奈良のスカイツリー!?東大寺・二月堂は絶景かな


2014.06.27

LINEトラベルjp 旅行ガイド

奈良に観光で来られたなら、ぜひ訪ねていただきたいのが東大寺・二月堂。観光地から離れてぽつんと建つ二月堂の姿は独立した美しさを秘め、静かな威厳に満ちています。山の斜面に建てられた舞台づくりの建物からの眺めは良く、天平文化が花咲いた奈良盆地を見渡すには絶好のロケーション!1300年の歴史を刻み続ける“奈良のスカイツリー”と呼んでも良いでしょう。その二月堂の見どころをご紹介します。
白い壁や石垣、広い石畳 二月堂への参道は風情あるたたずまい
世界文化遺産に登録されている東大寺(奈良市)のお堂のうちの一つが二月堂。
“奈良の大仏さま”で親しまれている東大寺大仏殿(金堂)を正面に見て右側に、水路に沿った道があります。この道を真っすぐ進んで突きあたりを右に曲がると、やがて見えてくるのが二月堂。
写真の正面にある三角屋根の建物が二月堂です。参道には白い壁や石垣、広い石畳が広がり、古都らしい風情が漂う。春には梅や桜の花が白壁越しに見られ、とても心が和む場所。秋の紅葉も美しく、石垣のコントラストと相まって、古都・奈良の散策を楽しむことができます。
山の斜面に建てられた二月堂 技術の粋を集めた舞台づくり
写真は二月堂を見上げたもの。山の斜面に、西を正面として建てられています。建物が前にせり出すように建てられていることが特徴。このような建て方を“懸(か)け造る”といって、床を水平に保つため、床下の柱の長さを調整し、建物を支えています。専門的には「懸造」(かけづくり)と呼ばれる方法で、当時としては東京スカイツリーを建設するような高度な技術が使われました。「懸造」は京都の清水寺など、観音さまをご本尊とするお堂に見られます。
二月堂の両側には階段があり、このうち南側の石段(写真の手前)の表面には、不思議な模様が。唐草(からくさ)や亀、水の流れ、波をイメージした模様が刻まれ、これを踏むと無病息災がかなうとされています。
また、二月堂の正面には、『良弁(ろうべん)杉』と呼ばれる大きな杉(写真左)があり、奈良時代のお坊さん(良弁)が赤ちゃんの時にワシにさらわれて、この杉にひっかけられたという伝説が。その後、赤ちゃんは立派なお坊さんになり、東大寺の建立に尽力したそうです。
威風堂々とした二月堂の姿 創建当時の精神を刻み続ける
二月堂は大きなお堂ではありませんが、落ち着いた風格と気品が漂い、奈良の奥深さが感じられます。関西に春を告げる風物詩“お水取り”(正式には『修二会』〈しゅうにえ〉)が行われる場所としても有名。
奈良時代(8世紀)に建てられましたが、創建当時のものはお水取りの最中の失火が原因で焼失。現在の建物は1669年の再建(江戸幕府の第4代将軍である徳川家綱の援助による)で、日本の国宝に指定されています。
お水取りは、8世紀から一度も途切れることなく、多くの危機や苦難を乗り越えて現代まで継承。その不屈の精神の器として、二月堂の姿が大きく胸に迫ってきます。
威風堂々とした二月堂の姿 創建当時の精神を刻み続ける
二月堂では、お堂の回廊を取り囲むようにして、釣燈籠(つりどうろう)を見ることができます。日が暮れると、燈籠に明かりがともり、あたりは幻想的な雰囲気に。まるで遠い昔へとタイムスリップしたような、厳かな気配に満ちています。
写真の右手は二月堂の正面に当たりますが、こちらには“人肌のような温かみを持つ”とされている観音さまがいらっしゃいます。
奈良時代のお坊さんで、良弁さんの弟子に当たる実忠(じっちゅう)さんが大阪の浜辺(難波津)で花をささげていると、やがて海の彼方から十一面観音のお姿が。それは、人間のような温かみを持つ観音さま。この観音さまに祈りをささげる法会が、今日まで1200年以上もの間、一度も途切れたことのない“修二会”です。
補陀落(ふだらく)の世界も見える!?二月堂は奈良盆地を見渡す絶好のロケーション
こちらが二月堂の舞台から見た風景。右上に少し見える建物が二月堂の回廊で、左に東大寺大仏殿の屋根が木々の間に見えます。夕暮れになれば、大仏殿の屋根にそびえる鴟尾(しび)が夕陽を浴びて黄金色に輝き、眼下に広がる寺院の瓦屋根が薄茜色に。そのはるか向こうには奈良盆地が広がり、なだらかな峰の生駒山に日が沈んでいきます。
奈良には高い建物がないので、山の斜面に建てられた舞台づくりの二月堂は東京スカイツリーにも匹敵する眺望の良さ。
生駒山の彼方に沈む夕日。暮れてゆく空の彼方。そこは、二月堂のご本尊さまが姿をお見せになられた難波津がある方向。時空を超えて、観音さまがいらっしゃる補陀落(ふだらく)の世界も見えるかもしれません。奈良の旅の終わりに、ぜひご覧いただきたい風景です。
【東大寺 二月堂】
■所在地:奈良県奈良市雑司町406-1
■電話:0742-22-3386
■アクセス:近鉄奈良線・近鉄奈良駅から徒歩約30分(バスで近鉄奈良駅から約4分)
■拝観料:無料
おわりに
二月堂のご本尊さまは大小二体ありますが、それぞれ絶対の秘仏。修二会の法要を務める、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれるお坊さんさえも、そのお姿を見ることは許されません。
しかし、二月堂は24時間、いつでも開放されています。いつでも訪ねて下さい。観音さまの温かみと懐の大きさが感じられることでしょう。 

二月堂
place
奈良県奈良市雑司町406-1 東大寺内
phone
0742225511
opening-hour
24時間参拝可能

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