地下に動物園!?「梅田スカイビル」の秘密が丸わかりガイドツアー


2019.01.19

トラベルjp 旅行ガイド

世界初の連結超高層建築である「梅田スカイビル」は、イギリスのタイムズ紙で「世界の建築TOP20」に日本で唯一選ばれました。この梅田スカイビルの誕生秘話や魅力を知ることができるガイドツアーがあるんですよ。関係者しか入ることができない機械の動物園「マシンズー」や2棟のタワーをつなぐ「空中ブリッジ」のバックヤード見学など見所満載!摩訶不思議な梅田スカイビルの秘密を知る旅に出かけてみませんか?
すべての始まりはこのスケッチだった
まずは39階にあるツアーベースで受付をしてから約1時間の旅が始まります。
梅田スカイビルの建築構想は、建築家・原広司氏の「ファーストスケッチ」から始まりました。これは世界7不思議の一つといわれている「バビロンの空中庭園」からインスピレーションを受け描かれたものです。スケッチを見ると、両脇のタワーが青い空に溶け込んでいるため、まるで一番上にある白い空中庭園の部分だけが空に浮かんでいるように見えます。物語の始まりを感じさせるこのスケッチ画がなんとも素敵です。
空中庭園の特徴である、すっぽり大きな穴が開いた「空中クレーター」は、宇宙船が飛び去った痕跡を表現しています。側面には、ハーフミラーガラスが使用され、屋上からは自分の映った姿がまるで空に浮かんでいるかのように見える設計になっています。
39階から移動して1階まで降りると外へ出ます。真下から見上げると大迫力!この空中庭園と2棟のタワーで囲まれた高さ150メートルの巨大な吹き抜け空間は「アウラ空間」と言います。「アウラ」とは、ギリシャ語で「空気、風」を意味し、「オーラ」や「オーロラ」の語源でもあります。見えない引力が働く不思議なこの空間は、パワースポットにもなっています。
最高の梅田スカイビルを撮影しよう
次にツアーは、梅田スカイビル周辺の商業施設や自然あふれる森などがある憩いの街「新梅田シティ」に移動します。ここでは最上階の空中庭園をワイヤーで丸ごと吊り上げて固定する、世界初の建築工事「ワイヤー・リフトアップ工法」についての話を聞くことができます。
実は、ここから見上げる梅田スカイビルが一番美しいんですよ!実際、パンフレットなどの写真はここで撮影されたものがほとんどです。お天気のいい日は、ビルに空や雲が美しく映ります。その姿は原氏の描いた「ファーストスケッチ」そのものです。
ビルに使用されているハーフミラーガラスをよく見ると、たくさんのシールが貼られています。「なぜ、シールが貼られているのかお分かりになりますか?」とガイドが参加者にクイズを出題することも。話を聞くだけの一方通行ではない参加型ツアーなのも魅力です。
(ちなみに答えは「ガラスに空が綺麗に映るのでハトなどがぶつかってしまうため、天敵のフクロウのシールを貼っている」です)
地下1階にある「滝見小路」というレトロ食堂街を歩いた後、いよいよここから一般公開されていないバックヤードに入っていきます。
まず最初に訪れるのは同じく地下1階にある「アートギャラリー」です。20世紀末の代表建築である梅田スカイビルに合わせて、20世紀を代表する現代アート作品が展示されています。写真の作品はなんと「ルノアール」です。しかもレプリカではなく本物!他にもアメリカのポップアートを代表するアーティスト「リキテンスタイン」の作品や、だまし絵で有名な「エッシャー」の原画なども間近で見ることができます。
その名は「マシンズー」
地下2階に降りると急に照明の明るさと空気が変わります。ここからが、このツアーの目玉ともいえる「マシンズー(機械動物園)」です。
参加者は安全のためヘルメットを着用します。なんとも言えないドキドキ感!ベビーカーは入室できませんのでご注意ください。
扉の向こうに待っていたのはカラフルな鳥や動物たちの絵が描かれた壁。マシンズーというのは、新梅田シティの街を24時間支える熱源機械室だったんです。非常用発電機やガスエンジン発電機、冷凍機設備など多くの機械が設置されており、いわば街を支える心臓部。その空間をカラーデザイナーが彩色し、壁には画家とスタッフが絵を描きました。
ネーミングに込められた意味とは?
ではなぜ、人目に触れる機会が少ない場所がこんなにカラフルなのでしょうか?それはここで働く人たちが“日曜日に子どもを連れて社会見学をできる場所にしよう”と考えたからです。
面白いのは機器にそれぞれ動物のニックネームが付けられているところ。このブルーとグリーンの配色の機械は「スリーピングライオン」です。名前の通り、普段は眠っているのですが、街が停電になった際に、自ら起きてきて稼働し、電気を供給する非常用発電機です。
この黒とピンクで配色された機械のニックネームは「チラーコング」。氷を作り、溶かして冷房にする冷却機で、1年中働いてパワーがあるのでゴリラの名前が付けられました。ピンクの部分はお尻をイメージして色が塗られています。他にも「クーリングベア」や「スチームバッファロー」などたくさんの動物のニックネームが付けられた機器があります。
ちなみに、このマシンズー内でガイドが記念写真を撮影をしてくれます。機械室の中でヘルメットをかぶっての撮影なんて貴重な体験ですよ!
空中ブリッジは安全のための架け橋
ツアーは、次の目玉ともいえる東西の2棟のタワーを中央で繋ぐ「空中ブリッジ」へ向かいます。写真は外から見た空中ブリッジです。実際には外に出ず、地下のマシンズーからそのまま空中ブリッジへ向かいます。
空中ブリッジは、22階、地上87メートル、長さ54メートルの避難経路です。普段は関係者だけが使用しています。建築家の原氏は、映画「タワーリング・インフェルノ」を鑑賞したことで“災害時は隣の棟に逃げられる避難路が必要だ”と考え、設計に加えられることになりました。他にもこのブリッジの構造には、驚くべき様々な秘密が隠されていますので是非ツアーに参加して秘密を解明してくださいね。
関係者があまり通らない時間ならば、手持ちのカメラでこのような写真を撮影することができます。鉄骨トラス造にガラスチューブを巻いた斬新で美しいデザインです。
いかがでしたか?梅田スカイビルは、知れば知るほど魅力が深まる不思議なタワーです。初めて観光される方はもちろん、何回も観光されている方にもおススメしたいガイドツアーです。小学生以下は無料なので、自由研究にもぴったりですよ! 

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梅田スカイビル
place
大阪府大阪市北区大淀中1-1-88
phone
0664403899
opening-hour
[空中庭園展望台]9:30-22:30(…
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更新日:2024/05/01

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