時間に追われる暮らしを中目黒で小休止。「La Vie a la Campagne」のスローな時間


2019.04.11

Harumari TOKYO

食もファッションも話題の店が絶えない中目黒。入り組んだ路地には昔ながらの個人店や居酒屋も立ち並び親しみやすさも合わせ持つこの街にある「La Vie a la Campagne(ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ)」。一度訪れたひとはかならず魅了されるという、その理由を探ってみよう。me TIME NAVIGATOR 中目黒編で藤村早記さんもおすすめしてくれたこのカフェはオープンから8年目。毎年、春には大勢の花見客で賑わう目黒川とは、大通りを隔てて反対側にある。小さな商店街の脇道でひっそりと佇む、緑で囲まれた白い一軒家だ。La Vie a la Campagneは全国に14店舗をかまえるライフスタイルショップ。「ヨーロッパのスローな田舎暮らし」をコンセプトに、洋服から自家製のパンやジャム、さらにはオリジナルの食器、アロマグッズに至るまで、衣・食・住全体をプロデュースしている。カフェはその一部としてブランドの世界観を、リアルにそして全身で体感できる場だ。手がけるのはイタリア出身のオーナー、ロシャン・シルバさん。8年前「時間に追われる東京に、もっとスローな時間を」と、1階にショップとパン工房を併設したこの店をオープンした。細い階段を登った2階がカフェスペースになっている。先ほどまでの下町情緒あふれる商店街の雰囲気から一変、ヨーロッパの古きカフェを思わせる落ち着きあるカントリーな空間が広がる。窓から差し込む陽が白壁とアンティーク家具のぬくもりを一層引き立て、心地いい。「一度来たお客さんが、友人や家族を連れて来たり誰かに紹介してくれたり、そんな人の繋がりで訪れるお客さんがとても多い」という、シルバさんの言葉に納得する。まるでヨーロッパの街に紛れ込んだかのような世界観、その中で流れるゆるやかな時間に、一瞬にして惹き込まれる。素敵な出会いに嬉しくなって、誰かに話したくなるのだろう。人の繋がりは周辺に住むひとにとどまらず、都内各所はもちろん、地方からも東京に来るたびに立ち寄る客も少なくない。La Vie a la Campagneが描くスローライフを体感できるのは、空間だけではない。食事も愛される大きな理由だ。オープン当初から変わらない看板メニューが、店と同じ「La Vie a la Campagne」の名がつけられたオリジナルの食事パン。自家製の食パンにミネストローネとホワイトソース、チーズを入れて焼いている。スープ、野菜のデリに、パンが食べ放題のモーニングも人気だ。フランスのマンマが作ってくれるような、シンプルであたたかみのあるおいしさが、訪れる客を虜にする。「ヨーロッパの田舎では毎日、自分たちで育てた野菜をたっぷり使った手作りの料理とパンを食べる。そんな、飾らないけど丁寧な暮らしを、ここで味わってほしい」と、シルバさん。忙しそうに全国を飛び回りながらも、店に顔を出しては、今でも自ら厨房に立ち接客も行っている。ティータイムにはバナナケーキやキャロットケーキなど、大きくカットされた素朴な焼き菓子が並ぶ。ひと皿ひと皿、季節の果物を添える一手間は欠かさない。周辺に住む客は、ふらりとカフェに訪れてはそれぞれの時間を過ごし、お気に入りのパンやケーキを買って帰るのだそう。あたたかな空間、手作りのおいしい食事とパン、そしてゆったりと流れる時間。忙しない日常を忘れ、丁寧な暮らしを感じられるLa Vie a la Campagneのような場所を、わたしたちは探し求めていたのかもしれない。
せかせかと仕事や家事に勤しむ日本人にとって、理想の世界が、ここにある。 取材・文 : RIN 

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La vie a la campagne
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4.0

12件の口コミ
place
東京都目黒区上目黒2-24-12
phone
0364127350
opening-hour
月-日 モーニング:09:00-11:00…
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中目黒駅から徒歩5分

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更新日:2024/05/11

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