美しすぎるライブラリー・ミュージアム。文京区「東洋文庫」の魅力


2019.02.01

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文京区本駒込、桜の名所や庭園美で知られる六義園の近くに、世界5大東洋学研究図書館の一つに数えられる東洋文庫があります。国宝や重文を含む約100万冊の資料を収め、閲覧室は一般の人でも無料で利用可能。
アートのような書庫を備えるミュージアムや庭園、小岩井農場のレストラン、ミュージアムショップも魅力。建築は日本建築家協会優秀建築選2012や2013年度グッドデザイン賞などを受賞しており、見所満載です。
世界5大東洋学研究図書館「東洋文庫」
東洋文庫は、英国の大英図書館などともに世界5大東洋学研究図書館の一つに数えられる東洋学分野で日本最古・最大の研究図書館です。
その始まりは大正時代、1924年三菱財閥創設者の岩崎家3代当主、岩崎久弥氏が設立しました。収蔵する約100万冊の資料の中には国宝5点、重要文化財7点も含みます。
エントランスを入ると、右手に見えるのがムセイオンの泉です。その水面は季節や天候によって趣きを変えます。冬の午後、晴れた日には光が差し込み、鏡のように景色を映し、風の強い日には小さく波立つようにゆらめきます。
外には東洋の様々な言語で、その国の格言が記されたモニュメントが立ち並びます。
ミュージアム1階、オリエントホールの見所
東洋文庫は2011年に建て替えされ、本館は地上7階、地下1階。1階はエントランスを入ったところにミュージアムショップ、そのガラス越しにミュージアムの一階部分、オリエントホールが見えます。
国内最長の展示ケースやその中に収められた貴重な資料もさることながら、この洋酒樽の技術を生かしたフローリング材の床も見所の一つ。
また是非、注目して頂きたいトリビアが。国内最長の展示ケース、ある部分でガラスケースの見え方に違いがあるのが分かりますか。
こちらの画像、左右で比較すると右3分の1には見ている人の姿が映り込んでいるのに、左側にはそれがないのです。実はここ特殊な技術を使ったフィルムが貼ってあります。
また、何となく通り過ぎる人も多いこのコーナー。この壁には非常に高価な大理石グリーンオニックスが採用されています。
2階にアートのようなモリソン書庫&多彩な仕掛け
東洋文庫で1番の見所といえば、ミュージアム2階にあるここ。1917年に久弥氏がロンドン・タイムズ特派員のG.E.モリソン氏から購入した約2万4000冊の書籍を収めた「モリソン書庫」。購入価格は現在の価値で約70億円とか。
ミュージアムの資料展示には見る人を楽しませる多くの工夫があり、デジタル技術を駆使して、貴重な資料を拡大表示できたり、写真撮影も可能。
こちらは中国史上最大の領土と最高の権威を有したとされる乾隆帝が作らせたという「四庫全書 存目」の複製。美麗な展示も魅力です。
回顧の路は、展示物保護のため照明を極限まで落とした空間。ガラスの床の下には驚きの仕掛けが。それは是非実際に訪れて体験してください。
ミュージアムショップは秀逸なグッズ揃い
ミュージアムショップには、葛飾北斎の「諸国瀧廻り」など全20図の浮世絵の精密な複製など、他ではなかなか手に入らないグッズが揃います。
東洋文庫の資料は長年書庫で保管されていたため、浮世絵の色も当時のままの美しさをたたえており、その複製も実に色鮮やか。16世紀の安南(現在のベトナム)のやきもの紅安南など、東洋ゆかりの陶磁器も素敵。
モリソンの旧蔵書に貼られている蔵書票を図柄にしたしおりはお土産にも最適。
こちらの小岩井農場のグッズ、都内で購入できる場所は限られています。
小岩井農場のレストラン・カフェも人気!
本館ミュージアムとレストラン「オリエント・カフェ」は、中庭に面した緑の回廊「知恵の小径」でつながれています。
本館の建物や中庭「シーボルト・ガルテン」を臨むオリエント・カフェは小岩井農場のレストラン。こちらではランチ、小岩井のチーズケーキなどのカフェメニューのほか、本格的なディナーが頂けます。
ランチでは東洋文庫にちなんで、数量限定の「文庫ランチ マリーアントワネット」も提供されています。
夜、本館ミュージアムはライトアップされ、レストランからはその眺めも楽しめます。
店内にはテーブル席のほか、お一人様でもゆっくりできるカウンター席もあり、ランチ時には行列ができることも多い人気店です。 

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