歴史ロマンあふれる弥生時代に営まれた共同墓地跡。
金隈遺跡(きんのくまいせき)
公園・名所・史跡
地下鉄で博多までわずか5分の福岡空港は、周辺にも市民の生活の歴史が色濃く残っている遺跡が多数。福岡空港の南、那珂川と御笠川流域の春日市に至る丘陵上は、『魏志倭人伝』に記された「奴国」の領域とされ、特に弥生時代の遺跡が点在し、歴史好きにはたまらないエリアです。「金隈遺跡」はそのひとつで、出土品には古代人の広範な行動範囲がうかがい知れる貴重なものも多くあります。
お墓から古代の海外交流や生活文化を知る
金隈遺跡は、弥生時代前期の中頃から後期の前半までの約400年間にわたって営まれた共同墓地の遺跡。福岡市教育委員会が行なった発掘調査の結果から、遺跡は弥生時代墓制の典型的な遺跡とされ、昭和47年(1972)に国指定の史跡として保存されることとなりました。
この遺跡からは、「甕棺墓」「土壙墓」「石棺墓」といった種類の異なる墓が発掘され、なかでも348基ともっとも多かった甕棺墓からは、136体の人骨が出土。その平均身長は、男性が162.7cm、女性が151.3cmで、現代人よりはかなり小柄ですが、縄文人に比べると顔も面長になり、身長も急に高くなっているとのこと。また、墓の中からは、種子島からオーストラリアまでの海中にしか生息しないゴホウラ貝でつくった装身具や石剣などが見つかり、中国大陸や南方文化と交流していたことがわかります。なんだか歴史のロマンがかき立てられるような話ですね。
発掘調査現場に屋根をかけるような形で建てられた「金隈遺跡展示館」(写真)では、100基以上の甕棺や人骨を、ほぼ発見されたままの状態で見学することができます。
近隣では金隈遺跡の南西にある「板付遺跡」も有名です。歴史に興味がある人もそうでない人も、併せて訪れてみてはいかがでしょう?
金隈遺跡(きんのくまいせき)の基本情報
住所 | 福岡県福岡市博多区金隈1-40 |
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アクセス | 福岡空港国内線ターミナルより、またはJR鹿児島本線「南福岡」駅より西鉄バス・43番にて「金隈遺跡前」下車、徒歩5分 |
お問い合わせ | 092-503-5484(金隈遺跡展示館) |
この記事を紹介した人
大江戸 みらい
みなさま、こんにちは。ちょっと保守的な私は、旅行に行くときはとりあえずガイドブック片手に、定番観光地をまわります。
でも一言で定番と言っても、いろんな楽しみ方があると思うんです。温泉地一つ取っても見るべきものは沢山ありますよね?
私の記事はそんな紹介の仕方ができたらいいなと思いながら書いています。拙い文章ではありますが、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。