「上高地帝国ホテル」は自然豊かな周辺環境も加わり、長年、登山や散策を楽しむ人、海外からの観光客に愛されています。
しかし、「上高地帝国ホテル」を利用する際には、冬季は入山規制がかかることや、自然環境保護のため自家用車の乗り入れが禁止されているエリアがあることを知っておかなければいけません。そこでこの記事では、「上高地帝国ホテル」の魅力や、ホテルで食べられる信州の食材をふんだんに使った料理、予約を取るときの注意点などについて解説します。
-
01
上高地帝国ホテルは日本初の本格的山岳リゾートホテル
長野県松本市にある「上高地帝国ホテル」は、日比谷にある「帝国ホテル東京」の運営会社と同じ株式会社帝国ホテルが運営しています。1933(昭和8)年に開業した日本初の本格的な山岳リゾートホテルです。2023年度は開業90周年を記念して、商品の発売や特別企画を行っています。
「上高地帝国ホテル」は穂高連峰や梓川、大正池といった雄大な自然に囲まれた立地にあり、スイスの山小屋風の赤い三角屋根は上高地のランドマークとなっています。また、ロビーラウンジで圧倒的な存在感を放つ高さ約5mのマントルピースも見所です。
上高地はもともと自然豊かな地域でしたが、1927(昭和2)年に大手新聞社が主催した「日本八景」の「渓谷の部」に選出され、全国的に知名度が上がりました。1928(昭和3)年には国から名勝および天然記念物に指定されたこともリゾートホテルを誘致する追い風となりました。
また、1952(昭和27)年には文化財保護法により、特別景勝および特別天然記念物に指定され、自家用車の乗り入れを規制するなど、環境保護にも配慮されています。![]()
-
02
今も楽しめる、帝国ホテルの「日本初」
海外からの賓客をもてなすという国交のうえで重要な役割を担ってきた「帝国ホテル」は、数々の「日本初」や「ホテル業界初」のサービスおよび制度を世に送り出してきたことでも知られています。
ホテルや旅館業界全体に影響を与えたサービスとして知られるのが、「ランドリーサービス」や「ホテル内郵便局」、「ホテルウェディング」、「バイキング」などです。
「帝国ホテル」の開業当初は海外からの宿泊客が多く、彼らの主な交通手段は船でした。当然、飛行機に比べて船での移動には日数がかかり、衣類の洗濯は難しく、日本に着いても着替えに困ります。そこで「帝国ホテル」が始めたのが、ホテル内に大型のランドリー機を設置し、宿泊客の衣類の洗濯を請け負うランドリーサービスです。
ポケットの中に私物が残っていないか、シミはないかなどを細かく確認してくれるほか、ボタンが取れていれば常時200種類以上もあるボタンから似たデザインのものを付け直してくれます。シミやアイロンがけの職人によって、持ち込まれたときより美しい状態で衣類が返ってくるため、このサービスは「帝国ホテル」の評価を高めることに貢献しました。
ホテル内郵便局の設置も、海外からの宿泊客が多かった開業当初に誕生したサービスです。日本から自分の国の家族や友人に手紙を送る際に、周辺の郵便局や郵便ポストを探す必要がなく、ホテル内で完結するため喜ばれたといいます。
ホテルの中で挙式や披露宴を開くホテルウェディングという文化を生み出し、全国に広めたのも「帝国ホテル」です。最近ではビュッフェと呼ばれることも増えましたが、好きな食べ物を好きなだけ食べる提供方法を「バイキング」と名付けたのも帝国ホテルであり、現在ではホテルにおける定番の食事提供スタイルとして普及しました。 -
03
上高地帝国ホテルで楽しめる食事・料理
提供される料理も、ホテルを選ぶ際の重要な要素です。ここからは「上高地帝国ホテル」で楽しめる朝食やランチ、ディナー、そしてレストランを利用する場合に知っておきたいドレスコードについて紹介します。
朝食はアメリカンブレックファストか和定食
朝食は、和と洋の2種類から選べます。館内にある3つのレストランのうち、日本料理の「あずさ庵」で提供しているのが豪華な和定食(税込み4,140円)です。海鮮サラダや茶碗蒸し、鮭の塩焼き、玉子焼き、鱒の卵がけなど、贅沢な日本の朝食が並びます。
フランス料理「ダイニングルーム」では、長野県の食材をふんだんに使ったアメリカンブレックファスト(税サ込み4,140円)が食べられます。フルーツや卵料理、パン、サラダなど、洋食の朝ごはんに定番のメニューが並びます。卵料理はフライ、スクランブル、ボイル、プレーンオムレツから選べるほか、付け合わせやパンの種類なども選択可能です。![あずさ庵]()
あずさ庵
![あずさ庵 内観]()
あずさ庵 内観
ランチで楽しめる、伝統のビーフカレー
「帝国ホテル」で長年愛されている伝統のビーフカレーの味を「上高地帝国ホテル」でも堪能できます。
歴代の料理長によって引き継がれてきた欧風カレーは具材がよく煮込まれ、大きいのにホロホロと崩れる牛肉の旨味と玉ねぎの甘味が重なり、シンプルながらも他では味わえない一皿です。価格は税込み3,600円。レストランはフランス料理、日本料理、カジュアルの3種類
ディナーはフランス料理、日本料理、カジュアルの3つのレストランから選べます。
メインダイニングであるフランス料理の「ダイニングルーム」では、信州の食材を用いたフランス料理のフルコースが堪能できます。メニューは日替わりで、メインディッシュが異なる3種類のコースから選択可能です。
日本料理「あずさ庵」では、懐石料理や鉄板焼き、しゃぶしゃぶなどを提供。飛騨牛ステーキが食べられる「あずさ懐石」(税サ込み20,700円)や、焼物を魚料理に変更した「こなし懐石」(税込み18,400円)、「海鮮鉄板焼き(33,000円)」、「飛騨牛しゃぶしゃぶ」(税サ込み22,000円)など、おいしい信州の肉料理や魚料理が楽しめます。
カジュアルレストラン「アルペンローゼ」では洋食のアラカルトを用意。「帝国ホテル」発祥の「シャリアピンステーキ」（税サ込み7,250円）や「信州米豚のカツレツとカレー」(税サ込み4,000円)など、信州が誇る食材を堪能できます。![]()
レストランはどんな服装(ドレスコード)が良い？
上高地帝国ホテルでは、ドレスコードは特に設けておりませんが、「ダイニングルーム」では、男性はジャケットや襟付きシャツ、女性はワンピースなどを着用し、ドレスアップするケースが多いそうです。 -
04
上高地帝国ホテルの宿泊プランと料金
「上高地帝国ホテル」で用意されている客室は9種類あります。一般的なダブル・ツインのほか、ベランダ付きのダブル・ツイン、ファミリータイプ、スイートなど、利用人数や目的に応じた部屋を選べます。
宿泊料金はもっともリーズナブルな「ダブルA」の部屋で税サ込み37,950～税サ込み53,130円です。ベランダ付きの「スイートルーム」では税サ込み97,405～税サ込み112,585円となっています。
シーズンや曜日によっても料金が異なり、長期連休や夏休み期間などの繁忙期、週末の土日には価格が高くなる点に注意してください。「食事付き」ではない点に注意
「上高地帝国ホテル」には食事付きの宿泊プランはありません。公式サイトの宿泊プランはすべて素泊まりなので、別途食事代が必要です。予約サイトなどでツアーを申し込む場合には、食事がセットになったプランもありますが、基本的には素泊まりであることを覚えておきましょう。
また、上高地全体が山岳部に立地しているので、市街地のホテルと比べて周辺で気軽に食事ができるレストランはそれほど多くありません。スムーズに食事を楽しむためにも、事前にホテル内のレストランを予約するのがおすすめです。 -
05
人気の上高地帝国ホテルは予約が取りづらい？
「上高地帝国ホテル」の予約を取る際には、予約の方法と季節に注意しましょう。
予約は取れるけれど、取り方に注意
「上高地帝国ホテル」は部屋数が少ないため、予約がすぐに埋まってしまうことが考えられます。大手旅行サイトでは客室予約を取り扱っていない場合もあるので、公式サイトから予約することをおすすめします。予約するシーズンにも注意
雪の影響で上高地は冬季に入山規制がかかります。そのため営業期間は4月下旬から11月上旬までで、例年2月1日から宿泊予約の受付が始まります。繁忙期の利用を予定している場合は予約開始日の2月1日を狙うなど、できるだけ早めに予約しましょう。 -
06
上高地帝国ホテルへの行き方
東京方面から「上高地帝国ホテル」に向かう場合は、特急あずさの利用が便利です。JR「新宿駅」からJR中央線特急あずさに乗り、JR「松本駅」に向かいます。ここまでの所要時間は約2時間35分です。
次に「松本駅」で松本電鉄上高地線に乗り換えて「新島々駅」まで約30分。そこから路線バスで約1時間5分で「帝国ホテル前バス停」に到着します。
自家用車の場合は、東京駅周辺から長野自動車道「松本I.C」まで約2時間50分、そこから沢渡駐車場まで約1時間かかりますが、そこから先は入場規制がかけられており、路線バスかタクシーを利用する必要があります。- 上高地帝国ホテル カジュアルレストラン「アルペンローゼ」
-
![rating]()
4.0
57件の口コミ -
-
- 長野県松本市安曇上高地 上高地帝国ホテル
-
-
-
- 0263952001
-
-
-
- [昼食]11:00-14:30(L.O.14:00)…
-
すべて表示
