食楽web●ラー博史上最大のプロジェクト「あの銘店をもう一度」第24弾を調査。北海道・旭川『蜂屋』の魅力を調べてみた 国内のラーメン好きはもちろんのこと、海外からの観光客も足を運ぶ大人気ラーメンアミューズメントパーク『新横浜ラーメン博物館』では、過去に出店した約40の銘店が約3週間のリレー方式で再出店するスペシャルプロジェクト「あの銘店をもう一度”銘店シリーズ”」を展開しています。 現在営業中の宮城・気仙沼の『かもめ食堂』に続き、10月31日から営業を開始するシリーズ第24弾のお店は、1999年8月から2009年8月までの約10年間という長期に渡って出店した北海道・旭川の老舗ラーメン店『蜂屋』。ラー博ファンにとっては待望にして懐かしい、唯一無二と評された絶品“旭川ラーメン”が約14年ぶりに復活します！北海道・旭川『蜂屋』とは？ラー博出店時の外観『蜂屋』は昭和21年（1947年）に創業。元々は蜂蜜を使ったアイスクリームを提供するお店で、屋号『蜂屋』も蜂蜜が由来となっています。当時の『蜂屋』はアイスクリーム販売の傍ら、初代店主の加藤枝直氏が独学で作り上げたラーメンが大評判となり、翌年の昭和22年にラーメン店として新たなスタートを切ったというエピソードが残っています。 加藤氏が編み出し、自身のみが知るラーメンのオリジナルレシピは、事故に遭った際の記憶喪失によりその一部が失われてしまいましたが、二代目となる息子の加藤直純氏が苦労と研究、飽くなき挑戦の末に”初代の味”を再現。平成11年（1999年）に約8年に及ぶ交渉の末に『ラー博』への出店を果たし、以降約10年という異例の長期間に渡って営業を続けました。『ラー博』卒業後は直純氏の長男である信晶氏とともに営業を継続し、現在は「五条創業店」と「蜂屋 三条店」の2店舗を展開。地元旭川とその近隣の住民だけでなく、全国各地のラーメン好きからも熱い支持を獲得しています。※メニュー及び価格は公式サイト等にてご確認ください『蜂屋』のラーメンは、テイストのカテゴリーとして確立した“旭川ラーメン”の元祖ともいえる味わい。スープは初代店主の加藤直純氏が編み出した、魚介スープと豚骨スープをブレンドして仕上げる「ダブルスープ」を採用し、合わせる麺は直純氏と直純氏の兄・加藤熊彦氏が開発した「低加水麺（小麦に加える水が少ない麺）」が用いられています。具材は豚ロース肉チャーシュー2枚に刻みネギ、そしてメンマと至ってシンプルな構成です。『蜂屋』のスープは、鯵の丸干しを煮出した魚介スープと、冷水で冷やして余分な脂を取り除いた豚骨スープをブレンドするという「ダブルスープ」仕様。美味しく仕上がる時間帯が異なるため、魚介スープと豚骨スープを別々に採ってブレンドするという、手間と技術を要する手法が用いられています。 そのスープと組み合わせる麺は、初代店主の加藤 枝直氏と兄にあたる加藤 熊彦氏によって開発された「低加水麺」を使用。麺に加える水の量が少ないためスープをよく吸収し、さらに軽いウェーブがスープをしっかりとキャッチすることで、スープとの一体感を生み出します。麺自身が持つ粉の香りと歯切れのよい食感も携えたこの麺は、熊彦氏が立ち上げた製麺会社「加藤ラーメン」が販売を行ったことで旭川市内のラーメン店に広く普及。旭川ラーメンの特徴に数えられるほどの象徴的な存在になりました。 お店のスープを語る上で欠かすことができないのが、どんぶり一面を覆っている「焦がしラード」。寸胴鍋に良質なラードと豚の脂身、鰹節などの節類を加え、焦がして仕上げられたお店独自の仕様です。焦がしたことによって油が分離せず、また独特の風味を纏うなど、この「焦がしラード」が”クセはあるけどクセになる”と評された独特の味わいを生み出す要因にもなっています。まとめ 旭川ラーメンの源流でありながら、一般的な旭川ラーメンとは一線を画す味わいを備えた『蜂屋』のラーメン。地元旭川でしか食べられない孤高の美味しさを、約14年ぶりの出店となる『ラー博』でじっくり堪能してみてはいかがでしょうか。●DATAあの銘店をもう一度 ”銘店シリーズ” 第24弾 旭川『蜂屋』期間：2023年10月31日（火）～11月20日（月）販売：新横浜ラーメン博物館 地下1階営：平日 11：00～21：00／土日 10：30～21：00（ともにL．O． 20：30）https://www.raumen.co.jp/
