パン好きなら一度は訪れてみたい、全国の憧れベーカリー5軒。イートイン限定の絶品フレンチトーストも必食!


2019.10.20

Hanako.tokyo

日本全国には、パン好きなら一度は訪れてみたい名ベーカリーがいっぱい。職人のこだわりや豊かな自然の恵みが詰まったパンが並ぶ、全国の憧れベーカリー5軒をご紹介します。1.〈Boulangerie Yamashita〉/神奈川・二宮3年前、神奈川県・二宮町に誕生した小さなパン屋〈Boulangerie Yamashita〉。パン屋の左が食堂。建物は古い美容院を地元の大工さんらと自ら工事した。「たくさんの知人に助けられてできあがった場所」と山下さん。山々を望む県道から少し入ると、生い茂る緑とこぢんまりした白壁が見えてくる。店は約1坪、大人が3人入ればいっぱいになる広さだ。開店時間の10時前から、ぞくぞくと焼きたてが並べられる。朝一番で来る人も多いため、毎日夕方にはほぼ完売に! ぜひイートイン&持ち帰り用を。ここを作った山下雄作シェフは、デンマーク家具のメーカーからパン職人に転身した人。「10年勤めた会社を突然辞めたんですよ。これからどう生きていこうと考えたとき、子供たちが食べている姿を見て、人のためになる日常の食に関わっていこうと決めた」と山下さんは話す。それから約3年間の修業を経て、店をオープン。籠には手書きのポップが。 自由に読めるパンの本は写真を眺めるだけで楽しい。窓からの日射しが気持ちいい。大テーブルをイメージし並べたテーブルは、1960年代の椅子に合わせて特注。看板には山下さんが彫ったバゲットのロゴが。さらに食堂〈La table de Boulangerie Yamashita〉を併設した。「はじめはヨーロッパの町角にあるような、夫婦2人で営む店として開店しました。遠くからもお客さまが来てくださるようになったので、くつろげる場所を作ろうかなと」。「La table= 食卓」という名は「家のように温かく、〝食べる〞ことと向き合う場所」という想いから。インテリアのほとんどはビンテージのデンマーク家具でそろえ、20代のころに過ごしたデンマークの空気を感じられる空間になった。季節のスープ(マグカップ)300円は好きなパンと。カンパーニュのフレンチトースト2枚 600円は生地の旨味がぎゅっ。大磯〈Beans Mart Oikos〉のハウスブレンドコーヒー 400円(各税込)。デンマークのエッセンスは、パンにも継がれている。「自分なりのパン作りを模索していたとき、現地の友人が庭で有機栽培しているリンゴを譲ってくれたんです。その酵母をドイツ産の有機天然酵母と併用して使っています」手前右から時計回りに、パン・ド・オリーブ 220円、バゲット 270円、落花生のカンパーニュ 780円、クリームチーズ入りのパン・ド・ミルティユ 280円、シナモンロール 250円、くるみのカンパーニュ 780円(各税込)。山下さんの朝は早い。3時に厨房に入って、家に帰るのは毎日19時過ぎ。はじめ15種だったパンも、いまは35以上に増えた。パンは3つの生地を使い分け、バゲットやカンパーニュのほか、二宮の特産物にちなんだ品もそろう。「みかんや落花生など、土地ゆかりの素材を入れたくて」。価格は手ごろながら、材料を惜しみなく使うのもこだわりだ。そんなパンを手に、山の空気を胸いっぱいに味わいながら帰る。なんて幸せな時間なんだろう。〈Boulangerie Yamashita〉
パンは次々と売れるので先に購入を。食器はデンマークで学んだ陶磁器作家の知人作。色はこの地で名高い菜の花から。
神奈川県中郡二宮町二宮1330
0463-71-0720
10:00~売り切れ次第終了 日月休 
16席/禁煙(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Taro Hirano text:Wako Kanashiro)2.〈cimai〉/埼玉自ら塗った白い壁に木の床、アンティークの家具が置かれたハイセンスな空間では、イートインも可能。おいしいパンとコーヒーが楽しめる。桜並木に立つ白いキューブ。ドアを開くとブロカントのしつらえに、乙女じゃなくともテンションが上がり、幸福な気持ちになる。古い木のテーブルが陳列台。カンパーニュ(1g=1.1円)や黒糖くるみ 720円(各税込)など自家培養の種で焼いた美しいパンにうっとり。アンティークの木のテーブルに置かれたパンの美しさ。素朴でごつごつとした温かい褐色のパンは姉・大久保真紀子さんが焼いた天然酵母のパン。白さを感じさせる美意識の高いパンは、妹・三浦有紀子さんのパン酵母(いわゆるイースト)で発酵させたパン。天然酵母で作るco-bo muffin 200円。バターロール 70円。パン酵母を使うパンは妹の三浦さん作。東京から少し遠いけれど、ここに来て後悔したことは一度もない。〈cimai〉
営業日はHPを確認。
埼玉県幸手市大字幸手2058-1-2
0480-44-2576
12:00~18:00くらい 不定休 
7席/禁煙 (Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Kentaro Kase text:Hiroaki Ikeda edit:Kayo Yabushita)3.〈Bäckerei Brotzeit〉/茨城・つくばドイツのオーガニックのパン屋で経験を積んだ菅原大輔シェフ。数は少なくとも、シンプルなパンを丁寧に作ることが、日々の生活を豊かにすると、この店に行くと実感する。サラミ・レタス・チーズ 380円(税込)。肉味やコクのある具材をバンズのみずみずしさで受け止める。ツナ・セミドライトマト・ベビーリーフ 380円(税込)。通常はバゲットかチャパタでサンド。ヴァイスブロートという食パン生地。香りの美しさ、適度な引きともちもちさ、質実剛健なあたたかさを私は愛する。そのまま買って帰ってもいいし、注文してから、オーガニックジャムが塗られジャムパンになったり、おいしいチーズやハムをはさんでサンドイッチを作ってくれたり。朝も昼もいっしょにいたいパンだと思う。〈Bäckerei Brotzeit〉
店は対面販売。ブレッツェルなどのドイツパン、バゲット、クロワッサンまで幅広くそろう。
茨城県つくば市天久保2-10-20
029-859-3737
9:00~売り切れ次第終了(大体15:00くらいまで) 日月休(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo:Keiko Nakajima text:Taeko Terao edit:Kahoko Nishimura)4.〈HIYORI BROT〉/兵庫塚本久美さんの師匠は、〈シニフィアン・シニフィエ〉の志賀勝栄シェフ。味の彼方を目指し、毎日ぎりぎりの発酵を追い求める巨匠に鍛えられ、毎日アドリブでパンを焼く離れ業が可能に。自身が出演したドキュメンタリー番組『セブンルール』放映の間も、塚本久美さんは仕事に追われて、それを見るどころではなかった。放送終了後にパソコンを開くと、約5,000件に及ぶ通販の申し込み。彼女が作れるキャパは1日14件分で、1年に1,000件送っても5年かかる。待たせていることを塚本さんは悩んでいるが、放送前と同じようにやっぱり睡眠時間を削って忙しくパンを作り続けるしかない。「カンパーニュ」700円。地元の丹波市〈うむ農園〉の手刈り天日干し小麦を自家製粉。挽きたての小麦は香ばしさがちがう。「はったい玄米粉とチーズ」420円。近くの農家さんが作ってくれた玄米粉のローストを配合。ばりっと歯切れがよく、もちもちふわふわ。季節の食材をパンにする。兵庫県丹波市の厨房を訪れた私に食材を紹介する彼女はとてもうれしそうだ。超大粒のレーズン、渋皮栗、甘い甘いかぼちゃ。旅をして、おいしいものを作る生産者に会って、持ち前の明るさですぐ友達になって。その喜びをみんなに味わってほしくて、厨房にひとりこもって何時間も仕込みを続ける。「安芸クイーン」820円。岡山〈domaine tetta〉の超大粒レーズンを同じワイナリーのワインに漬け、ジュ・シーに。「栗とチョコレート」720円。愛媛の渋皮栗をブランデーに漬け込んで。チョコ、フランスのお土産のスパイスミックスが相性抜群。この日、塚本さんはかぼちゃを包んだパンをかぼちゃ形にすることを思いついた。「パンがちゃんとできるのか、いつもドキドキしてます」緊張の一瞬。パンを窯から出すと「かぼちゃっぽくなった!」とまるで少女のように喜ぶ。「かぼちゃ」540円。バターをたっぷりのせてオーブンで焼いた旬のかぼちゃを入れ、かぼちゃの形に包んだ秋のパン。食べてみると、やわらかな生地の中から甘い甘いかぼちゃが飛び出す。季節からの贈り物。それをみんなに送り届ける純粋な喜びに塚本さんは突き動かされている。彼女のパンが5,000人もの人に待ち望まれている理由がわかった。〈HIYORI BROT〉
月の暦に従い、月齢0から20はパンを焼き、21から28まで旅する。丹波市に工房があり、HPかイベントで販売。通販は5年先まで予約済みのため、現在停止中。※販売はセットのみにつき、価格は参考
hiyoribrot.comNavigator パンラボ主宰、パンライター・池田浩明さん
パンを食べまくり、パンについて書きまくる「パンギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長。編著書に『パンの漫画2』(ガイドワークス)、『パンソロジー』(平凡社)など。(Hanako1167号掲載/photo:Naoki Matsuda text:Hiroaki Ikeda)5.〈Boulangerie NOAN〉/福岡・糸島キッシュもサクサク。ブリオッシュ生地のクリームパンやキッシュなど、フランスの息吹を感じさせるパンが並ぶ。パンが店に並ぶ頃にはお客さんの波がやってきて棚に隙間が出来てくる。2階のイートインスペース。1階で購入したパンを持ち込んでランチする地元の人も多い。糸島の卵を使ったパン2種。手前は「ベーコンエッグ」250円、「サンドイッチ」は220円。自慢の「パン・ド・ロデヴ」は食事パン。サンドイッチにしても。500円。サクサクの「クロワッサン」170円はコーヒーとともに。「いちごのデニッシュ」(290円)(各税込)(Hanako1128号掲載/photo : Noriko Kidera)【お知らせ】Hanako.tokyoでは基本的に本体価格を掲載しておりますが、2019年10月1日の消費税率改定以前に取材・掲載した記事にある(税込)表記の金額については、旧税率での掲載となっております。ご了承下さい。 

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ブランジュリ ノアン
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4.0

1件の口コミ
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福岡県糸島市篠原西1-9-10
phone
0923226606
opening-hour
09:00-18:00
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ブーランジェリー ヤマシタ
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4.5

18件の口コミ
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神奈川県中郡二宮町二宮1330
phone
0463710720
opening-hour
10:00より
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cimai(シマイ)
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4.5

7件の口コミ
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埼玉県幸手市幸手2058-12
phone
0480442576
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