2019.8.19更新

千年の時空を超えてよみがえった古社を訪ねる

福徳神社(芽吹稲荷)

  • 公園・名所・史跡

高層ビルが立ち並ぶ、日本橋室町の片隅にたたずむ小さな神社。鳥居も社殿も新しく、日本橋の再開発によって新たに誕生した神社と思われがちですが、実は千年以上前の平安時代から続く都内有数の古社。江戸時代には徳川家康も秀忠も参詣したという由緒正しき神社は、天保の改革による廃社、関東大震災、空襲、町の再開発など時代の荒波にもまれながらも地元の人々の要望にこたえ、日本橋室町に再び鎮座することになりました。

日本橋とともに歩んできた神社

福徳神社(芽吹稲荷) ビジネスマンが慌ただしく行き交う日本橋の街を歩きながら、平安時代の風景を想像するのはかなりの難題。ですが、貞観年間(859〜876年)からこの地に鎮座していたといわれる福徳神社の歴史をひもとけば、その様子が少しずつ目に浮かんできます。
もともと、武蔵野に福徳村という村があり、福徳神社はその村の名をとって五穀豊穣を願う稲荷神社として祀られたもの。日本橋がまだ海に近く、周辺に延々と田畑が広がっていた時代のお話です。今も福徳神社の鳥居の脇には「稲荷の一里塚」がありますが、これは当時、鎮守の森の片隅に建てられていたものを復元したものだそうです。

宝くじ当選祈願ができる。そのご利益にあずかりたい人はぜひ参拝を!

福徳神社(芽吹稲荷) 福徳神社は武将からの信仰も厚く、室町時代の武将、太田道灌はこの神社に合祀されています。
江戸時代には徳川家康も参詣し、二代将軍秀忠は参詣した際に、クヌギの皮付きの鳥居に新芽が出ていたことから、「芽吹稲荷」という別名を授けています。また、江戸時代に富くじの発行が許されていた数少ない神社のひとつでもあり、当時はくじを求める庶民で賑わっていたようです。そのため今でも本殿の傍らには、宝くじ当選を祈るための三宝と鈴払いが置いてあり、宝くじを保管するための「宝袋」も販売しています。
宝くじを買った後にお参りすれば、ご利益にあずかれるかもしれませんよ。

このスポットが掲載されているまとめ

福徳神社(芽吹稲荷)の基本情報

住所 東京都中央区日本橋室町2-4-14
アクセス 東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩すぐ
お問い合わせ 03-3276-3550

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