京都の魅力再発見! 美山篇 心の原風景・かやぶきの里を散策する


2021.06.29

CREA

 古き神社仏閣や歴史的な建造物が建ち並び、今なお伝統と革新が交錯する魅力的な街・京都市。 そんな京都市から少し足を延ばして“北京都”へ行ってみませんか? そこにはいつもとはまたひと味違う、新しい京都が待っていますよ。 第五弾の舞台はまるでタイムスリップしたかのような里山の町・美山。 美山町の「かやぶきの里」には39棟のかやぶき屋根の民家が現存しており、自然と人間とか共存する、日本の原風景とも呼べる風景が今なお残っています。 のんびり散策してみれば、心が癒されますよ。四季折々の表情を見せる「かやぶきの里」取材したのは3月中旬。梅の花が咲いていました。 周囲を山々に囲まれ、清流・由良川が流れる美山。川沿いに立ち並ぶ民家は多くがかやぶき屋根です。厳しくも豊かな自然の中に佇むその集落はまさに“自然との共存”を体現しているよう。 中でもここ「美山かやぶきの里」は39棟ものかやぶき屋根の家屋が残っており、今でも実際に人々が生活をしています。 素朴でありながら、滋味深い風景。今では珍しくなったこの光景を後世に残したいという想いから、1993年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。 現存している家屋の多くは江戸時代に建てられたもの。ゆっくり散歩をすると、自然と歴史の香りにほっこりと癒されます。 自然に包まれた里・美山では訪れた季節ごとに違う景色を見せてくれます。 春には桜やレンゲが咲き乱れ、里山をピンク色に染め、夏には眩しい緑とすくすくと育った稲が秋の豊穣を予感させます。実りの秋には黄や赤に染まった紅葉が里を鮮やかに彩ります。そして冬、里一面を真っ白に雪が覆います。しんと静まり返った雪景色の里はまるで幻想空間。 画一化な都会の街とは異なり、里山の表情はとっても豊か。その時々によって屈託ない表情を見せてくれる美山にはまるで古い友人のような安らぎがあります。近くで見ると圧巻、夏は涼しく、冬は暖かいかやぶき厚さは300mm~500mmにもなるという。 美山の里に足を踏み入れて、近くでかやぶき屋根を見てみると、想像していた以上に大きいことに驚きます。そして、苔むしたその風貌も相まって、家そのものが生きているかのような存在感があります。びっしりと詰まったかやぶきの屋根。自然と職人の技を感じる。 かや(茅)とはススキや稲わらのこと。この美山では主にススキを使っているそうです。 かやには油が含まれているため、雨をはじき、音を吸収するので、家の中はとっても静か。 屋根の厚みもあり、夏には暑さを、冬には冷気を遮断する効果もあって、とても居心地がよいのだとか。高温多湿な日本の夏に非常に適したものとして長く受け継がれてきたというのも頷けます。 しかし、近代化の結果、かやぶきの屋根は徐々に姿を消していってしまいました。ふきかえるための労力やコストが大きいかやぶき屋根は地域の助け合いがあってはじめて成立するものだからです。この美山でこれだけの家屋が残っているのは歴史的景観と住民の生活を両立させるため、住民たちが助け合う習慣が今でも保たれているからなのです。 実際に里を歩き、家屋に入ってみると、古くからの知恵が、そしてそこに暮らす人々の生活がどんなに豊かなものだったかと感心します。ここでしか食べられない! 自家製プリンで休憩 ゆっくりと里の自然を満喫したら、美山の恵みを味わいましょう。 「かやぶきの里」には、美山のそば粉を使用したそばが食べられるお食事処や、民宿やレストランなど、さまざまな美食スポットがありますが、今日は「カフェ美卵」さんへ。 その名の通り、平飼い卵の直売もしている、プリンの美味しいお店です。自家製プリンとジェラート。 お店の1番人気は手作りプリン。数量限定かつ、店内でしか食べることのできないまさにここだけの味。美山に訪れたら必ず食べておきたい一品です。 美山牛乳を使ったジェラートやカフェラテもおすすめ。散策の後の一休みにはピッタリです。ノスタルジックも大自然も、まだまだある美山の“映え” 一休みしたら、自分だけのフォトスポットを探しに出かけましょう。「かやぶきの里」には昔ながらの丸型の郵便ポストや、かやを乾燥させている光景など、あちこちにフォトスポットがあります。 少し車を走らせれば、大野ダム公園や「日本の遊歩道100選」に選ばれた虹の湖遊歩道など、隠れた観光スポットもたくさん! 「かやぶきの里」で宿泊して、ゆっくりと美山に滞在するのもおすすめです。 時間が止まったかのような、美山で日常の喧騒から離れ、心をデトックス。そんな旅に出かけてみてはいかがですか。美山かやぶきの里所在地 京都府南丹市美山町北https://miyamanavi.com/sightseeing/kayabuki-no-satoカフェ美卵所在地 京都府南丹市美山町北上牧42営業時間 10:00~17:00(L.O. 16:30)休 水曜日 ※不定休有文=CREA編集部 写真=鈴木七絵 

read-more
かやぶきの里
place
京都府南丹市美山町北揚石21-1
phone
0771770660
opening-hour
9:00-17:00
すべて表示arrow

Thatched Village Guided Walk in Kyoto

¥2,200

arrow icon

更新日:2024/04/28

この記事を含むまとめ記事はこちら