2016.5.8更新

東京下町ソウルフードのひとつ、桜鍋を堪能してみてはいかが?

桜鍋 みの家 本店

  • グルメ

東京のソウルフードといえば、もんじゃ焼きに江戸前寿し、深川丼、どぜう鍋を思い起こす人が多いかも。でも、忘れてはいけないのが、桜肉=馬肉をすきやきのようにしていただく「桜鍋」。明治初期から続く東京の伝統料理のひとつです。そして、せっかくなら「老舗」といわれるお店で味わってみたいということで、明治30(1897)年創業、森下の「みの家 本店」を訪ねてみました。

歴史を感じさせる店構え

桜鍋 みの家 本店

都営新宿線森下駅のA4出口を出て、清澄通りを渡るとすぐに「馬豚鍋」の看板が。ここが創業120年にもなろうとする老舗中の老舗、「桜鍋 みの家 本店」だ。
店内に入ると、大正か昭和初期にタイムスリップした気分。ステンレスの長机が4列あり、2人連れのお客は向かい合う席、混み合ってくればその隣にほかのお客が座る。最近の居酒屋は個室がトレンドだが、このおおらかさは下町っぽくて好ましい。
「老舗は敷居が高そうでちょっと…」と思う人もいるかもしれない。でも、そんな気遣いは不要。もともと森下周辺に集まった木場の職人や舟人足が通っていた、いわば庶民相手のお店。伝統の桜鍋も肩の力を抜いて気軽に味わえるのがうれしい。

桜肉の本来の旨みをじっくり味わえるシンプルな桜鍋

桜鍋 みの家 本店

「みの家」の桜鍋は、肉の部位などによって3種類あるが、味付けはひとつ。八丁味噌と江戸甘味噌を合わせた味噌ダレと割り下で煮る、関東風のすき焼きだ。
おいしく食べるにはコツがある。鍋に火が入ったら味噌をときながら肉を入れ、ネギ、しらたき、麩を入れる。そして桜肉は火が通り過ぎないうちにいただくこと! こんなふうにいうと、初めての人には難しく思えてしまうが、店員さんに「初めて食べます」と素直に言えば、ていねいに教えてくれるからご安心を。
みの家の桜鍋は、濃いめの味付けながら、馬肉の旨みがしっかり感じられる。これも桜肉そのものの質が高いからなのだろう。「ウ〜ム、伝統の味わいは奥が深い!」と納得。

プチ贅沢に見合った満足感!

桜鍋 みの家 本店

桜鍋以外も味わってみたいと、「あぶらさし」を注文(もちろんビールも!)。これは馬のたてがみの下にある部位で、独特の歯ごたえと甘みが特徴。口に入れるとまさにトロけるような舌触りで、ビールはもちろん日本酒との相性もよさそう。
人によっては、一人前の桜鍋の量にちょっと物足りない印象を抱くかもしれない。でも、肉を食べ終わったら鍋に残った割り下に卵を落とし、それをご飯に載せて食べるというバカ旨のシメがある。これで、ほぼ満腹間違いなし。
桜肉は高タンパク・低脂肪・低カロリーで、グリコーゲンを多く含む健康食材。東京らしさ、下町らしさを堪能しつつ、これで明日の仕事の「馬力」もつけられるかな?

桜鍋 みの家 本店の基本情報

住所 東京都江東区森下2-19-9
アクセス 都営新宿線・大江戸線「森下」駅A4出口より徒歩1分
お問い合わせ 03-3631-8298

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