この店のために山中温泉に通いたい!「和酒BAR縁がわ」で最高の一杯を


2018.12.15

トラベルjp 旅行ガイド

山中温泉にある『和酒BAR縁がわ』。その名の通り日本酒に特化したバーで、マスターは利酒師の上級資格である「酒匠」の資格保持者。石川県の地酒をはじめ全国の希少なお酒を仕入れるだけでなく、季節や熟成度合いを見計らい、その時最も美味しい状態をピタリと見極めて提供。物腰やわらかなマスターとのトークが心地よく、この店のために山中温泉に通うファンも多いお店です。その魅力をじっくりお伝えしましょう。
昼から飲めるアジトのような空間
観光客でにぎわう「ゆげ街道」から小道を入り、長谷部神社の神聖な空気が漂う鳥居の前。わずか11坪、古民家をリノベーションした木造のお店が出現します。
ここがバーとは一見して分かりませんが、稲穂をかたどったお洒落なシンボルマークが目印。店名の通り「和酒=日本酒」が中心というちょっと珍しいお店。14時から営業しているので散策途中に軽く一杯…というのもアリですね。
店主の下木雄介さんは日本酒利酒師、焼酎利酒師の上位資格である「酒匠」資格保持者。その知識とテイスティング能力を活かして、石川県の日本酒を厳選し、季節や熟成具合などその時々にベストな状態を見極めて提供しています。
古い木材を活用して作られた店内は、マスターが友人の大工と共に改装したもの。季節によって装いが変わる枯山水を模したカウンター、アイアン素材の椅子など、センスの良さにため息が出てしまうほど。
カウンターのほか、個室もあります。扉を閉めることができるので、個室で何時間も居座ってしまうグループもいるとか。しかし下木さんは「ゆっくりしていただければ」と気にしません。
心の通う友人が造ったお酒は、心を込めて作られた酒器で
バーのマスターというと身構えてしまう人も多いかもしれませんが、下木さんは非常に物腰のやわらかい、加賀のことばが似合うソフトな方。決してうんちくを押し付けたりせず、お客さんの好みや気分に合わせて、その時最上の一杯を提案してくれます。
メニューの個性的なフォントなど、下木さんのアート感覚がそこかしこに溢れていますね。
日本酒の種類はその日によって変わり、主に県内の蔵で造られた銘柄を常時30種ほど用意。例えば夏には山中温泉の「松浦酒造」より「獅子の里 鮮夏にごり」(24本限定酒)、珠洲市「宗玄 純吟無濾過生原酒」。
冬は白山市の「小堀酒造店」より、今年は出来が良いという「石川門」のしぼりたてや、手取川で知られる「吉田酒造店」の 純米にごり酒「白寿」など。
燗酒も、日本酒に合った温度を数度単位で変えてつけるという細かなこだわりようです。
下木さんが最も大切にしているのは、「地元のお酒は地元の酒器で提供する」こと。その理由は「食べ物でも飲み物でも、距離が近ければ近いほど造り手の想いを感じ取れる。それは味にも表れると思います」と話します。
感情論だけでなく、それは酒器の素材や形状とお酒との相性を研究した結果から生まれる言葉でもあります。山中漆器、九谷焼、グラスなど、職人や作家に作ってもらう時は用途によって「天面」(飲み口)と器の底の形状で香味表現を考え、それに外観の印象のバランスが合っているかを細かくオーダーするそう。
「美しい味、と書いて“美味しい”。日本酒を最高の状態で飲んでいただくためには、空間や器の美しさも大事です」と見た目の美しさにもこだわります。
「せんべろ」もできてしまうリーズナブルさ
肴も地のものを合わせています。「イカのゆず麹塩辛」「加賀採れ野菜のピクルスシードル仕込み」「卵の黄身の醬油漬けと山中温泉の冷奴」「すこ(赤ずいきの酢の物)」など、こちらも知り合いの作り手による郷土の味ばかり。
それぞれ、「爽酒に合います」「薫酒に合います」などと相性のいい日本酒のタイプを記してあるのも利き酒師ならではの提案です。
日本酒はグラス400円~、肴は300円~。ノンチャージでお財布に優しいのも通いたくなる理由でしょう。
カウンターと個室あわせて9席の小ぢんまりした空間なので、繁忙期には入れないことも。事前に予約することをオススメします。 

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和酒BAR縁がわ
rating

5.0

13件の口コミ
place
石川県加賀市山中温泉南町ロ82
phone
0761710059
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