世界遺産を電車から眺める!「富士山ビュー特急」でのんびり旅行はいかが?


2016.04.22

NAVITIME TRAVEL EDITOR

山梨県内の大月駅から富士山駅を経由して河口湖駅まで運行している富士急行線。4月23日に「富士山ビュー特急」がデビューします。 その名の通り、富士山を眺めるにはもってこいの列車。スイーツが楽しめる特別プランも用意されていて、食も楽しめるんです。

  • 01

    鉄道デザインの巨匠、水戸岡鋭治氏のデザインした列車

    JR九州の特急列車をはじめ、全国の観光列車などのデザインを手掛けている方です。富士急行で運行している列車のうち、座席定員制の「富士登山電車」や、主に普通列車に使用する6000系電車も水戸岡さんデザイン。単なる移動手段としてだけではなく、「乗って楽しい」気分になれるのが特徴です。

    富士山ビュー特急の3号車。「青」が基調。

    富士山ビュー特急の3号車。「青」が基調。

    車内は木目調のやさしい雰囲気。照明もレトロ調です。座席は3号車は青、2号車は赤を基調とした色に統一。それでいて、2列毎に座席の模様が異なっている独特な配置なのです。
    窓枠は木材でデコレーション。車窓が「額縁の中の絵」のようになることを意識したそう。額縁の中に納まる富士山は、まさしく絵になります。

    額縁(車窓)からみる富士山の様子。

    額縁(車窓)からみる富士山の様子。

    ロゴも富士山をイメージ。細かいところまで見逃せないデザインが詰まっているのも水戸岡さんの手掛ける列車の醍醐味。きっと、何度乗っても新鮮な気付きがあることと思います。

    富士山ビュー特急のロゴ。

    富士山ビュー特急のロゴ。

  • 02

    1号車は思う存分富士山を堪能できる特別車両

    この列車は3両編成。2・3号車は自由席で、運賃と特急料金で利用できます。
    1号車は、さらに特別車両料金が必要な特別な世界。定員は26名で、予約した方のみが利用できる限られた空間が広がります。
    2名用と4名用のテーブル席並ぶエリアは食堂車のような雰囲気も感じられます。カップルや女子会などにはぴったり。

    富士山ビュー特急の1号車。貴賓室のようなオーラも感じます。

    富士山ビュー特急の1号車。貴賓室のようなオーラも感じます。

    車両の前方は半円状のテーブルに6名着席可能。おひとりさまでも気軽に予約できます。
    ちなみに大月駅→富士山駅間は、進行方向左側が富士山よく見ることができます。テーブルが向いているのはもちろん富士山側。

    前方のテーブル。富士山を存分に楽しめます。

    前方のテーブル。富士山を存分に楽しめます。

    車両の後部にはカウンター。オリジナルグッズなどの販売も行っています。
    1号車に乗車の方はドリンクサービス付き。ドリンクサービスを行う列車が全国的にどんどん減ってきているので、富士山ビュー特急は極めて貴重な存在になりそうです。

    後方のカウンター。アテンダントが添乗します。

    後方のカウンター。アテンダントが添乗します。

  • 03

    シェフパティシエ、橋本道朗氏によるスイーツが楽しめる特別プランも。

    シェフパティシエとは、お菓子の料理長。「ハイランドリゾートホテル&スパ」のシェフパティシエによる贅沢な一品を堪能できるプランがあります(土休日の一部の列車)。

    スイーツセットを用意した様子。

    スイーツセットを用意した様子。

    フルーツサンドは山梨県で採れた果物、プリンは富士山麓の卵など、沿線にゆかりのある食材を使用しています。ムースの乗ったガトーアンサンブルは「紅富士」をイメージしたもの。
    どれも上品な甘さで、富士山を眺めながら贅沢なひと時を過ごせます。

    スイーツセットの中身。

    スイーツセットの中身。

    料金は大人4,000円、子ども3,000円(運賃と特急料金、特別車両料金込)。富士急トラベルで、電話(0555-22-8877)のほかWEBでも予約可能です。乗車する日の3日前までにご予約ください。

  • 04

    鉄道好きには堪らない、目を奪われたしまう列車たち

    富士急行線は鉄道マニアでも注目するような列車たちがいます。その中からいくつか紹介。

    (1)8000系「フジサン特急」
    元々は小田急電鉄が所有し、新宿駅からJR御殿場線に直通して沼津駅までを走る特急列車「あさぎり」で使用していました。それまでも富士山の南側を走っていて縁のある列車。いろんな表情の富士山が描かれていて、走っている姿も楽しげ。
    ちなみに、富士山ビュー特急も元々はJR東海が所有していたあさぎり用の車両でした。富士急行でこの2つが再会したことになります。

    フジサン特急。元小田急。

    フジサン特急。元小田急。

    (2)5000形「トーマスランド」号
    生まれも育ちも富士急行という生え抜きの車両。2両だけという貴重な存在です。トーマスのイラストが描かれているのは、富士急ハイランドのアトラクション「トーマスランド」にちなんだもの。

    トーマスランド号。富士急産まれの貴重な車両。

    トーマスランド号。富士急産まれの貴重な車両。

    (3)下吉田ブルートレインテラス
    ついに絶滅してしまったブルートレイン。使用していた車両を下吉田駅に置いています。土休日は車両の解放もしているとか。あの、寝台車の懐かしい雰囲気を味わえる貴重な場所になっています。
    テールマークは「富士」2009年まで実際に走っていた列車です。時期によっては「さくら」など別のマークになることも。オールドファンには堪らない演出です。

    下吉田ブルートレインテラス。14系客車(でも富士号で使用されたことはないそう)。

    下吉田ブルートレインテラス。14系客車(でも富士号で使用されたことはないそう)。

  • 05

    特急だけど、急がない優雅な時間をお過ごしください。

    富士五湖方面へは首都圏からなら自動車や高速バスが便利、なのですが、ぜひ富士急行線を利用した旅もおススメします。大月駅から河口湖駅までは約27km。富士山ビュー特急は約50分かけて走ります。特急だけど、平均速度は約30km。でも、この列車に乗ったならば、きっと「もっと乗っていたい」と思えるはず。それだけ居心地のよい空間を体験できます。

    1号車前方。運転席からの景色も綺麗です。

    1号車前方。運転席からの景色も綺麗です。

    大月駅まではJR中央本線で。JRの特急「かいじ」号で新宿駅から約1時間です。2・3号車は自由席で、予約は不要。大月駅から河口湖駅までの運賃は1,140円、特急料金は400円です。
    富士山ビュー特急の運行時刻や予約はコチラ

    富士山ビュー特急と富士山。今日は雲に隠れてしまいました…。

    富士山ビュー特急と富士山。今日は雲に隠れてしまいました…。

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