2016.6.6更新

テレビで親しんだリアルな人形ワールドを満喫

川本喜八郎人形ギャラリー

  • 芸術・文化施設

2010年に惜しまれつつもこの世を去った川本喜八郎の人形作品が見られるギャラリー。「渋谷ヒカリエ」の8階にあるギャラリーは入場無料。身近なアートスペースとして人気を集めつつあります。外国人観光客も多く来館し、「人形の迫力に圧倒された」「その精巧さに驚いた」などの感想が寄せられているようです。

川本喜八郎氏は渋谷区出身だった

川本喜八郎人形ギャラリー 川本喜八郎氏は渋谷区千駄ヶ谷生まれ。東宝映画撮影所美術部を経て、人形絵本、CM製作を始めます。
1963年には当時のチェコ・プラハに留学して、人形アニメの巨匠であるイジィ・トルンカに師事。68年の帰国後は、「花折り」「鬼」「道成寺」「火宅」などの人形アニメーション映画を次々に発表。さらに82年にNHKの人形劇「三国志」の人形美術を担当したことで、その存在が知られるようになりました。
93年のNHK「平家物語」で不動の地位を築き、95年には日本アニメーション協会会長に就任。今もなお世界的にファンの多い人形作家です。

ブラウン管の向こうの人形を生で確かめる

川本喜八郎人形ギャラリー 代表作「平家物語」の展示では、木曽義仲、源義経、武蔵坊弁慶といった、歴史ファンでなくとも名前を知る登場人物の人形をじっくりと鑑賞できます。
木曽義仲は馬に乗り、右手を掲げて遠くを見つめる姿は、今にも動き出しそうな錯覚に陥るほど。大きな長刀を持って立つ武蔵坊弁慶の迫力ある姿は、往年の人形劇ファンには懐かしくもあり、若い世代の心をも揺り動かすようなオーラに満ちています。
おしゃれな複合ビルのヒカリエから、一転して歴史ロマンの世界へとの移動は、デートの変化球としても生かせそうですね。

定期的に展示物の入れ替えも。1回に約40体を展示

川本喜八郎人形ギャラリー 「平家物語」だけでなく「三国志」の劉備玄徳、関羽雲長、張飛翼徳、諸葛亮孔明の人形を見たいという声も多いのではないでしょうか。通常、年に2回の展示入れ替えがあるので、「三国志」の人形を鑑賞できる機会も期待できます。
その際に注目したいのは劉備玄徳。実際はかなりな年齢になって物語に登場するところ、NHKから「恋をする二枚目にしてほしい」との要望があり、白い肌の青年になったそうです。「平家物語」とはひと味違う迫力のある姿ですが、さわやかさを表すブルーの衣装も必見です。

川本喜八郎人形ギャラリーの基本情報

住所 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
アクセス 東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷」駅15番出口直結
JR山手線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷」駅とは2階連絡通路で直結
お問い合わせ 03-3463-1142

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