愛知知多名僧が創った岩屋寺、五百羅漢を巡り静寂の奥之院を歩こう


2018.05.09

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岩屋寺は尾張高野山総本山の名刹。開創は8世紀に遡ります。行基菩薩、弘法大師、親鸞聖人など名だたる名僧が作り上げました。19世紀に尾張徳川家の祈願所となったので、本堂には三つ葉葵の紋章がかかっています。重厚な歴史と共に、境内から続く大師ヶ岳には素朴な表情の五百羅漢像が並び、歩いてみたくなる山道です。山道は88か所の羅漢像を巡り、山を下り奥之院へ続いています。静寂の奥之院の佇まいも含めご紹介します。
名僧たちが作り上げた大伽藍
知多半島の人気リゾート、山海海岸から東北方向へ約2kmにある岩屋寺。その来歴は古く、名僧たちが作り上げた大伽藍です。創建当時は堂塔伽藍十二ヶ坊、大門、楼門、多宝塔がありました。
ご本尊は、弘法大師がこの地で100日の護摩修法を行った際に残った灰で作ったと云われる「千手観世音菩薩」です。一度は、戦国時代に荒れ果てた伽藍ですが、尾張徳川家10代藩主斉朝(なりとも)が病弱だったため岩屋寺で祈祷したところ、健康になったので尾張徳川家の三つ葉葵御紋章を許されました。
斉朝が当山へ赴任を呼び掛けた寛海大師は、尾張候に岩屋寺の修復を願いあげ、荒れ果てた本堂などの手入れを行っています。
814年に知多半島に上陸した弘法大師は、岩屋で100日間の護摩修法を実施。現在岩屋寺は尾張高野山の総本山、知多四国第43番札所です。宗派の異なるお寺に大師堂が設置されている札所もありますが、ここは真言宗弘法大師ゆかりのお寺です。浄土真宗開祖の親鸞聖人が立ち寄ったことで出来た阿弥陀堂(左手灯篭前)が建立されています。
19世紀始めに現在の二層総欅造りの経蔵が完成しました。威厳ある重厚な経蔵建築をご堪能下さい。
素朴な表情の五百羅漢像
経蔵脇には大師ヶ岳山道への階段があり、右手に五百羅漢像が並んでいます。
羅漢さんたちは境内を素朴な表情で眺めています。
1820年に開眼の羅漢の表情は一体一体異なり、近寄って眺めてみたくなりますよ。
大師ヶ岳山道を歩こう
羅漢像の横を通り、階段を上り振り返ると経蔵越しに陽光に照らされた向かいの山がよく見えます。
山道には1番から88番まで札があり、標高73mの山頂の昭和時代に建立された大師像を越えて奥之院へ下って行きます。
樹々が深く落ち葉を踏みしめながら古道のような山道が続きます。時間に余裕のある方は、標高約30mほどの本堂から標高73mの頂上までゆっくり散策してみてはいかがでしょう。本堂方面へ戻らずに下れば奥之院に出ます。奥之院までは全体で15分程。
山道を歩く方は、スニーカーなど歩きやすい靴と虫などにさされないようにパンツや靴下をはくことをおススメします。
静寂の奥之院を歩こう
経蔵まで戻れば、岩屋寺に沿った道路で奥ノ院入口まで徒歩約3分です。こちらは高低差なしの移動。入口脇に数台の駐車場もあるので車移動も可能です。
奥之院は知多四国番外霊場ですが納経所がないので、岩屋寺本堂納経所で御朱印を合わせていただきます。
入口から50mほど進むと、経蔵脇から大師ヶ岳を巡った山道が、最後に小さな橋を渡り奥之院参道に合流します。
深い森の中に、突然赤い三重塔が視界に入り、はっと息を飲むことでしょう。高い木立ちと高僧などのお墓が続くこの道は、まるで和歌山の高野山奥之院のような雰囲気を感じますよ。
静寂の奥之院
塔の脇に階段があるので是非上ってみて下さい。
そこに広がるのは、静寂。鏡のような水面に樹々の緑が映り込み、しばらく眺めていたくなることでしょう。
振り向けば奥ノ院三重塔が静かな佇まいを見せています。
岩屋寺では、祈祷などの他に、うちわで念珠つくり、御朱印帳つくり、写経、坐禅なども体験できます。古刹での体験にご興味がある方は寺務所に問い合わせてみてはいかがでしょう。 

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岩屋寺
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4.0

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place
愛知県知多郡南知多町山海字間草109
phone
0569620387
opening-hour
9:00-16:30
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