ダム底に沈んだ駅を目指せ!群馬県・渡良瀬渓谷鐡道の廃線跡を歩く


2017.08.13

LINEトラベルjp 旅行ガイド

群馬県・渡良瀬川の渓谷を走る「わたらせ渓谷鐵道」。足尾銅山の鉱石や貨物を運ぶために1911年に誕生しました。
ですが100年を越える歴史の中で、廃止されてダムの底に沈んだ駅があります。その駅の名前は草木駅。駅へ続く線路は撤去されていますが、トンネルや覆道といった痕跡はわずかに残っており今でも道として使われています。
今回はその痕跡をたどりながら、草木駅跡地の沈むダムを目指して歩いてみましょう。
1912年開業。登録有形文化財の「神戸駅」
桐生駅から1時間ほどのところにある神戸駅。1912年に誕生し、駅舎やプラットホームが登録有形文化財に指定されています。
長年風雨や日光にさらされた木造の駅舎は黒く良い色合いに染まっており、見ていると、まるで列車に乗っている間に半世紀前にタイムスリップしてしまったかのような感覚にさせます。
ちなみに神戸駅の構内にはレストラン「清流」があります。東武日光線で使用されていたデラックスロマンスカー「けごん」の車両を店舗として使っており、特急車両の中で舞茸を使った料理を味わえます。
さて、腹ごしらえをすませたところで、水没をまぬがれた廃線の痕跡を見に出かけましょう。今回は神戸駅をスタート地点として、かつて神戸駅と草木駅を結ぶために作られたトンネルや覆道を通り、草木駅跡地の沈む「草木ダム」を目指します。
かつて線路が通っていたトンネルと覆道
かつて神戸駅と沢入駅の間には草木駅がありました。ですが草木ダムの建設にともない1973年に駅が廃止され、ダムの底に沈みました。神戸駅から草木駅につながる線路も廃線となり、代わりに神戸駅から沢入駅につながる新線が作られました。草木駅へつながる線路は撤去されてしまっていますが、トンネルと覆道は現在でも残されており、通路として整備されています。
レンガ造りのトンネルの天井は壁と比べて黒くくすんでおり、長年煙にいぶされてきたことが分かります。
その奥の覆道も当時のまま残されており、安心して通ることができます。
ダム近くの橋から見る渡良瀬川は絶景
道なりに進んでいくと、やがて「ながら橋」に到達します。ここまで来れば草木ダムまであと少しですが、少し立ちどまって渡良瀬川をながめていきましょう。
渡良瀬川と紅葉を一度に楽しめるスポットはいくつもありますが、ここまで川を見に来る方はなかなかいないため人通りがなく静かで、まるで渓谷の奥深くに来たような感覚を味わえます。
旅の終着点。草木駅の沈む「草木ダム」
橋を渡ると間もなく、旅の終点「草木ダム」に到着します。このダムは1967年に着工し、1977年に完成しました。渡良瀬川沿岸の洪水への対策と、都市部や渡良瀬川沿岸の水の確保、そして水力発電を行うことを目的として建設されました。このダムの完成により草木駅は廃止となり、跡地も水の底に消えました。
このダムの高さは140メートルあり、ダムにより作られた人造湖(草木湖)の面積は東京ドーム36個分、容量は東京ドーム49杯分もあります。
野生動物がいる……かも?
今回のルートは歩道として整備されており、近くを車道や線路が通っているため、決して人里離れたところではありません。ですが歩行者は少なく、古びたトンネルや覆道、生い茂る草木によってちょっとした探検気分を味わえます。
そして、歩行者が少ないためニホンザルたちがじゃれ合っている光景に出くわすことがあります。また、周辺には熊や鹿が生息しているため、出会う可能性も決してゼロではありません。
遠くで見ている分にはほほえましいのですが、襲われることもあるので物音や茂みの中の気配には注意して、もし発見してもそれ以上近づかずにやりすごすようにしましょう。 

read-more
わたらせ渓谷鐵道
place
群馬県みどり市大間々町大間々1375 大間々駅構内
phone
0277721117
opening-hour
[始発下り]5:39[始発上り]6:04

この記事を含むまとめ記事はこちら