皇居の門は9つ、北の丸公園にあるものを含めれば11の門が現存しています。それぞれの門によって個性が違うのはもちろん、それをつなぐ橋もまた特徴的です。普段から通れる門から、チャンスがあれば通れる門までさまざま。今回はそのうちのいくつかをご紹介します。
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01
桔梗門
皇居参観者や勤労奉仕者などが出入りする門が「桔梗門」です。その名の由来は、太田道灌の家紋である桔梗紋の屋根瓦がついていたからという説や、各大名がここから帰郷したので「桔梗」となった、など諸説あります。
photo By Wei-Te Wong from flickr
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02
乾門
京風のデザインで、明治時代に作られたのが「乾門」です。宮殿がある旧西の丸の裏門に位置し、皇居の乾の方角にあるのがその名の由来です。乾門から宮内庁庁舎前に至る乾濠・蓮池濠沿いの通りは皇居乾通りを呼ばれ、桜や紅葉などさまざまな樹木が植えられています。
photo By Toshihiro Oimatsu CC BY-SA 2.0 from Wikimedia Commons
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03
皇居正門・正門石橋・正門鉄橋
皇居正門の手前には石で造られた「正門石橋」があり、正門の奥には鉄で作られた奥の「正門鉄橋」という二つの橋があります。「二重橋」という呼ばれ方をすることもありますが、これは奥の正門鉄橋のことを指します。正門は普段は閉じられていますが、新年や天皇誕生日の皇居一般参賀の時に開放され、正門石橋から正門を通り、正門鉄橋を渡ることができます。
photo By Nan-Cheng Tsai from flickr
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04
半蔵門
天皇や皇族の皇居への出入りに使われるのが「半蔵門」です。一般人の立ち入りは禁止されています。門の名前は警備を担当した徳川家の家来、服部正成・正就父子の通称「半蔵」に由来しています。伊賀同心の服部家が守っていたことから、緊急避難用の門という位置付けだったともされます。この門の先は吹上御苑と呼ばれます。
photo By KENPEI CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons
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桜田門
皇居には内桜田門と外桜田門の二つが存在します。前者は前述の桔梗門のことを指し、後者は単に「桜田門」と呼ばれることが多いです。桝形は現存する城門の中ではもっとも広く、国の重要文化財に指定されています。現在、警視庁が桜田門の目前にあることから、警視庁の通称として呼ばれることもあります。歴史的には、井伊直弼が暗殺された桜田門外の変の舞台としても有名です。
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