約60もの屋台でタイ料理がすべて無料! 成田のタイ寺院が主宰する「トードカティン祭り」に潜入してきた


2023.12.01

食楽web

食楽web●千葉成田市にある「ワットパクナム寺院」最大のお祭り「トードカティン」に潜入 日本に居ながらにして、タイを満喫できるスポットとして人気の千葉県成田市にある『ワットパクナム日本別院』。ここはタイ・バンコクの歴史ある「ワットパクナム寺院」の別院で、1997年に開院。総面積は2000坪と広く、日本にあるタイ寺院の中では最大規模を誇ります。在日タイ人に信心されている寺院ですが、日本人の拝観や見学が無料でできるとあって、タイ好きの間ではかねてから人気の寺院です。訪れる人のために、毎週日曜日には無料で食事が振る舞われています。 そんな「ワットパクナム日本別院」では、年に数回大規模なイベントを開催しています。春の水かけ祭り「ソンクラーン」に並ぶ、年に一度の最大のお祭りが「トードカティン」です。このお祭りには毎年約1万人が訪れるという、大人気のイベント。敷地内にはところ狭しと屋台が広がり、全ての料理は無料! そんな太っ腹なイベントが開催されると聞き、早速行ってみました。敷地内にあるタイ様式の美しい仏堂の「布薩堂」 いちばん近い駅はJR成田線「下総神崎」駅で、寺院までは約5.5km、車で約27分。周辺には畑が広がり、ほのぼのとするのどかな場所。本当にここに1万人も集まるの? と思いつつ進んでいくと、徐々に車が多くなってきました。事前に敷地内の撮影を行いましたが、「トードカティンは混むから、朝7時半までには来てね」と念を押されていたので、その通りの時間に到着。早くも駐車場は埋まりつつあります。布薩堂の中の黄金の仏像 のどかな田園の中には、交通整理のガードマンが立ち、次から次へと車がやってきます。車から降りてくるのは、ほとんどがタイ人。ナンバーを見てみると、遠方の地域も多く、今日は全国から多くのタイ人が集うようです。寺院が近づくにつれて、説法や賑やかな音楽が聞こえてきて、気持ちも高まります。朝8時で会場はいっぱい。屋台がズラリと並び、大盛り上がり!蝋燭やお札などのグッズストリート 早速会場に入ると、朝8時の時点で多くの人で賑わっていてびっくり。会場は主に2つあって、蝋燭や仏衣など仏教関連のグッズが売られる通りと、約60の屋台が並ぶ飲食通りがあります。そもそも「トードカティン」とは、僧衣献上祭りのこと。日頃身にまとう僧衣を、一般の人たちが僧侶に献上する儀式で、どの寺院でも年に1度行っているものです。「ワットパクナム日本別院」では、毎年11月に行っています。約60の屋台飯が全て無料!? 凄すぎる「トードカティン」テントの中には屋台が並ぶ 今回のお目当てはもちろんタイ料理。約60の屋台がぎゅっと集まり、多彩なタイ料理を無料で提供しています。屋台のあるテントでは、タイ語が飛び交い、まるでタイにいるよう。お客さんのほとんどがタイ人で、活気が溢れるその様子は、楽しすぎる!好きな料理を指さしで テントの中に入ると、香辛料や調味料の香りなのか、エスニックな香りが漂って、食べる前にもテンションが上がります。豚ひき肉のスパイシーな炒めもののラープクアや、豚ひき肉のバジル炒めのガパオなど、屋台でお馴染みのタイ料理がバットに入れられ、どれも美味しそうです。ナマズの丸焼きは大人気 テント内には飲み物、麺料理、肉料理、炒め物などたくさんの料理が。大行列ができていたので覗いてみると、長さ25cmはあろうかの巨大なナマズ。まるまる一匹で提供される、大迫力の料理にびっくり。何度も言いますが、これも無料で食べられるんです。 ナマズはタイから直送されたもので、これをじっくりと炭火焼きにしていただきます。数に限りがあり、人気の料理はすぐに売り切れてしまうので、早めに出かけるのがおすすめです。タイ全土の味が楽しめる屋台しっかり辛いソムタムの唐辛子 バランスよく食べようと、まずは前菜に青パパイヤのサラダ「ソムタム」をゲット。木臼で唐辛子を叩きながら作る、昔ながらの本格的な味です。青唐辛子、赤唐辛子もたっぷりで、食べてみるとガッツリ辛い! それもそのはず、参加者はほとんどタイ人。日本人向けにアレンジした味ではなく、タイ人好みの味付けになっています。甘辛い鶏肉の炭火焼き 屋台通りを抜けた屋外には大きなグリルが数台並び、肉の焼ける美味しい匂いと、炭火の煙で食欲をそそります。ここも大人気で大行列になっていました。この時点で朝8時半、朝から凄いパワーです。タイ北部の料理「カオソーイ」を発見! 歩くたびに美味しそうな料理が次から次へと登場します。全部食べたいけどそれは無理なので、料理選びも段々と慎重に。そんな時発見したのが、チェンマイなどのタイ北部の料理「カオソーイ」。いわばタイのカレーラーメンで、ココナッツ風味のクリーミーなカレーソースと、カリカリに揚げた米の麺が美味しい一品です。筆者はこれが大好物! さっそくその場で食べてみると、チェンマイで食べた味と同じで感動しました。麺料理も充実で、ボリュームもたっぷり 麺料理をチェックしてみると、米粉の麺のセン・レックやセン・ヤイ、卵入りの麺セン・バミー、タイの春雨ウンセン、焼きそばのパッタイなど、ほぼタイの麺料理が揃っているのではと思うほど、充実していました。美味しいタイ料理でお腹いっぱい。寄付の仕方も現地流筆者が今回ゲットしたもの カオソーイの他に、いただいた料理はソムタム、ガパオ、カレー味のカリカリチキン、茶褐色のナムトック風スープの麺料理の4品。ガパオにはちゃんともち米付きで本場の味です。これだけの量をタイ料理店で食べたらと考えるとこれは凄いなと、しかもどれもタイそのものの味わいにとても楽しめました。気持ちがあれば寄付を 年に一度開催されるお祭り「トードカティン(僧衣献上祭り)」は、基本的には信者さんのためのお祭りですが、「ワットパクナム日本別院」では、気軽に寺院にふれてほしいと、日本人の参加もウエルカム。会場内の料理もどんどん食べてといった雰囲気で、信者さん以外でも楽しめます。会場には、お金を挟む献花台のようなものがあって、これは日本の賽銭箱のようなものです。必須ではないですが、お寺の運営のために使われるものなので、気持ちがあれば投げ銭してみてください。タイ人との交流も楽しみのひとつ!グリーンカレーを提供する美人姉妹 美味しい料理が無料というのが最大の魅力ですが、屋台のタイ人の皆さんとの交流もとっても楽しいんです。ここではタイ語で、日本語がほとんど通じません。看板や商品名、説明なども全てタイ語。そんな中でもさすがは微笑みの国タイ。ほしいものを指差しでお願いすれば、笑顔で応えてくれます。お惣菜を配る笑顔が素敵な3人組 今回「トードカティン(僧衣献上祭り)」に参加した感想はひとつ、「とても楽しかった!」です。屋台の雰囲気、味付け、香りまでもがタイそのもの。しかも全て無料で振る舞われるというのが凄い。信者ではない人たちにも、気軽に遊びに来てという、大変太っ腹なイベントです。会場にはかわいい像の蝋燭や小さな仏像なども売っているので、気に入ったら購入してみるのもおすすめです。毎週日曜日の炊き出しの料理 また、毎週日曜日には朝から無料の炊き出しを行っているので、拝観しながら美味しい炊き出しがいただけます。日本に居ながらにして、タイの雰囲気が味わえる、タイ好きにはたまらない楽しい寺院でした。●SHOP INFO店名:ワットパクナム日本別院住:千葉県成田市中野294-1TEL:0476-73-8090開院時間: 8:00~17:00 ※毎週日曜日の炊き出しは8:00位~11時位まで休:年中無休http://pakunamu.net●著者プロフィール矢巻美穂(やまき・みほ)国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。 

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ワットパクナム日本別院
place
千葉県成田市中野294-1
phone
0476738090
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