2016.6.6更新

裏横浜で発見! 店主こだわりの創作そばに口福を味わう

平沼 田中屋

  • グルメ

横浜駅東口を出て徒歩10分。平沼橋方面に向かう一角は「裏横浜」と呼ばれ、その裏横浜にある平沼商店街は、シャッター街ともいうべき寂れた商店街。しかしその中に、いつも行列が絶えないお蕎麦屋さんがあるのです。

淋しい商店街の行列店。人気の秘密、「創作そば」とは?

平沼 田中屋 1920年創業の「平沼 田中屋」は、地元ではちょっとは知られた老舗の蕎麦店。この平沼商店街、人通りはそれほど多くなく、失礼ながらちょっとさびれているような印象。飲食店も「平沼 田中屋」を含め、片手で数えるほどしかない。
しかしこの店が、知る人ぞ知る蕎麦の名店なのだという。訪問したのはお昼前の11時過ぎ。開店直後にも関わらず、すでに多くのお客さんで賑わっていた。ここでしか味わえない創作メニューを求めて、遠方から訪れる人も多くいるらしい。
いちばんの人気メニューは「きざみ鴨せいろ」。何と、この名前で商標登録までしているのだ。こちらも自称いっぱしの「蕎麦ッ喰い」。ならば、ぜひ一度食べておかねばなるまい。

ひとくち啜って納得。「この蕎麦、タダモンではないッ!」

平沼 田中屋 一見普通のせいろ蕎麦。だが「つけ汁」に秘密があった。中には細かく刻んだ鴨肉。蕎麦を箸でたぐり、軽く汁に浸して啜ると…ウマい! 鴨の脂と旨味が染みこんだつけ汁の美味しさに感動である。
もちろん、蕎麦は挽きたて・打ちたて・茹でたて。さらに山葵のキリッとした辛さが、蕎麦の風味と鴨脂を上手に橋渡ししてくれる。汁・蕎麦・山葵、三位一体のハーモニーで箸が止まらない。「多くのお客様に、鴨の旨味を気軽に味わって欲しい」という店主の思いから考案されたものという。
器は、食べ終えるまで冷めぬよう、厚く、また汁の上部に鴨脂の層ができるようにつくられた特注品。最後の蕎麦一本まで、鴨の旨味を存分に味わわせていただきました。

もうひとつの人気創作メニューは「裏横浜カレーうどん」。こちらも登録商標

平沼 田中屋 数種類のスパイスと小麦粉をじっくり炒ったルウに、そばつゆを合わせたカレースープは、正統派「蕎麦屋のカレーうどん」。子どものゲンコツほどの大きさがある竜田揚げが5個もゴロンとのった「竜田カレーうどん」は、ボリューム満点の一品。付け合せにライスかパンが付いてくるのも嬉しい。
パンは、この店がホームベーカリーで焼いた自家製。見た目は素朴だが、味はリッチ。カレースープにもよく合っている。器や付け合せなど、料理の一品一品に、「美味しいものを、さらにもっと美味しく食べていただきたい」という、店主の心配りが伺え、淋しい商店街で気を吐く人気店、というのもうなずける。

平沼 田中屋の基本情報

住所 神奈川県横浜市平沼1-5-21
アクセス JR各線、私鉄各線「横浜」駅東口より徒歩10分
横浜市営地下鉄「高島町」駅より徒歩3分
お問い合わせ 045-322-0863

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