蒸し暑い夜に染み渡る、とっておきの幸せ。真夏のナイトかき氷


2019.07.23

Harumari TOKYO

梅雨も明けるんだか、明けないんだか。とにかく蒸し暑さが続く東京の夜。ネオン輝く夜の街・六本木で“涼”を感じにあるカフェへ向かった。ギラギラした繁華街を抜けた先にきらめくデジタルサイネージが目印の「yelo」。半地下の窓から漏れるレッドライトは、いかにも六本木といった感じだ。間接照明にウッド調のテーブル。落ち着いた大人なバーのような雰囲気の空間が広がる。カウンター席とテーブル席が半々。一人で訪れている人も多いことから、ああここはカフェ使いできるんだな、と安心する。朝まで営業。深夜にかき氷が食べられるスポットyeloは昼11時からなんと翌朝5時まで(!)かき氷が楽しめる場所。年間に何百杯と食べるほどかき氷好きなオーナーが様々な時間帯で、好きな時に好きなかき氷を食べてもらいたいとの想いから長い営業時間になったという。空前のかき氷ブームの東京。美味しそうなお店は数あれど、確かに“夜”かき氷が楽しめる店は少ない。
そしてよくよく考えたら、呑んだ後やジメッと蒸し暑い夜にこそ、口にしたい一品なのかもしれない。かき氷専門カフェだからこそ、の秘密いつでも開かれたかき氷店であることは魅力の一つなのだが、それだけではもちろん目指す場所になるはずがない。ひと匙すくって口に運ぶと止まらなくなる、また食べたくてたまらなくなる味、それがyeloのかき氷なのだ。その秘密は2つ。1つめはこだわりの作り方。48時間以上かけてろ過し、99.9%以上不純物を取り除いた純氷を使い、氷とシロップを3回に分けて積み重ねていき3層構造にしているのが特徴。こうすることでかき氷にありがちな、上は味がなく、下に行くほど味が濃くなることを防ぎ、どこを食べても味が均一になることを実現している。また、ただ3層に重ねれば良い訳ではなく、フワッとした食感を残しながら形を整え、シロップの量の微調整などに技術が必要で、店舗ではおよそ60時間の研修を経なければ作ることを許されないという。2つめはこだわりのミルクソース。かき氷といえば練乳というイメージだが、yeloではフレッシュな牛乳などいくつかの乳製品を使い、甘ったるくない、ミルクソースを全てのかき氷に使用している。氷自体にミルクの味がついているような濃厚さで、だけどしつこくない、味はしっかり後味はさっぱり。食べ進める毎にいつの間にか虜になってしまう味なのだ。“朝までやっている”だけでなく、品質にもこだわった本格的なかき氷カフェである。夜しか食べられない。ナイトかき氷メニューyeloに夜訪れたい理由、それは18時からお目見えする夜だけの限定かき氷メニュー。こちらにはなんとアルコールが使われている。yeloの定番メニューでも一番人気のティラミスのかき氷にラムを加えた夜の看板メニュー、ラムティラミス(¥1,250 税込)だ。カクテルグラスにスマートに盛られたナイトかき氷は見ているだけでも満たされ、酔いしれることができる。チョコレートパウダーとラムの香りを口に運ぶとさらなる幸せに包まれる。カクテルのように大人っぽく、少しずつ味わう。長時間至福の時と向き合えそうだ。一方、終日食べられるyeloの定番のラインナップはボリューミーな丸いシルエット。かき氷のマスカルポーネチーズのホイップクリームがトッピングされたいちごミルクDX(¥1,000 税込)はこれぞかき氷!といった見た目も麗しい人気メニューだ。口に入れた瞬間に消えてなくなってしまう儚すぎるホイップは生クリームとマスカルポーネチーズを泡だてたもの。もたれることなく、だけど確かなまろやかさでかき氷に深みをあたえてくれている。それぞれのかき氷にはお好みでトッピングも可能。カスタマイズして自分だけの味を完成させるのもいい。まるで短冊のようなメニューから今日の一杯を選ぶ時間も自分を満たしてくれるご褒美の一つだ。もちろん、ふたりで来ても、みんなで来ても楽しい。“カフェ”と謳っているためか、かき氷を食べずに飲み物だけという友人を連れて来やすいようだ。そのようなお客さんも実際多いという。食べ終わって店を出た瞬間にまた食べたいと思う、癖になる味と満足感。身体の芯まで染み渡る、とっておきの幸せと疲れた心と身体をクールダウンさせてくれる、yeloは夜にこそ、訪れたい場所だ。 取材・文:森田文菜
撮影:きくちよしみ 

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KAKIGORI CAFE&BAR yelo(カキゴオリ カフェアンドバー イエロ)
rating

4.0

46件の口コミ
place
東京都港区六本木5-2-11 パティオ六本木1F
phone
0334232121
opening-hour
11:00-翌5:00※時期により変動…
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