える2019年のテーマはこちらの「三遠ネオフェニックスの試合風景」と、その奥に見える「豊川用水」。そして離れ座敷の「避難所」です。
三遠ネオフェニックスは豊橋を本拠地とするB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム。赤いユニフォームには、しっかりとチームロゴが入っています。なんだか応援したくなりませんか?
福よせ雛で知る、近隣農業の今と昔
2間続きの部屋を活かし、その中央では豊川用水通水式が行われています。
豊橋市を中心とした東三河地方や静岡県湖西市などを潤すこの用水が完成するまで、大きな河川が流れていない渥美半島での農作業は水が不足しとても大変でした。
豊川用水の右岸では、井戸ポンプから水を汲んでいたり脱穀など、その頃の農作業の様子を再現。工事関係者の中には肩を組んで喜んでいる姿も!
でも今は豊川用水のおかげで美味しい作物が豊富に採れるように。
お雛さまたちは、全国市町村生産量ランキングで上位の冬キャベツを出荷中です。反対側に回るとベルトコンベヤーやスプリンクラーがよく見えますよ。
キャベツの出荷現場の隣に建つ温室の中では人影が…。なにをしているのかな?
温室の中を覗くと、おひな様たちがトマト作りに励んでいました。トマトの帽子が可愛らしいですね。この裏側の温室では官女たちが菊作りに励んでいるので、そちらも覗いて見て!
離れ座敷もお雛さまでいっぱい!
それほど広くない間口に奥行きのある敷地は、まるで「うなぎの寝床」のよう。敷地内の通路に面し、主屋から渡り廊下で結ばれた離れ座敷の福よせ雛は避難所がテーマ。リュックを背負って非常用物資の配給を待ったり、焚き出しをしたりと本格的です。
スタッフの方によると、「期間の最初は避難が始まった場面ですが、次第に避難所で生活している風景になる」とのこと。飾られる福よせ雛の数も徐々に増えていくそうです。
というのは、このお雛さまはすべて市民ボランティアの方たちの手によるもの。12月に展示テーマが決まると、市民ボランティアの方たちが各自自宅で作業を重ね700体ほど制作し、開催日の直前2晩ほどで並べます。
開催期間中も次々に福よせ雛が誕生するため、館内の様子は開催期間の最初と最後ではかなり違った風景に。何度も足を運ぶ方がいるのも頷けますね。館内外に潜んでいる忍者や泥棒姿のお雛さまを探すのも楽しみ。
3部屋続きの離れ座敷は、明治末期から大正期にかけて来客用に建築されたと言われています。その離れ座敷の向かい側にある中庭にも、もちろん福よせ雛が。
芝生の上で匍匐前進をしていたり、梅の枝に腰かけていたり、ブランコを漕いだり。思い思いのお雛さまは、とっても自由で楽しそう!
隠れ銘菓「二川レモンかしわ餅」を買うなら今!
離れ座敷の南側には中土蔵を利用したショップ「ふたこまや」があります。店内ではひなまつり期間中は平日でも特別に、名物「二川レモンかしわ餅」を販売。
これは通常、秋から翌春まで土日祝日限定販売品ですが、2019年は3月3日までは毎日入荷するそう(3月4日以降は未定)。ただし数量限定なので、気になる方は早目の時間に来店を。
ふたこまやで購入した二川レモンかしわ餅は、敷地内の北側にある「蔵カフェこまや」で食べることが可能。蔵をまるごとリノベーションした店内では、地元食材をふんだんに使用したランチやドリンクが好評です。
柔らかい餅にレモン餡を包んだ二川レモンかしわ餅。無農薬のレモンの皮をそのまま生かした餡はキレイなレモン色! 味も甘さも控えめで、かすかにレモンの味がします。
賞味期限が短いので店内でドリンクの注文をし、ゆっくりと味わってみてはいかが? 蔵カフェこまやについての紹介記事は、記事下【関連MEMO】からどうぞ。
旧宿場町に残る商家駒屋のひなまつりで、笑いながら春の訪れを満喫してみませんか?
<蔵カフェこまやの基本情報>
電話番号:0532-41-6065
営業時間:10:00~16:30(LO 16:00)/ランチタイム 11:30~13:30
※ランチは1日限定20食 

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商家 駒屋
place
愛知県豊橋市二川町字新橋町21
opening-hour
9:00-17:00
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