千葉・鋸山は断崖絶壁のラビリンス!地獄のぞきとセットで必見


2018.12.04

トラベルjp 旅行ガイド

千葉県の鋸山は、山頂エリアの日本寺「地獄のぞき」の断崖絶壁で有名。県内屈指の名山です。しかし、さらなる絶景がお寺の外にもあることをご存知でしょうか。この一帯はかつて採石場であったため、通称「ラピュタの壁」「岩舞台」など、地獄のぞきに負けない迫力の断崖が多く存在し、スリルと非日常を味わえます。おすすめは、見どころをふんだんに含んだJR浜金谷駅からのハイキング。道迷い回避のポイントもご紹介します。
地獄のぞきの下の森が気になる!
地獄のぞきは千葉県屈指の名所ですが、この下の森がどうなっているのか気になりませんか?鋸山はかつて房州石の採石場でした。絶壁群は森に数多く存在し、壁の最大垂直面は96mと言われています。
かつて切り出した石を運んだ通路です。壁面は苔むし、秘境感が漂います。
昭和後期に役割を終えた機械も、そのまま残されており、ここだけ時間が止まったかのような空間です。こうした廃墟感も観光資源となっています。
断崖絶壁のラビリンス(迷宮)の見どころ
圧巻なのが通称「ラピュタの壁」。日本寺の北口管理所のそばにあります。この写真は手すり付きの展望台から撮ったものですが、スリル満点です。複雑に入り組んだ構造が、「天空の城」を思わせます。
観音洞窟と呼ばれるこの石切り場は、現在は立ち入り禁止ですが、奥へ奥へと続く迷宮が何ともミステリアス。名前の由来となっている観音様も壁面にひっそり隠れています。メインルート(関東ふれあいの道)にあるものの、付近はうっそうとした森で、まるで本物の迷宮に迷い込んだような非日常感があります。
通称「岩舞台」と名付けられたこの石切り場は、メインルートからやや奥まった場所にあるにも関わらず、イベントにも使用される大広場です。テラス状に張り出した部分には、階段を使って登ることができ、岩舞台というネーミングに納得できる構造です。
まずは鋸山の概要をおさえよう!
有名な地獄のぞきは山頂付近にあります(日本寺境内であるため、拝観料が必要)。ロープウェイや車(有料道路)で一気に地獄のぞき付近まで行くこともできるのですが、そうするとお寺の外のラビリンスには出会えません。時間がゆるすなら、片道だけでも歩いてみましょう。(ハイキングの服装は必要・ヒールやサンダルは不向きです)
尾根を境にして、北側が富津市・南側が鋸南町です。ハイキングコース沿いに見どころとなるラビリンスが多く存在するのは、富津市側。したがって富津市側のJR浜金谷駅側からのルートがおすすめです。
必ず観光案内所でハイキングマップを手に入れましょう。推奨ルートは「観月台コース」または「車力道コース」です。所要時間はいずれも健脚なら60分ほど、ゆっくり休憩しながらだと90分ほどです。(他コースは上中級者向け)
「観月台コース」は、JR浜金谷駅-JR保田駅間の約8.4kmを結ぶ「関東ふれあいの道-東京湾を望む道」の一部です。すべて歩き通すと、山の反対(鋸南町)側に下りることになります。地獄のぞきを目指すには、コース途中で「日本寺北口管理所」への分岐を見逃さずに進む必要があります。しかし随所に上記のような道案内がありますので、まず迷うことはありません。
浜金谷駅からJRの高架をくぐってしばらく進むと、上の写真のような分岐に出会います。真ん中の長~い石段が「観月台コース」の登山口。最初の石段の登りこそきついものの、そのあとは道案内に従えば、まず迷うことはありません。
左に進んだ場合、「車力道コース」登山口に至ります。かつて房州石を港まで運び出した産業道ですので、随所にその歴史の面影を見ることができます。
おすすめは「車力道コース」で登って、日本寺で地獄のぞきを楽しみ、その後「観月台コース」で下る、というコースです。
「車力道コース」は終点の分岐に注意!
車力道コースで登った場合、関東ふれあいの道への合流にひと癖ありますので解説します。観月台との分岐から30~40分ほどで車力道の終点に達します。そこでそそり立つ断崖絶壁に出くわします。かなり急斜面なので、仰ぎ見るような感覚です。
ここは車力道の終点であると同時に、「関東ふれあいの道」との合流ポイントです。日本寺の地獄のぞきを目指すには、写真右手の白いコートの男性の向いている方向へ進みましょう。初めて訪れた人は、この右側の分岐を見落として、左手に進んでしまいがちです。
一方で、写真左手の赤いコートの女性の進行方向へ向かうと、「東京湾を望む展望台」及び「鋸山山頂」方面になります。「東京湾を望む展望台」は、鋸山の見どころの1つですが、地獄のぞきとは全く別の場所です。展望台まで行ってから間違いに気づいて引き返すと、30分くらいのロスになり、本当の迷宮入りになってしまいます。
右手の分岐は、生い茂った草むらに埋没して見えなくなっていることもあります。入り口はわかりづらいですが、足元は整備されていますのでご安心を。ここに分け入ったらすぐに、苔むした石の通路や、断崖絶壁群が待っています。
車力道コース終点から日本寺北口へ向かう際の見どころの順序としては、観音洞窟→岩舞台(袋小路なのでルートに戻る)→(観月台コースと合流)→ラピュタの壁→日本寺北口です。ここでしか味わえない非日常を、存分に楽しんでください。 

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