美しい庭園も展示室も無料!京都御苑「閑院宮邸跡」


2018.04.28

トラベルjp 旅行ガイド

京都御苑の南西角にある「閑院宮邸跡」は、美しい庭園と貴重な宮家建築を偲ぶことができ、しかも建物内の収納展示室や庭園は予約の必要もなく無料で見学することができます。四季折々に多彩な植物で彩られる京都御苑はとにかく広くお目当ての場所にたどり着けるか不安な時や、見頃を迎える花暦の情報チェックにもまずはこちらの展示室の見学がオススメ。
中庭を含め3ヶ所ある庭園も緑に溢れて美しく、遣水や池の光景も必見です!
緑が美しい閑院宮邸跡の門と玄関
東西約700m、南北約1,300mと広大な敷地をもつ京都御苑ですが、閑院宮邸跡は御苑の南西の角地にあります。地下鉄丸太町駅から一番近い間ノ町口から御苑に入れば、すぐ左手前方にこの門が見え、いかに広い御苑の中とはいえそうそう迷うことはありません。しかも、なんとこの閑院宮邸跡は庭園・展示室とも無料で見学することができ、予約も必要ありません。
閑院宮家は伏見宮・桂宮・有栖川宮と並ぶ四親王家の1つで、安永8年(1779年)後桃園天皇の崩御に伴い閑院宮家の祐宮(後の光格天皇)が践祚して以来、現在の皇統はこの宮家の血統に当たります。
閑院宮家が明治2年の東京遷都に伴い東京に移られた後、明治16年閑院宮邸跡には宮内省京都支所が設置されました。
かつて京都御所周辺にあった宮家や公家の邸宅や庭園は遷都に伴い撤去されましたが、閑院宮邸は一部貴重な遺構が残ることから、平成15年に環境省によって長屋門や築地塀、池の整備などの保存修復が行われています。
地図やパンフレットをゲット!
立派な玄関で靴を脱いで用意されたスリッパに履き替え、展示室に入るとすぐにインフォメーションコーナーがあります。ここには閑院宮家のパンフレットの他、京都御苑の地図や資料があるので、これからがっつり京都御苑を散策するぞ、という時にもぜひ訪れてみるのがオススメ。
展示室では京都御苑に関する歴史や、四季折々に美しい表情を見せる御苑内の植物や自然環境、貴重な出土品なども展示され、映像コーナーではゆっくり座ってビデオを見ることができます。
展示室からみる庭園
また、閑院宮家跡の展示室からは美しい庭園を堪能することもできます。初夏の緑を初め四季折々に楽しめる庭園は、展示室の縁側からも眺めることができ、雨天の日に御苑の散策は厳しいかな、なんていう時にもこちらの見学はもってこいの場所。
閑院宮邸跡には二ヶ所の庭園とさらに中庭があり、展示室や縁側からは敷地の東南部にある庭園の眺めを楽しむ事ができます。
この庭園には作庭当初の雰囲気を再現した池があり、その周囲には散策路や四阿も設けられています。
こちらは展示室南部にある縁側からの眺め。散策路が良い雰囲気で、とても絵になる光景です。
中庭もお見逃し無く
芝の緑が美しい中庭も必見。この庭を取り囲むようにして展示室やレクチャーホールが建っています。
様々な講演・講座や、企画展示などが開催されるレクチャーホールの前には、ずらりと切り株の机とアンティークな椅子が並び、ここに座ってゆっくりと中庭を眺めるのもいいものです。
宮内省所長官舎跡
緑のきれいな庭園の散策路を進むと立派な蔵があり、そのさらに西側一帯が明治時代に閑院宮家跡に建設された宮内省所長官舎跡です。
宮内省所長官舎跡及びその庭園は、閑院宮邸跡の敷地西南部にあり、建物は現存しませんが、その間取りは当時と同じ地に引かれたライン等であらわされています。案内板もあり、官舎からの眺めを想像することができます。
こちらの庭にも池や遣水が整備され、特に水の透明度は御苑でも群を抜く美しさ。
案内板やベンチも設置されている同庭園は整備の後、平成26年から公開され、年々その風情は増すばかりです。収納展示室の見学と併せて、ぜひ訪れてみて下さい。 

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