名古屋にチベットのパワスポ!?チベット仏教寺院「チャンバリン」


2018.02.12

トラベルjp 旅行ガイド

名古屋にある本格的なチベット仏教寺院「チャンバリン(強巴林)」。チベットの建築様式をそのまま用いた寺院は、チベット以外ではおそらく世界的にも珍しい寺院です。チャンバリンは、有名人もお忍びで訪れるほどのパワースポット。異国情緒豊かな空間と溢れんばかりのパワーに、日本はもとより海外からも多くの方が訪れています。
なぜ名古屋に、本格チベット仏教寺院が!?
「世界的にも珍しい本格的なチベット仏教寺院がなぜ名古屋に?」。まずは、誰もが疑問に感じる点からご説明しましょう。
チャンバリンに隣接して「倶利加羅不動寺(くりからふどうじ)」という寺院があるのですが、ここを開いたのが森下永敏大住職。大住職がチベットで厳しい修行を積んだ結果、世界遺産でもあるチベット仏教の総本山・トゥルナン寺(大昭寺・ジョカン寺)と同じ様式で寺院を建設することが認められたのだそうです。
とはいえ、トゥルナン寺の設計図面はありません。日本から設計士など50人もの団体が現地を訪れ、4年の年月をかけて2005年に完成しました。
チャンバリンの入口の門には、内部に経文が収められた大きなマニ車があります。マニ車は、「オンマニペメフン」とご真言を唱えながら時計まわりに一周まわすことでお経を唱えたのと同じ功徳が得られるとされている仏具。ずいぶん手抜きのように思えますが、これは文字を読むことができない信者のために考え出されたものなのだそうです。
屋根の上には、お釈迦様の教えを象徴する法輪を挟んで二匹の鹿が向かい合っています。こちらもまた、チベット仏教のシンボルです。
世界でも希少!チベット様式のチベット仏教寺院
チベットのトゥルナン寺とチャンバリンは規模こそ違いますが、本堂内のカラフルな柱も美しい仏教画も、トゥルナン寺の様式そのまま。かなり若く見えるお釈迦様は「十二歳像」と呼ばれるもので、なんとお釈迦様の存命中につくられたものです。インドから唐へ渡ったこの十二歳像は、唐のお姫様がチベットへお嫁入りする際にチベットに渡りました。そのため、「良縁成就」のご利益もあるそうです。
なお、ネパールなどチベット仏教を信仰する国や地域はチベット以外にもあります。しかし、チベットの建築様式で建てられている寺院は世界的にも少ないとのこと。他国では長い歴史を経て独自の仏教文化が栄えているため、チベットとまったく同じ様式の寺院ではないのだそうです。
本堂1階から上を見上げると、4色の観音様のお顔などがずらりと並んでいます。下側にある6体の絵は、夜叉(やしゃ)とその子どもである犬たち。チベットの高地にいた立派なリーダーのサルに恋をした夜叉が改心し、サルとの間になした犬の子たちがチベット人の祖になったという伝説があります。サルと夜叉には500人もの子が生まれたという話も残っているため、「子宝」のご利益があると言われています。
チャンバリン内の仏教画も、チャンバリンの外ではためくタルチョ(願い事が書かれた旗)も非常に美しいもの。しかしこれらは観賞用ではなく、あくまでも祈りのための存在です。インテリア目的で軽々しく購入しないようにしましょう。
大宇宙マンダラの下で、瞑想を
本堂の2階には、天井に「大宇宙マンダラ」が描かれた瞑想の部屋があります。大宇宙マンダラは、宇宙の真理を表したもので、この下に立って目を閉じて瞑想します。不思議と心が安らいでいくのがわかることでしょう。
中には宇宙と交信できたり、立っていられないほどのパワーを感じたりする人もいるそうですよ。
厳しくも親しみやすい、森下大住職母子の活動
森下永敏大住職は、修験道の行者として男性修行僧でもなしえない命がけの修行を行ったり、海外での平和活動にいそしんだりしています。2階には国内外でのその活躍ぶりを紹介するコーナーがあります。
また、2016年から住職を務めている息子の森下瑞堂師はテレビ業界出身。地元のFMラジオに出演したりYouTubeの公式チャンネルで神仏についてわかりやすく解説する番組を作ったりと、一般の人たちが親しみやすさや興味を持てる宗教活動を続けています。
チベットより美味!?チベット料理「カフェ パルコル」
チャンバリンの敷地内にはチベット料理をいただけるカフェがあります。カフェの横にもマニ車がありますので、「オンマニペメフン」を唱えながらまわしてみましょう。もちろん、信者や参詣者でなくても利用できますよ。
パルコルにはチベットを代表するドリンク「バター茶」もあります。ヤクの乳脂肪でつくる塩味のドリンクで、高地生活で不足しがちなビタミンや脂肪、タンパク質を摂取するためになくてはならない存在。チベット人は1日に何杯もバター茶を飲むのだそうです。
パルコルのバター茶はかなり飲みやすくしてあり、バター飴を溶かしたようなほんのりとした甘さもあります。好みの分かれる味ですが、興味のある人は飲んでみましょう。チベットカレーとのセットにもできますよ。
本格的なチベットカレーやトゥクパ(チベットの麺料理)もありますが、こちらはパルコルオリジナル料理の「ザンビーヤ」。チベットにはチベット小麦をバター茶で練ってそのまま食べる「ザンバ」という食べ物があるのですが、それをメキシコのトルティーヤ風に焼き、具を巻いたものです。
チャンバリンを訪れたチベット人がパルコルでザンビーヤを食べてそのおいしさに驚き、「チベットでザンビーヤの店を作りたい!」と言ったというエピソードもあるそうです。 

read-more
倶利加羅不動寺
place
愛知県名古屋市守山区青葉台101
phone
0932821643
すべて表示arrow
no image

この記事を含むまとめ記事はこちら