愛媛県松野町にある「森の国ぽっぽ温泉」は全国的にも珍しい、駅舎の中にある温泉です。
ローカル列車に乗ってゴトゴトと。田園地帯から四万十川に向かって走り、駅舎の中にある温泉へ。個性的な観光列車も走るこの路線で、プチトリップはいかがでしょうか。
ローカル列車でのんびりと
JR四国予土線の発着駅、宇和島駅。こちらは明治時代に流行した唱歌「鉄道唱歌」の作詞を手がけた大和田建樹のふるさとです。
写真は駅前に展示されている、ドイツ・コッペル社製の機関車の復元模型。看板に設置されているボタンを押すと、鉄道唱歌のメロディーと機関車の走行音を聞くことができます。
宇和島駅には自動改札がありません。駅員さんに切符を渡して改札印を押してもらいましょう。これだけでも非日常の旅気分が味わえます。
温泉のある松丸駅へは、ここから予土線の窪川行きで約45分。列車は車掌が乗務しないワンマン列車。乗車時に整理券を取ることをお忘れなく。
日本一遅い新幹線も！？予土線3兄弟
どうせなら観光列車で行きましょう。予土線を走る観光列車、その名も予土線3兄弟。こちらは三男の「鉄道ホビートレイン」。0系新幹線がモチーフで、だんご鼻に白と青のカラーリング。田園風景の中を疾走する姿はとても可愛い！
内装には実際に０系に使用されていた転換シートの座席もあります。運賃表には実際には使われない東京・新横浜・小田原などの表示も。
また車内には特設ポストを設置。こちらから手紙やハガキを投函すると、 予土線オリジナルの日付印を押印して郵送されます(普通郵便限定)。めずらしい列車内のポスト、旅先から記念の手紙を出してみてはいかがでしょうか。
日本で唯一、四国にだけ走っていない新幹線。こんな形で出会えるなんて。車内はすべて自由席。普通乗車券のみで乗車可能です。
こちらは次男の「海洋堂ホビートレイン かっぱうようよ号」。清流四万十川へ向かって走るこの列車は、清らかな川に住むというかっぱの世界をイメージしています。
フィギュアの老舗・海洋堂プロデュースというだけあって、車内にはかっぱがいっぱい！不思議な世界に旅ゴコロも盛り上がります！こちらも車内はすべて自由席。普通乗車券のみで乗車可能です。
長男の「しまんトロッコ」は、ななつ星in九州などをデザインした、工業デザイナー 水戸岡鋭治氏のデザイン。4月から11月の季節運行です。トロッコ乗車区間では、四万十川を眺めながら、ボランティアガイドによる沿線案内や特産品の車内販売もあります。
トロッコ乗車には、乗車券の他に座席指定券が必要となります。当日、空席があれば現地の駅でも購入可能ですが、確実に乗りたい場合はJR西日本予約サービスやみどりの窓口であらかじめ乗車券を購入することをオススメします。
各列車の運行日・運行時間などは関連MEMOの公式ホームページを参考にしてください。
駅に着いたらすぐ温泉！
松丸駅の改札を出て、2階が温泉です。貸しタオルの販売などもあるので、手ぶらでふらっと立ち寄っても温泉を楽しむことができます。
泉質は単純温泉＜低張性弱アルカリ性冷鉱泉＞。弱アルカリ性で余分な皮脂を落とす、美肌の湯です。
お湯は明治(あけはる)の湯、滑床(なめとこ)の湯の2つで、奇数日・偶数日で女湯と男湯が入れ替ります。他に貸切の家族風呂(別途料金)もあり、家族水入らずで楽しむこともできます。
駅舎の外には無料の足湯も。松丸の町並みを眺めながら、のんびりと旅の疲れを癒しましょう。
ぽっぽの湯に使用されている源泉は、25℃以下の冷鉱泉。こちらの施設では薪ボイラーでお湯を沸かしています。
薪ボイラーに使われる薪は町内の山の間伐材。地域循環システムで環境や地球にやさしいまちづくりを進めています。
薪を貯蔵している施設のまわりは、ほんのり木のいい香り。なんだかなごみます。
やさしい木の香りと迫力の大樽風呂
明治の湯は木がふんだんに使われた、木目があたたかい印象のお風呂。やさしい香りに癒されます。
そして屋外には、どーんと迫力ある露天の大樽風呂。青空の下のお風呂、開放感がたまりません！
湯船に滝！？癒しのミスト
滑床の湯は地域の名所・滑床渓谷にある雪輪の滝をモチーフにした岩風呂調のお風呂。滝をしたたる温泉の雫が飛び散って、しっとりと入浴を楽しめます。
こちらの露天は野趣溢れる岩風呂。遠くの山々を眺めて、鳥のさえずりや汽笛を聴きながらのんびりと楽しみましょう。
湯上りには広々とした休憩室も。のんびり休憩して電車を待つのもいいですね。なんせここは駅舎の中。あせることはないのです。
お隣、高知のアイスクリンや地元メーカーの瓶のフルーツ牛乳、地域の名産品などのお土産を眺めてのんびりしましょう。
川向こうには道の駅「虹の森公園まつの」もあり、特産品の販売所や水族館 おさかな館もあります。一人旅でも家族でも。たまにはのんびりと電車と温泉なんていかがですか。
