世界遺産の名にふさわしい日本が誇る名城
姫路城
公園・名所・史跡
城好きでなくても、誰もが一度はその名を聞いたことがある「姫路城」。シラサギが羽を広げたような真っ白で優美な姿から「白鷺城」とも呼ばれている名城だけあって、いくつもの逸話があるのをご存知ですか?お城見学の前にこの逸話を知っておけば、さらにテンションがあがること間違いなし!しっかり予習をして、姫路城を何倍も楽しんじゃいましょう!
平成の大改修を終え、美しくよみがえった城を見ないなんてあり得ない!
日本に数ある城の中でも、兵庫県・姫路市にある姫路城はあらゆる点において一線を画しています。1993年に、日本で初の世界文化遺産に登録されたのですが、その理由からも、姫路城の凄さが分かります。「その美的完成度が我が国の木造建築の最高の位置にあり、世界的にも他に類のない優れたものであること」「17世紀初頭の城郭建築の最盛期に、天守群を中心に、櫓、門、土塀等の建造物や石垣、堀などの土木建築物が良好に保存され、防御に工夫した日本独自の城郭の構造を最もよく示した城であること」(姫路城公式HPより)。
これは見た目にも構造的にも優れていて、なおかつその姿が17世紀初頭から400年近く経た今も、そのまま残っているということです。この城が一般公開されるようになったのは大正以降、それまでは、当然城の中に入れるのは限られた人たちだけでした。しかも、おおよそ50年に一度の白漆喰の塗り替えや、瓦の葺き替えが行われ、まさに「白鷺城」の異名にぴったりの美しい姿に生まれ変わったのが2015年ですから、それを見ることができる現代の私たちは本当に幸運と言えるでしょう。
持参金100億円!?と共に輿入れした美しい城に相応しい美しき千姫
そんな姫路城には数々の逸話がありますが、中でも私が注目したのは千姫のお話。千姫は徳川幕府2代将軍徳川秀忠と、戦国一の美女といわれた織田信長の妹であるお市の方の娘・江(ごう)の間に生まれたお姫様。きっと美しい城にぴったりの美しい女性だったんでしょうね。彼女が本多忠刻に輿入れした翌年、忠刻の父が姫路城城主となったことから、千姫の持参金10万石によって、現在も残る「千姫化粧櫓」などが建てたれたと言われています。10万石は、現在の金額にしてなんと100億円とも言われていますから驚きです。この化粧櫓は千姫が休息所としていた場所。普段は一般公開されていませんが、不定期で特別公開されるそうなので、美しい姫が暮らした美しい城を是非見学してみてください。
天守閣にまつわる宮本武蔵の妖怪退治伝説
姫路城にある伝説の中でもうひとつ有名なのが宮本武蔵の妖怪退治。名前を隠し足軽奉公をしていた宮本武蔵が、姫路城に立ち寄ったときのこと。城に妖怪が出るという噂があったにも関わらず、平気で夜の出番を勤めていた武蔵の話が家老の耳に入り、妖怪退治の命が下りました。ある夜、武蔵が天守閣に登ると、すさまじい炎が吹き降り、地震のような大きな音と振動が。それにもめげず、武蔵は腰の太刀に手をかけ天守を登り、明け方まで番をしました。すると美しい姫が現れ「われこそは当城の守護神、刑部明神なり。その方がこよい参りしたため、妖怪は恐れて退散したり。よって褒美にこの宝剣を取らす」と言って姿を消し、後には白木の箱に入った郷義弘の名刀が残されていたそうです。
姫路城は戦乱の世で一度も戦場とならず、第二次世界大戦でも空襲を逃れた「不戦の城」で現在まで当時の美しさを残す奇跡の城でもあります。長い時間の中で生まれた数々の伝説を胸に、奇跡の城がたどった400年の歴史に想いを馳せてみるのも、いいかもしれません。
姫路城の基本情報
住所 | 兵庫県姫路市本町68 |
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アクセス | 姫路駅北口から神姫バス乗車「大手門前」下車徒歩5分/JR姫路駅、山陽姫路駅から徒歩20分 |
お問い合わせ | 079-285-1146 |
この記事を紹介した人
丸の内 ゆみか
40代、 某飲料メーカー営業職。
仕事柄、会食の機会が多いが、プライベートでも飲んだり食べたりがストレス解消法。
地方出張の時には、隙間時間でパトロールをするのが習慣。地元の名店からB級グルメを食べ尽くす。最近は、歴史の香りを感じられるパワースポット巡りにはまっている。