「羽田エアポートガーデン」がついに全面開業! ひと足先に覗いてきた


2023.02.01

マイナビニュース

羽田空港第3ターミナル(国際線)に直結する複合施設「羽田エアポートガーデン」が1月31日より全面開業となる。開発を進めてきた住友不動産グループの村田尚之氏は「出発前、到着後のご利用はもちろん、羽田エアポートガーデンでイベントを開催することで、当施設を訪れることを目的にしたお客様も増やしていきたい」と意欲をみせた。
○ホテルと展望天然温泉、ショッピングモール、バスターミナルを備える複合施設
羽田空港の24時間国際ハブ空港化により求められる多様なニーズに対応するため、これまで住友不動産グループでは「ホテル ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港」(部屋数160室)、「ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 羽田空港」(部屋数1,577室)、「天然温泉 泉天空の湯 羽田空港」、ホール・会議室「ベルサール羽田空港」を2022年12月21日より開業し、ホテル内レストランの充実も図ってきた。
そして今回、日本文化を感じられる名産品や旅行グッズなどを取り扱う約80店舗が出店する「ショッピングシティ 羽田エアポートガーデン」、地方都市や観光地などをダイレクトに結ぶ全天候型の「バスターミナル」を2023年1月31日より開業。これにより2018年に着工した羽田空港直結複合開発プロジェクトはひとつの節目を迎える。
羽田エアポートガーデンの入口を抜けると、古き良き日本文化の名産品が並ぶ「Japan Promenade」(ジャパンプロムナード)が始まる。ここに軒を連ねるのは、物販12店舗、軽飲食3店舗の全15店舗。和雑貨「くろちく」、宮家献上品の高級デニッシュ食パン「Bakery MIYABI」、小江戸川越の和菓子「くらづくり本舗」、老舗バッグメーカー「老舗ヤマト屋」、静岡茶の「日本茶きみくら」など、東京初出店の店舗も多い。
ジャパンプロムナードを抜けると建物の本館にたどり着く。2階の「羽田参道」には物販が17店舗。和食器老舗専門店の「吉祥寺菊屋」、きんつば専門店「恵比寿豆園」、化粧筆専門店の「京都 六角館さくら堂」、せんべい・あられの「ささら屋」など、日本の古き良き伝統文化が感じられる店舗ばかりかと思えば、バンダイのカプセルトイが集まる「羽田ガシャポンガーデン」の一角もある。
「HANEDA COLLECTION」(ハネダコレクション)には、旅を美しく、快適に過ごすためのアイテムを集結。化粧品、時計、充電器、クッション、バックと雑貨、帽子といった専門店15店舗が入る。
また1階と2階にまたがる「Haneda Food Selection」(ハネダフードセレクション)には飲食が13店舗。このほか飲食、物販、コンビニ、サービスの13店舗が入る。いくつかの店舗に足を運んでみた(後述参照)。
○フライトまで時間があるというときに、お出かけの目的地にも
羽田エアポートガーデンのイベントホールでは1月25日、関係者とメディアを招いた開業式典が開催された。
冒頭、登壇した住友不動産ヴィラフォンテーヌ 代表取締役社長の桝井俊幸氏は「関係者の皆さまのご協力のもと、住友不動産グループでは総力を結集し、このたび巨大複合施設の羽田エアポートガーデンを開業させることができました。その中核を担うのは、エアポートホテルとしては国内最大規模となる2つのホテル(合わせて1,717室)です。旅行の全てをサポートするオールインワンホテルというコンセプトを掲げており、今後とも世界に誇る上質なおもてなしをご提供します」と力をこめる。
続いて主賓挨拶として、国土交通省 航空局長の久保田雅晴氏が登壇。まずは「新型コロナウイルスの蔓延により航空需要は壊滅的な影響を受けました。皆さまにも大変なご苦労があったと思います」としたうえで、「我が国を代表する空の玄関口である羽田空港は、外国人が最初に訪れる場所であり、また帰国の際には日本の印象として残る場所でもあります。そういった意味においても、この度、羽田エアポートガーデンが全面開業したことに心から感謝の意を表したいと思います」と挨拶した。
このあと住友不動産ヴィラフォンテーヌ 兼 住友不動産商業マネジメント羽田統括部長の村田尚之氏が登壇し、記者団の質問に回答した。
――どのような利用シーンを想定しているか?
「ゆっくり寛ぎながら料理を楽しむような店舗も多く入っていますので、フライトまで時間がある、という方に。また、これまで出発の時刻ギリギリに空港に来ていた方にも『せっかくだから、早めに行ってレストランを楽しんでいこうか』と思ってもらえれば嬉しいです。温浴施設もありますので、この施設を目的にしたお客様にも来てもらえたら」
――コロナ禍により撤退したテナント数は、どのくらいあったか?
「予定していた店舗の95%が、そのまま出店してくださいました」
――施設の目標とする来館者数は?
「数字については不確定な要素が多いので非開示とさせてください。まだ観光需要の勢いが戻らない中でのスタートになりましたが、なるべく多くのお客様に来ていただくことを目標にしていきます」
なお、羽田エアポートガーデンの全面開業にあわせて1月31日より開業するバスターミナルについて、村田氏は「日本の玄関口である羽田空港と、日本の観光地を結ぶ計画です。バスターミナルの整備により空港機能の強化を図り、観光地への送客の役割も担います。地域観光の活性化にも貢献していきたい」と説明する。
最後に壇上では、書道パフォーマーの岡西佑奈さんが『ここは、新しい羽だ。飛翔』というメッセージを力強い筆さばきで描くパフォーマンスを披露。「ここ羽田エアポートガーデンが多くの方に愛される場所になりますようにという願いと、今後さらなる発展を思い、心を込めて書きました」と話していた。
○全国各地の名店が出店、外国人観光客をお出迎え
いくつかの店舗を見てまわった。
「しゃぶしゃぶ但馬屋」では、しゃぶしゃぶ・すき焼きの食べ放題コースを用意。ランチ食べ放題(大人1,780円~)、ディナー食べ放題の和牛 / 国産牛 / 上牛 / 国産豚(大人2,580円~)のほか、神戸牛の定量コース / 食べ放題コースもある。関東エリアに系列店を10店舗ほど運営している同店だが、店主は「当店は国際空港に入るということで、外国人スタッフも5名ほど配置しました」と説明する。
名古屋の老舗「みそかつ 矢場とん」は、秘伝のみそだれが有名。しかし当店舗では、敢えてみそだれをかけない状態で提供するメニューも用意した。その理由について店舗スタッフに聞くと「外国人の方に、まずはとんかつの魅力を知ってもらうためです。エビ、コロッケ、アスパラなどの盛り合わせも展開します。たれ、ソース、お塩、お好みで食べてもらえたら」と説明していた。
「うなぎ四代目 菊川」は昭和7年創業の老舗。備長炭の強火で繊細に焼き上げる様子は座席から眺めることができる趣向で、外国人にも人気が出そうだ。
物販のエリアは取り扱う商品もバラエティに富んでおり、ショッピングモールを歩いているような楽しさがある。そのなかでも目をひくのは、やはり外国人観光客に向けた商品棚。アニメ、マンガ、ゲームの人気キャラクターが大集結しているコーナー、日本酒を分かりやすく紹介しているコーナーなどは、ディスプレイも華やかだ。「どんな商品なら外国人に売れるだろう?」なんて想像しながらそぞろ歩くのも良い。
全国で初出店となる国立博物館公認アイテムを取り扱う「TOBI・BITO SWEETS TOKYO」には、浮世絵を缶にデザインした和菓子、そして絵ハガキなども置いてあった。
東京初出店となる静岡の日本茶専門店「日本茶きみくら」では、煎茶、抹茶はもちろん、抹茶どら焼き、抹茶クリームサンドといった菓子類も販売し、果ては茶道具、アンティーク茶器なども取り扱う。テイクアウト向けにはミニパフェ、抹茶ラテなどを用意した。
日本の文房具も外国人に人気がある。ということで、ショッピングエリアに入る「KOKUYODOORS」ではコクヨの文房具を数多く取り扱っていた。店内には、色とりどりのボールペン、ノート、テープ、クリアファイルがところ狭しと並ぶ。
ユニークだと感じたのは、プラスチック消しゴム「リサーレ」のセット、テープのり「ドットライナープチプラス」のセット、メモ帳「ソフトリングメモ」のセット、そして「和柄キャンパスノート」のセットで、いずれも複数の商品をつなげた形で販売している。母国の家族や友人に土産として大量に買って帰る、外国人観光客に向けた配慮だそうだ。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら 

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羽田エアポートガーデン (HELLO CYCLING ポート)
place
東京都大田区羽田空港2-7-1
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