梅だけにあらず!水戸「偕楽園」はツツジも良し!


2018.04.27

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日本三名園のひとつ、茨城県水戸市にある「偕楽園」といえば、2~3月に開催される梅祭りで有名ですよね。その一方で4月下旬から5月中旬に開催されている「つつじまつり」はあまり知られていません。園内の歴史的建造物「好文亭」と、その周辺に咲き乱れるつつじはフォトジェニックですし、梅のシーズンとは違った静かな偕楽園もまた魅力的です。晩春から初夏にかけての偕楽園をご紹介いたします。
ツツジは好文亭の前!
広大な偕楽園の敷地ですが、その半分は約100品種、3000本の梅林です。訪れたことがある方もツツジ(正確にはキリシマツツジ)がどこに咲くのか分からないかもしれません。
目印は非常にシンプルで、園内のシンボルともいえる歴史的建造物「好文亭」の前です。門の場所でいうと東門や南門からの入場がアクセス良好といえるでしょう。
もうひとつの目印となるのが園内でひときわ目立つ大きな桜の木「左近の桜」です。そうです、桜もあるんです。4月初旬~中旬にかけてと、梅祭りやつつじ祭りに比べ短い期間ですが桜まつりもあります。
新緑の桜の前に紅葉したかのようなツツジは映えますね~。
ツツジの全景を見たい場合は、やはり「好文亭」の3階(楽寿楼)から眺めるのがベストでしょう。「好文亭」については後述しますが、入園無料の偕楽園にあって、ここだけは大人200円と入館料がかかります。しかし千波湖まで見渡せる見事な庭園風景が楽しめますから、入館はマストですね!
好文亭はThe日本家屋
さてそもそも偕楽園とはなんぞ?という話なのですが、水戸藩の第九代藩主である徳川斉昭が、広く庶民に開放する目的で1842年創設・開園したまさに「公園」です。
花がきれいというだけでなく、梅干は非常食にもなるという理由から梅を植樹しまくり、その眺望を愛でるために創られたのが、この「好文亭」というわけです。ちなみに「好文」とは中国の故事で梅を意味しますので、相当梅が好きだったようですね。
伝統建築の殿堂とも呼ばれる「好文亭」の中はまさにThe日本家屋。建築意匠まで徳川斉昭自らが定めたそうですから、当時の最高峰の建築といって良いでしょう。
「好文亭」の障子はすべて開け放たれており、屋内の伝統建築だけでなく外の庭園風景を楽しめるようになっています。気持ちのいい風が吹き抜ける設計と、優雅な日本庭園の風景に和の真髄を感じますね。
「好文亭」の魅力はその様々な機能にあります。城主の趣味の庵というだけでなく、城中に出火があった際の避難場所や物見やぐら、そして写真のように領内の老人などを集めて慰安会を行うセレモニーホールなど、その機能に適した多様な部屋が存在するのです。和室も機能に応じて大小様々であり、見学していて飽きることはありません。
ハイライトはやはり3階の楽寿楼
「好文亭」のハイライトはやはり楽寿楼。斉昭の愛した風景を楽しむ展望の開けた3階部分です。外から見ると2階建てに見えますが、護衛の武士が控える中二階があるため3階というわけです。さすがお殿様のスペース、洒脱な設計ですね。
物見やぐらも兼ねているため、ツツジの咲く庭園方面だけではなく、南西方面まで気持ちの良い風景が広く見渡せます。思わず景色を楽しみながら食事をしたくなりますが、当時もそうだったらしく、1階から手動エレベーター方式で食事を運ぶ配膳室も3階には備えてあります。
歴史の小径もお忘れなく
今までみてきたツツジや好文亭は偕楽園の中心部。ではこの中心部に至る正しい経路は?というと、好文亭の表門から竹林と杉林を抜けていく通称「歴史の小径」ルートです。梅林を抜けないの静寂の世界感がポイントです。
まずは「一の景」である表門をくぐりましょう。
「二の景」は、今にも武士が現れそうな孟宗竹と巨大な杉が居並ぶ小道を行きます。まさに幽遠静寂の世界。視界の開けた中心部とは対照的な和の風景ですね。
そして「三の景」は森の中にたたずむ巨大な大理石「吐玉泉」。斉昭の時代から茶会に利用されるなど、枯れることなく湧き出る清水でのどを潤しましょう。
なお、これら一の景から三の景を通って好文亭に行くのが古来のルートですが、現在の駐車場の位置(偕楽園東側・偕楽園駅前の有料駐車場が最も便利)を鑑みると、実際は逆に通ったほうが効率的に廻れます。
ツツジや梅で華やかな偕楽園のもうひとつの姿を堪能しないと損ですから、ぜひ廻ってみてください。 

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