千葉・養老渓谷で沢渡り!日高邸跡と梅ヶ瀬渓谷ハイキングのすすめ


2018.12.23

トラベルjp 旅行ガイド

渓谷美で有名な千葉県・養老渓谷。定番観光は「粟又の滝」周辺の滝巡りのハイキングですが、アドベンチャー気分を楽しみたい方には、知る人ぞ知る「大福山・梅ヶ瀬ハイキングコース」での沢渡りがおすすめです。コースのハイライトは、紅葉で名高い「日高邸跡」。また梅ヶ瀬渓谷の断崖は、冬はつららの名所にもなります。日高邸跡へのアプローチの選択肢として、周遊ルート・沢ルート・尾根ルートの特徴についても解説します。
日高邸跡は梅ヶ瀬渓谷のハイライト
養老渓谷駅から徒歩にして90~120分ほど。深山幽谷という表現がぴったりの梅ヶ瀬渓谷の流れをさかのぼった先に、「日高邸跡」なる道しるべがあります。最終分岐の先は、どう見ても行き止まりにしか見えませんが、誰の邸宅があったというのでしょうか?
ここは「日高誠實」(ひだかのぶざね・1836-1915)の邸宅跡。氏は宮崎の出身ですが、この地を見込んで明治19年に移り住み、産業振興や私塾の開設など、精力的に活動した地域の偉人です。
また、梅の名所を目指して渓谷に1400本の梅を植えたとされていますが、山崩れなどの影響で、現在では梅はほとんど残されていません。邸宅跡も、わずかな礎石と石碑が残るのみのひっそりとした空間です。しかしながら、邸宅跡のもみじが素晴らしく、新緑や紅葉の時期は、多くのハイカーが訪れます。
もみじの天井&散り紅葉が素晴らしい!
梅ヶ瀬渓谷沿いは「もみじ谷」とも呼ばれ、紅葉の人気スポットです。日高邸跡は、その渓谷の奥にあり、もみじの天井が圧巻で、ハイキングコースの目玉となっています。
日高邸跡の、印象的な3本のもみじの大木は、日高氏が植えたものと言われています。落葉後は、付近が赤いじゅうたんを敷き詰めたような美しさとなります。
茶屋などの商業施設はありませんが、ベンチがありますので、訪れた際はここで一息つくといいでしょう。
日高邸跡へのアクセスは?
日高邸跡へ行くには、「大福山・梅ヶ瀬ハイキングコース」を利用します。養老渓谷駅から「大福山・梅ヶ瀬ハイキングコース」で周遊する場合は、所要時間4時間ほど。
車で訪れた場合や、時間が少ない場合は周遊をせず、「尾根ルート」か「沢ルート」のどちらかを選んで往復することとなります。いずれも最寄り駐車場からの往復なら、所要時間2時間ほどです。
尾根ルートは、大福山展望台(上の写真のような眺望が期待できる)近くの分岐から一気に下山して日高邸跡を目指すコースです。距離は1kmほどで短いですが、傾斜はきついので、復路は時間に余裕を持たせておきましょう。
沢ルートの醍醐味は沢渡りと断崖
一方の沢ルートは、渓谷をさかのぼるとは言え、傾斜はゆるやか。最寄り駐車場(ハイキングコース入り口)から、日高邸跡まで片道約2.2km。川幅約4~4.5mほどの渓流沿いを進みます。川面に点在する石を利用して、何度となく沢渡りを繰り返すのが醍醐味です。
通称「せせらぎの階段」。こうした自然の造形が新緑や紅葉に彩られ、ことさら美しく感じられます。養老渓谷は全国的に有名な観光地ですが、ここ梅ヶ瀬は喧騒から遠く、静かに渓谷美を楽しめるとっておきの空間です。
川幅が4~4.5mほどなので、渓谷としてはやや小ぶりな印象ですが、両岸の壁は高いところで30~50mに達します。また、壁から染み出した水が凍るとつららとなり、冬の観光資源となっています。
トトロが出てきそう!沢ルートの魅力は多彩
沢渡りの途中で、まるでトトロが出てきそうな小径にも出くわします。「本当にこの先に偉人の邸宅があったのか?」と思わずにはいられません。しかし要所に「日高邸跡」という道しるべがあるので、やはり間違いではないのです。そんなギャップを楽しめるのもこの沢ルートの魅力と言えるでしょう。
沢から上がると、一転して杉林の小径が現れる一幕もあります。よく手入れされていますので、明るい陽射しが届く、気持ちの良い空間です。
3月にはわずかながら梅の花も見られ、初夏には実を結びます。沢ルートのもう1つの魅力は、こうした景観の多彩さなのです。
日高邸跡は本当に深い谷の中にあります。崇高な理念のもとにこの地に居を移し、産業振興や教育にまい進した日高氏に思いをはせながら、是非沢ルートのアクティビティを楽しんでください。 

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養老渓谷
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千葉県市原市朝生原
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