江戸時代の風情あふれる建物と蔵を利用したレトロアートスペース
すぺーす小倉屋
芸術・文化施設
江戸後期に建てられた質店と、大正時代に建てられた土蔵を改装したギャラリー。下町の風情を残す谷中の中でも目を引く存在であり、文明開化のころにタイムスリップしたかのような雰囲気のなかでさまざまなアートと触れ合えます。明治から昭和の風俗や文化を描いた絵画の常設展示はもちろん、絵画、クラフト作品から洋服に至るまで、さまざまな展覧会の会場としても活用されているのだとか。入場無料もうれしいポイントです!
貴重な有形文化財をアート空間に再利用
小倉屋質店は、享保年間(1716〜1735)から昭和15年(1940)まで200年以上も営業を続けてきた老舗質店。「すぺーす小倉屋」は、その店を改装したギャラリーです。江戸後期の建物がそのまま残され、さらに大正期につくられた3階建ての土蔵も併設。これら2つの建物は、平成12年(2000)に国の有形文化財に登録されています。
そんな趣ある空間に足を踏み入れると、黒く塗られた柱や梁、白い壁、使い込まれた建具が存在感を放ち、質屋帳場だった場所も当時の面影を偲ばせます。
重厚な扉の土蔵は、2、3階は残念ながら非公開。しかし、1階は展示室として公開され、海外を中心に貴重な資料などが展示されています。
100年前の風俗を今に伝える絵画の数々
常設展示では、この質屋で生まれ育った画家の伊藤としさんによる絵画の数々が見られます。日本画家で河合玉堂派の菊地華秋に15歳から師事し、晩年まで20世紀初頭の日本の風俗を描き続けてきました。羽根突きや独楽回しなどの子どもの遊び、灯籠流しや花祭りなどの風習、現役の質屋だった昭和初期頃の小倉屋を描いた作品に郷愁を感じる人も多いのでは?
着物を着て日常を過ごす人々が生き生きと描かれていて、写真が一般的ではないときの記録としてはとても貴重。ほかにも、風俗や文化をユーモラスに表現する作品など、さまざまな作家の絵が展示されています。
ミュージアムショップで和の風情漂う作家作品をゲット
入口を入ってすぐ右手、かつて質屋帳場だった場所は、現在ミュージアムショップ。さまざまな作家が描いた絵はがきが、壁一面にずらりと並んでいます。
ここでは作家の作品を見るばかりではなく、和食器や花瓶、カップなどのクラフト製品を購入することもできるようになっています。ユニークなな製品が数々揃い、つい長居しておみやげ選びに熱中してしまいそう…。
建物見学だけでもする価値大ですが、風俗画の鑑賞から、ちょっとしたおみやげ選びも楽しいもの。「すぺーす小倉屋」は、文字通り見どころ盛りだくさんなスペースです。
このスポットが掲載されているまとめ
すぺーす小倉屋の基本情報
住所 | 東京都台東区谷中7-6-8 |
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アクセス | JR各線、京成線、舎人ライナー「日暮里」駅西口より徒歩約7分 東京メトロ「千駄木」駅団子坂口より徒歩約8分 |
お問い合わせ | 03-3828-0562 |
この記事を紹介した人
大谷 ゆうた
行き慣れた場所やよく行くお店も少し視点を変えると、発見が沢山ある。そんなちょっとしたニューワールドを紹介しますね。
たまには普通行かない場所とか地元の人しか知らないスポットとか行ってみたくないですか?別にひねくれてるわけじゃないですよ?