食通なら押さえておきたい、2023年上期にオープンした話題の中華料理店　東京編

落ち着いて会話や料理に集中できる個室が充実していることもあり、会食の需要が多い中華料理ですが、一人で気軽に食事ができるカウンターのある店も増えています。老舗の味も時代に合わせて変わりつつある今、新しい中華料理店は、どのような進化を遂げているのでしょうか。今回は、伝統には忠実でありつつもオリジナリティを加味した料理で評判の、2023年上期にニューオープンした5軒を紹介します。1．国産ワインと楽しむ、オリジナリティあふれる四川料理中国菜ARATA（東京都／人形町駅）人形町駅から日本橋方面へ徒歩約3分、仄暗い灯りに浮かぶ真新しいシンプルモダンな扉が、2023年1月オープンの「中国菜ARATA」。オーナーシェフの中園健司氏は、千駄木の「天外天」、六本木の「老四川飄香（ピャオシャン）小院」などで修業。四川をじっくり学び、その技に自分のクリエーションを織り込んだディナーコース2種が、ソムリエが厳選する国産ワインと共に楽しめます。はずせないのは、修業先のスペシャリテ「おこげ料理」をベースに独自のセンスで作り上げた品「海鮮おこげ」。鮑や海老、なまこなどの盛りだくさんの具に、胡椒をきかせた熱々の酸辣餡をかけて仕上げます。迫力ある調理の音を聞き、眺めることができるカウンター席に座れば、美味しさも倍増です。中国料理中国菜ARATA 日比谷/大江戸線人形町駅徒歩3分詳細情報はこちら 2．「ヤザワミート」が手掛ける独自の広東料理彬龍華 66（ハンリュウカ）（東京都／五反田駅）目黒川・谷山橋近く、系列店の「ミート矢澤」などと同じ通り沿いに2023年1月にオープンし、洒落た円形エントランスが目に飛び込んでくる「彬龍華 66」。黒毛和牛の精肉卸業で有名な「ヤザワミート」が初めて手掛けた中国料理店として注目を浴びています。いただけるのは「ウェスティンホテル東京」の「龍天門」などで料理長を歴任してきた広東料理界の重鎮・陳啓明氏を最高顧問に据えて展開する伝統的な中国料理。中国各地のレシピの伝統技法にモダンなエッセンスを組み入れ、独自の世界を表現します。看板メニューは「66胡桃（くるみ）担々麺」。香港の細麺を再現し、くるみを使ったスープが新鮮です。素材の味を引き出すため、余計な調味料は入れないという、ヤザワミートのこだわりをぜひ味わってみてください。中国料理彬龍華 66（ハンリュウカ） JR線五反田駅徒歩4分 10,000円〜11,999円詳細情報はこちら 3．アジア各国のスパイスを駆使した少量多皿のコースSeries the Sky（東京都／押上駅）ミシュラン一つ星「series」の2号店「Series the Sky」が、東京ソラマチに2023年4月にオープンしました。腕を振るうのは「聘珍楼」にて中国料理の修業をスタートし「マンダリンオリエンタル東京」の一つ星レストラン「SENSE」で最先端の技術やプレゼンテーションを学び、麻布台「Series」の料理長を経て総料理長に就任した金子優貴氏。店名の「Series＝“連なり”」をテーマに少量多皿のコースを繰り出します。伝統的な広東料理をベースに、香港・上海・シンガポール・インドネシアなど、海外での研修で得たアジア各国のスパイスを駆使して作り上げる全24品。有田焼や九谷焼等の彩り豊かな器との組み合わせも魅力です。中華料理 Series the sky 半蔵門線/京成線押上駅 B3出口/A2出口よりすぐ 12,000円〜14,999円詳細情報はこちら 4．銀座の老舗中華の復活、豪華コースに舌鼓銀座楼蘭（東京都／銀座駅）銀座駅徒歩約3分、7丁目のgCUBEの10階に2023年3月、2年ぶりに帰ってきた「銀座楼蘭」。重厚感のある内装が、銀座の老舗中国料理店らしい落ち着きを醸し出します。40年以上の伝統を守りつつ、モダンな要素も取り入れた広東料理ベースのオリジナル中国料理の数々。特上ふかひれを使った料理長自慢の2品を味わえるおすすめの「響」など、高級感あふれる素材をふんだんに使った旬の豪華コースは、この店ならではの贅沢なご馳走です。個室での接待からお一人様のカウンター席まであらゆるシーンで利用でき、アラカルトも多数用意。古き良き時代の銀座を感じることができる特別な空間です。中華料理銀座楼蘭東京メトロ線銀座駅 369ｍ 15,000円〜19,999円詳細情報はこちら 5．自由な発想で薬膳や飲茶も楽しめる広東料理中國料理跳龍門／ヒルトン東京お台場（東京都／台場駅）「ヒルトン東京お台場」に2023年1月にオープンした「中國料理跳龍門」。開放感あふれる空間には柔らかい光が注ぎ、ゆったりした時間を過ごすことができます。銀座・お台場店の総料理長として立つのは香港随一とも言われ、50年を超える歴史を持つ広東料理店の日本支店で、長年総料理長を務めた袁家寳（エン・カポ）氏。老舗の看板を背負いながらも、自由な発想で広東料理を進化させていきたいと、飲茶まで楽しめるメニューを提供しています。袁氏のスペシャリテでもある銀座店でも人気のメニュー「鶏のクリスピー揚げ」も登場。高級食材から薬膳に至るまで、豊富な食材をふんだんに使った広東料理の醍醐味を味わえます。中国料理・広東料理中國料理跳龍門／ヒルトン東京お台場ゆりかもめ線台場駅直結 12,000円〜14,999円詳細情報はこちら会食などでお店を選ぶ苦労は、誰しも経験しているはず。そんな時に、使い勝手の良い新店情報を入手しておくと役に立ちます。今回挙げた5軒は、味・空間・サービス共、さまざまなシーンに使える名店ばかり。次の会食に、ぜひ利用してみてください。もちろん、気軽に訪れることのできる普段使いにもぴったりです。　