無事故のご利益!国立市「谷保天満宮」は交通安全祈願発祥の地


2018.04.12

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交通安全祈願の神社仏閣は大変多いのですが、意外なことに交通安全祈願発祥の神社があることをご存知でしょうか。
東京都下の多摩地域の国立市にある「谷保(やぼ)天満宮」がその神社。
発祥の起源は皇室と自動車産業の結びつきからで、知る人ぞ知る交通安全のメッカとして毎年多くの祈願者が参拝しています。
その由緒とご利益についてご紹介いたしましょう。
谷保天満宮とは
東日本最古の天満宮で、湯島天神、亀戸天神と並んで関東三大天神と呼ばれています。
現在のJR南武線の谷保駅を「やほ」としたことから、地名も「やほ」となりましたが、神社の呼び名は「やぼ」です。
それは江戸時代の狂歌師の大田南畝が「神ならば 出雲の国に行くべきに 目白で開帳 やぼのてんじん」と詠み、無粋なことを云う「野暮」や「野暮天」の語源の一説となったことからも解ります。
903年2月に菅原道真が死去した際、道真の三男・道武がこの地に流され、自ら像を刻んで父を祀る廟を建てたことに始まると云われています。
そして921年11月に道武が死去すると道武も相殿に合祀されたと伝承され、関東三大天神と呼ばれるようになりました。
947年、京都北野天満宮造営の際、村上天皇の勅によりこちらの神殿も造営され官社となり、1181年に現在の地に遷座しました。
そして1275年、後宇多天皇の勅により納められた藤原経朝書「天満宮」の扁額は重要文化財です。
このように朝廷からも篤い崇敬をうけた天満宮といえます。
交通安全祈願発祥とは
谷保天満宮が交通安全祈願発祥の地となったのは、“自動車の宮様”と呼ばれた有栖川宮威仁親王に由来しています。
それは1905年に外遊先から持ち帰ったフランス製「ダラック号」の修理を東京自動車製作所に依頼したことから始まり、親王は日本独自の自動車製作を同所の吉田真太郎に持ちかけたのでした。
そして3年後の1907年に国産ガソリンエンジン自動車の第1号となる「国産吉田式自動車」が誕生しました。
これはダラック号のボディと、アメリカフォードA型のエンジンをベースに製作され合計14台受注し、その第1号車のオーナーは勿論有栖川宮威仁親王です。
この国産吉田式自動車は走る時に「ガタクリ、ガタクリ」と音をだしていたので「タクリー号」と呼ばれるようになりました。。
そして翌年1908年に親王によるタクリー号のお披露目として「遠乗会(とおのりかい)」と称する日本初のドライブツアーが行われました。
ダラック号に乗車する親王と国産吉田式自動車3台に、フィアットやフォード、メルセデス・ベンツなど計11台により、日比谷公園からこの谷保天満宮間をドライブしたのです。
谷保天満宮に到着した一行は、現在もほぼ当時のまま残る境内の梅園で昼食会を開き、自動車産業の未来を語り合いました。
そして帰路のドライブの安全を祈願して祈祷し、故障も事故もなく甲州街道往復を走り切ったことから、谷保天満宮が日本初の交通安全祈願の地となったのです。
交通安全のご利益は
こうした由来から、レトロながらも可愛らしいタクリー号の描かれた交通安全の絵馬が人気です。
交通安全を願って奉納する方が多いのですが、中には道真を祀った天満宮らしく、普通免許試験の合格祈願という谷保天満宮ならではのお願いもあります。
交通安全祈願ならやはりお守りは欠かせません。
一般的なお守りやステッカータイプなどがありますが、人気はキーホルダーです。
「日本最初のドライブツアー」と書かれたキーホルダーは、常に身に着けている安心感がありますね。
最後にご紹介するのはお守りではなく、昨今流行りの御朱印帳。
「日本一可愛い」と銘打った青い空と梅をイメージさせるパステル調の御朱印帳は、御朱印ガール達に人気です。 

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谷保天満宮
rating

4.0

86件の口コミ
place
東京都国立市谷保5209
phone
0425765123
opening-hour
[お礼場]9:00-16:50
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