食楽web 豚丼というと、十勝や帯広など北海道のイメージが強かったりするんですが、東京もなかなかの豚丼激戦区。豚〇〇屋とか、とか〇〇豚丼、ブタ〇〇レストラン、といった屋号のお店をかなり多く見られます。イメージとしては、ターミナル駅や大学の近くに豚丼の店が必ずある、という印象です。 そして、府中で豚丼を食べるなら絶対にここ！ と地元の人が激推しするのが『国府 豚丼X（エックス）うまくて生姜ねぇ！！本舗』。ここに「豪商盛り」という名の大盛り豚丼があると聞き、早速調査に向かいます。券売機。店の看板メニュー、ぶた丼のボタンには「豪商」の文字はない。あれ？ もしや裏メニュー？ 店につき、まずは券売機へ。「ぶた丼」のところを見ると、ハーフ、普通、2倍の選択肢はあるけれど「豪商」はない。他のメニューを見ても「豪商」のボタンがない。店内の看板とかには豪商って書いてあるのに。もしや裏メニュー？ と思い、お店の人に聞くと「豪商盛りは2倍のボタンですね～。豪商だとわかりにくい人もいるので、券売機は2倍にしているんですよ」。なるほど。 ということで、「ぶた丼（2倍）」を選択。すると画面が進み、味噌汁orお吸い物、ゴハンの大盛りをするorしない、の選択肢が。お味噌汁とゴハン大盛りをセレクトし、料理が出てくるのを待ちます。焦がしダレの香ばしさが絶妙！ 「ぶた丼 2倍（ゴハン大盛り）」1079g「ぶた丼（2倍＋ゴハン大盛り）」1400円。味噌汁orお吸い物がついてくる。卓上にはお新香も 目の前にやってきたのは、何層にも豚肉が重なった山盛りの丼。早速計測です。直径18cmの器に高さ12cm、重さは1079g（器の重さを除く）。ついてきたお味噌汁237gを足すと1.3kg超えのボリュームです。「料理はすべて国産豚を使用、ゴハンは粒ぞろいが良く、光沢のあるブランド米『いなわしろ天のつぶ』を使っています。タレは、『うまくて生姜ねぇ』と松本養蜂の有機蜂蜜をたっぷり使用した至極のタレで、国産ショウガをベースに4種類の醤油、かえし、国産有機ハチミツを店独自にブレンド。素材を活かしつつ旨みとコクをプラスしているんですよ」と話すのは店主の四井秀成さん。「うまくて生姜ねぇ」とは？「店内でも販売しているこれです」。と出してくれたのは、カウンターの前に積んである瓶。「そのまま食べても、万能調味料としても幅広く美味しいもので、 国産生姜を特製醤油に漬け込んだものなんですよ」。いわゆるゴハンのお供、味つき生姜で、福島県で作られているもの。納豆入りやBBQ用、いぶりがっこ入りなど様々なシリーズが出ているそうです。丼、底が丸いのではなくシュッとしている。ちょっとした植木鉢サイズ。片手で持って食べるの、最初は重くて無理 早速一口！ コッテリしてそうに見えて、やはり生姜効果なのか、濃さより旨味が立っている感じです。これはゴハンが進む！ 食べ始めてわかったのが、肉とゴハンの間に千切りキャベツ。そしてゴハンにもタレがかかっている。これは食べ始めたら無言で黙々と食べていくヤツ。箸からスプーンに切り替えたら、食べる速度がさらに早まっていきます。 口の中が豚とタレの旨みで満たされたところでお味噌汁を一口。そして会津高原大根の漬物も食べてリセット。再度丼に向かいます。そういえば、お米が「いなわしろ天のつぶ」、お漬物が会津高原大根。もしかして店主、福島出身？程よい厚さの肉が、ヒレとリブロースに近い部位を使用、実は2種類の食感の違いを楽しめる「いえいえ、福島出身じゃないですよ。2011年の東日本大震災の時に炊き出しに行ったり、復興支援などをしているうちに、福島の美味しいものに出会って、それを出しているんですよ」。この店は震災から5年後にオープン。福島の美味しいものをもっと知ってもらいたい、という店主の想いも込められています。 ちなみに、カレーを2倍サイズで注文すると、ゴハンが福島の山々の形になって盛り付けられるとのこと。たとえ出身ではなくとも、福島愛を感じられます。鉄板でタレと絡ませて一気に肉を焼くので、柔らかいのにところどころカリッとしているのもいい！ お店では、デカ盛りだけではなく、少食の人向けにハーフサイズも充実しています。「お年寄りの方だと食べきれないし、レディースセットだと頼みにくい。色々な人に食べてほしいと思って作ったのが最初ですね」。確かに、ちょっと小腹がすいた、って時にハーフサイズがあったらうれしいなぁ。 そういえば、店名のX（エックス）って？ もしや豚肉が「トウキョウX」とか？「いえいえ、違います。豚肉は精肉店とやりとりして、その日のいいものを丸ごと仕入れて店内でカット。もちろん国産です。Xはタレが「Xダレ」だからなんです」。さっき言ってた、ハチミツや生姜入りのタレのことですね。豪商やXなど、店主と話しているうちに謎が色々解けていきます。中央を少し開けて半熟卵を中央に落とすと、黄身のまろやかさもプラス。大盛りでもゴハンが足りなくなりそうな気がしてくる～（食楽web） 2倍盛りを頼む人は多い日で1日5～6人来ることも。ほぼ全員が完食をしていくそうです。「2倍盛りでタレや素材をいっぱい食べてもらいたいね。ゴハン大盛り無料なんだから。いっぱい食べて、美味しいね、って思ってもらいたいね～」。と店主。券売機は2倍盛りが最大ですが、店内には2倍盛り用の器を超える洗面器サイズの器もあるので、3倍盛り、4倍盛りを食べたい場合は、事前に電話で確認を。「うちはいい素材のものばかりだから。たまにはいいものを食べて、自分の体のことを考えてほしいね」と店主。実はお味噌汁も4種の味噌をブレンドしていたり、タレに入っている蜂蜜は北海道産の有機ハチミツなど、素材の一つ一つにこだわりが。福島愛はもちろん、食材に対するリスペクトもしっかり感じられます。だからこそ、残さず完食する量で、ですね。「疲れている時、または美味しいものが食べたいとき、コンビニではなくうちでゴハンを食べてほしいですね。自然のものを生かした食事をしましょう！」（店主の四井秀成さん） ボリュームがあっても生姜効果でしつこさなし。むしろすっきりとした美味しさの「ぶた丼」。ゴハンも粒だちがよく、タレや油などがかかっていてもべちゃっとしない。そして脇役のお味噌汁も漬物もいい！ 1kg超えだけれど、気がついたら完食していた、という感覚です。これも生姜効果なのか。満腹感があるけれど、ドスッと重くない。おそらくですがデカ盛りビギナーさんにもおすすめのお店かもしれません。 暖かくなったら生姜のソフトクリームも販売予定。なので次回は「ソースカツ重」か「豚しゃぶ丼」にして、締めでソフトクリームにするか、福島の山々に思いを馳せつつカレー2倍盛りにするか。ハーフサイズを2～3種頼んで食べ比べするのも楽しそう。京王線で府中の近くに来た時は、また寄りたいと思います！（取材・文◎いしざわりかこ）●SHOP INFO店名：国府 ぶた丼X（エックス）うまくて生姜ねぇ！！本舗住：東京都府中市宮西町2-9-1 宮西ビル 1FTEL：042-352-1921営：11:30～15:00、17:00～24:00（L.O.各30分前）※まん防期間中はランチタイム営業休：不定 ※まん防期間中は日曜・祝日
