鎌倉でタイムスリップ!秘境感がすごい朝夷奈切通ハイキング


2018.07.08

トラベルjp 旅行ガイド

鎌倉にある「朝夷奈切通」(「朝比奈切通し」などとも表記される)は、鎌倉時代に山を切り開いて作った道。苔むす切り立った岩壁や古道は、鎌倉にある他の切通しの中でも当時の姿を一番色濃く残しているとされ、一歩踏み入れれば、まるでタイムスリップしたかのような世界がひろがっています。
豊かな森と静寂につつまれた秘境感抜群の古道歩きで、心身ともにリフレッシュしてください!
国指定史跡「朝夷奈切通」
「切通し(きりどおし)」とは山を切り開いて作った道のことで、今回ご紹介する「朝夷奈切通」は「鎌倉七切通し」のうちのひとつ。
鎌倉時代に建設され、港のあった六浦(現在の横浜市金沢区)と鎌倉とを結ぶ重要な交易路でした。昭和44年6月5日には「朝夷奈切通」として国指定の史跡になっています。
現在ではハイキングコースとして整備され、当時の街道の面影を感じながら歩くことができます。
朝夷奈切通へは、鎌倉駅から出ている京急バスの「金沢八景駅」行きに乗り、「十二所神社」か「朝比奈」のバス停で下車するのが便利。一方を出発点にした場合、もう一方が終着点になります。
どちらからスタートしても問題ありませんが、「十二所神社」からスタートした方が、途中の見どころのひとつ「大切通し」に掘られた磨崖仏を見逃さずにすむでしょう。「朝比奈」側から歩いてくると完全に死角になるので、場所を知らないとそのまま通り過ぎてしまう可能性があります。
「十二所神社」バス停からスタート
「十二所神社」のバス停から住宅街を抜け、木立が生い茂る山道に入って行きます。
左側に清流を見ながら歩いていくと「太刀洗水」の先に「朝夷奈切通」と書かれた看板があるのでそこを左へ。まっすぐ進むと梅の名所「十二所果樹園」があります。
ハイキングコースへ入るとすぐに「三郎の滝」が右手に流れ落ち、そこから緩やかな上り坂が続いています。道には川の水が滴っているので滑らないように気をつけましょう。
途中には古びたお地蔵さんなども立ち、昔ここでお参りしながら行き交っていた人々の姿が目に浮かびます。
磨崖仏が彫られた「大切通し」
ちょっと急な坂を登りきると、峠の少し手前にひときわ大きな岩壁「大切通し」が現れます。こちらに覆い被さってくるような絶壁は本当に圧巻で、当時切通しの作業にあたった人々の苦労が伺えます。
そしてその壁の端っこに、旅人を見守るかのような形で磨崖仏(まがいぶつ)が彫られています。反対側から来ると振り返らないと見えない場所にあるので、峠を越えたら左側に注意して通っていきましょう。
熊野神社
「大切通し」から峠を過ぎるとあとは下りでゴールまで行けますが、途中に「熊野神社」へ続く脇道があるので立ち寄ってみましょう。
熊野神社は、源頼朝が鬼門にあたるこの場所に、守護神として熊野三社大明神を勧請したことがはじまりとされています。
脇道の入口に立っている看板から5分程歩くと、木洩れ日が差し込む木立の隙間から鳥居と社殿が見えてきます。その姿はなんとも神々しく神秘的。こんな山奥にこんな立派な社殿があることにきっと驚くことでしょう。
鳥居をくぐり階段を上ると拝殿があり、さらに階段を上ったところに本殿が建っています。辺りはどこまでも静寂に包まれ非日常的な空気を感じられるはず。
「小切通し」からバス停
「熊野神社」でお参りしたあとは、案内板のところまで同じ道を戻り、さらに山道を下って行きます。すると「大切通し」に次ぐ規模の「小切通し」に出ます。こちらは道幅が狭く両側に切り立つ壁が迫っていて、秘境感のある景観がとても美しい。
ここは、どちらの地点からスタートしても、両サイドからの風景を見てほしい場所です。ぜひ壁の間を通り抜けた後振り返って見てください。
ここを過ぎるとゴールはもうすぐ。
ハイキングコースの出入口にあるお地蔵さんと案内板を過ぎると、2~3分でバスが通る金沢街道に出ます。そこを左に行くと「朝比奈」バス停があり、右に行って道路を渡ると金沢八景方面へ行くバス停があります。 

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熊野神社
place
神奈川県鎌倉市浄明寺3丁目
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朝夷奈切通
place
神奈川県鎌倉市十二所、横浜市金沢区朝比奈町
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十二所神社
place
神奈川県鎌倉市十二所285
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