2016.6.29更新

明治6年創業。名古屋の味「ひつまぶし」の元祖

あつた蓬莱軒 松坂屋店

  • グルメ

名古屋めしといえば、必ずノミネートされるもののひとつに「ひつまぶし」があります。細かく切ったうなぎを、おひつでご飯にまぶすから「ひつまぶし」。そのまま食べても、お茶漬けにしてもおいしい名物料理ですが、考案したのは「あつた蓬莱軒」の2代目店主。そして「ひつまぶし」の名称も、実はこの店の登録商標なんです。

「ひつまぶし」は、やはり本家本元の登録商標を持つ店で、由緒正しい食べ方でいただきたい!

あつた蓬莱軒 松坂屋店

あつた蓬莱軒は明治6年(1873)、東海道五十三次の41番目の宿場町「宮宿」(今の熱田区)に料亭として創業。当時、この地の名物はうなぎの蒲焼きと、かしわ(鶏)。あつた蓬来軒もそのメニューをお客に提供し、また旅館などへの出前も多かったといいます。
ところが、出前持ちが空の丼を下げるときに割ってしまうことが多かったため、店主は割れない木の大きなおひつの器を考案。数人前のうな丼をそれに入れて出前をしてみると。今度はお客が上に載っているうなぎばかりを取るようになり、ごはんが残されてしまうことに。そこで、うなぎを細かく切ってご飯と混ぜて出したところ、これが大好評。
大きなおひつでごはんと混ぜる(まぶす)から「ひつまぶし」と呼ぶようになり、さらに出汁をかけてお茶漬けにしてみたらまたまたウマいと大ヒット。時が流れ、いつしか名古屋メシの定番とされるまでになったというわけです。
こうした歴史を積み重ねているだけに、この店の「ひつまぶし」はさすがに違います。タレは創業当時からほぼ1世紀半にわたって継ぎ足し続けた深い味わい。うなぎの品質はもとより、職人の捌きと焼きのワザも光ります。
食べ方は、一人用のおひつに細かく刻んだうなぎの蒲焼を載せたご飯を、1膳目はそのままで、2膳目は薬味を入れていただき、3膳目はお出汁をかけてお茶漬けに。3種類の味をそれぞれ楽しみましょう。
どうせなら本店に出掛けたいところですが、旅行者にとっては、栄から1駅で行ける松坂屋名古屋店南館10Fの「松坂屋店」が便利かも。

あつた蓬莱軒 松坂屋店の基本情報

住所 愛知県名古屋市中区栄3-30-8 松坂屋名古屋店南館10F
アクセス 市営地下鉄名城線「矢場町」駅より徒歩2分
お問い合わせ 052-264-3825

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