「奈良 大立山まつり」は平城宮跡で開催される冬の一大イベント


2018.01.14

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世界文化遺産・平城宮跡で行われる「奈良大立山まつり」は、2016年に始まり、2018年で3回目を迎える冬の一大イベントです。巨大な山車「大立山」が会場内を巡幸し、無病息災を祈願するほか、県内各地の伝統行事のお披露目や、あったかもんグランプリなどもあり、新春の奈良を盛り上げます。毎年、スケールアップする新春のイベントを満喫しに、冬の平城宮跡を訪れてみませんか?
同時開催のビッグイベントにも注目
2018年の「奈良大立山まつり」開催期間は、1月26日(金)~1月28日(日)までの3日間です。見どころのひとつは、高さ約7メートルの4基の「大立山」。奈良県内各地で行われてきた風習「立山」をモチーフにしたもので、会場内を巡幸する姿は圧巻です。
またイベント期間中の1月27日(土)には、「若草山焼き」があって、会場内からも眺められます。若草山焼きは、約600発の花火が打ち上げられたあと、33ヘクタールの草地にいっせいに火をつけて山を焼く、真冬の風物詩。見物には、平城宮跡の朱雀門付近が、絶好のビュースポットです。
展示ブースでは、広陵町の「大垣内の立山祭」が。専光寺で毎年、8月24日に行われる地蔵盆の祭で、伝統の立山(作り物)を飾ります。立山は、その年の話題となった出来事や有名人を取り上げて、面白おかしく飾りつけたもの。これを立てないと、病気や事故が起きるとされ、いわゆる身代わりとして、江戸時代に始まったという説があります。
2018年の、奈良大立山まつりの特徴は、参加伝統行事が過去最多になったこと、特設ステージが第一次大極殿前から、手前にある広場「朝堂院」に移され、伝統行事等を見学しながら、併設された飲食ブース「あったかもんグランプリ」で、同時に飲食を楽しめるということ。さらに、子供も楽しめるエンターテイメントゾーンが設置されたことです。
ちなみに、会場内を巡幸する4基の大立山は、東西南北の各方位を守る四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)をモチーフにしたもの。近づいて仰ぎ見ると、その力強さに心引かれる思いがするでしょう。
奈良の伝統行事が一堂に見られる絶好の機会
奈良大立山まつりは、連綿と続く、奈良の伝統行事が一堂に見られる絶好の機会でもあります。写真の「鬼火の祭典」は、鬼を仏道に迎え入れる吉野町の新春の風物詩。吉野山の金峯山寺の節分行事で、毎年、2月1日~3日に行われています。
最終日の法要が終わると、鬼火の祭典と呼ばれる、鬼の調伏式があり、他の寺社のものとは違い「鬼は内、福も内」と唱え、全国から追われてきた鬼たちを迎え入れることで知られています。2018年は、1月26日(金)に、平城宮跡の朝堂院特設ステージにやってきます。ステージイベントのタイムスケジュールについては、関連MEMOをご覧下さい。
県内の伝統行事では、秋祭りの「だんじり」も。2018年は、1月27日(土)に橿原市の十市(とおいち)町のだんじりが、1月28日(日)には、大和高田市の大和だんじりが登場。ちなみに大和だんじりは、大阪府岸和田市の、岸和田祭りのだんじりを1台、譲り受けたことでも知られています。写真は、2016年の様子で、広陵町の戸閉(とだて)祭のだんじりです。
さらに、歴史好きの方には平群町の「へぐり時代祭り」がおすすめ。平群町は、歴史上の人物を輩出または、係わりの深い町で、ざっと紹介するだけでも、石田三成の重臣であり、関ヶ原合戦で壮絶な最期を遂げた「島左近清興」は平群町の出身。戦国時代の梟雄で、町内の信貴山城を居城とし、のちに織田信長に反旗を翻して籠城後、城に仕掛けた火薬に点火して爆死を遂げた「松永弾正久秀」。
さらに、天武天皇の皇子で、左大臣に就任して活躍したのち、政争に巻き込まれて自害した、奈良時代の悲劇のプリンス「長屋王」の墓が町内にあるなど、歴史ファンなら一度は訪れたみたいところです。へぐり時代祭りは、毎年、4月下旬に開催されている時代行列で、2018年の奈良大立山まつりでは、1月27日(土)に、朝堂院特設ステージに出陣します。
まつりのクライマックス「大立山巡幸」
大立山まつりでは、迫力ある和太鼓の演奏も楽しめます。2018年1月26日(金)は、奈良市の朱雀高校和太鼓部、1月27日(土)は、奈良市の地元太鼓 寧鼓座と、広陵町の広陵金明太鼓、1月28日(日)は、香芝市の香芝天衝太鼓が、それぞれ登場します。登場時間など詳細は、関連MEMOをご覧下さい。写真は、2017年の様子で、明日香村を拠点に国際的な演奏活動を展開する、プロ和太鼓集団「倭-YAMATO」のパフォーマンスです。
イベント期間中、毎日、19時30分からは、大立山巡幸が行われます。これは、四天王が一年の無病息災を祈願して、会場内を練り歩くというものです。夜の古都に、奈良の四季をイメージした装飾を施された四天王が練り歩く様は、まるで動く絵巻物のよう。
大立山巡幸で、とくに絵になるのが、第一次大極殿とのショット。大迫力の四天王が、ライトアップされた大極殿とともに幻想的に浮かび上がります。
勢揃いした「四天王」は必見
「大立山巡幸」の終了後、四天王が、第一次大極殿をバックに勢揃いする撮影タイムがあります。その姿は、まさに壮観そのもの。いろんなアングルから写真を撮ってみましょう。
全体を入れると、とても小さくなってしまうので、四天王の一体を大極殿をバックに撮影するのも、迫力があっておすすめです。
冬の夜の平城宮跡は、たいへんに底冷えします。足元から寒さが直に伝わってくる感じがしますので、靴用カイロなどで防寒対策をしましょう。このように「奈良 大立山まつり」は、毎年、スケールアップする進化し続けるイベントです。しかも観覧料は無料。これはもう見に行くしかない、という感じですね。次回の開催の新たなる展開に思いを馳せながら、一年の無病息災を祈ってみませんか? 

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