2016.6.8更新

大名だけが武士じゃない! 「金沢市足軽資料館」

金沢市足軽資料館

  • 公園・名所・史跡

金沢市足軽資料館は、実際の足軽が住んでいた屋敷を長町へ移築して作られました。実物の建物を見学できるだけでなく、生活道具類も展示されており、当時の足軽の生活をリアルに感じることができる全国的にも珍しい資料館です。

足軽って、歴史で習いましたよね

金沢市足軽資料館 足軽とは、戦国時代に歩兵として戦った兵士のこと。戦闘がない場合は雑役を務めていたといわれています。戦闘の指揮をとる武士は、馬に乗り刀で戦いますが、足軽は徒歩で移動し (辞書では「『足軽くよく走る兵』と説明されています」)、弓・槍・鉄砲などを持ち集団で戦いました。
身分制度では下級武士という位置づけでしたが、江戸時代に入ると戦闘がなくなったことから、奉公人や浪人となった者も多くいた中、「足軽」として生活したものもいたのだとか。

下級武士でも一軒家に住まわせた藩主

金沢市足軽資料館 下級武士の暮らしは、大名の暮らしと比べ質素でした。時代劇での下級武士は、道場を持ち剣術を教えたり、長屋に住み、軽作業で糊口をしのいだりといった生活が描かれています。
しかし、加賀藩の足軽は、長屋暮らしではなく庭付きの一軒家を与えられそこで生活をしていました。金沢市足軽資料館は、そんな足軽、高西家と清水家の実際の住宅をこの地に移築して改装したものです。金沢は第二次世界大戦でも大きな被害がなく、足軽屋敷も当時のまま残されていたという事情があります。高西家、清水家とも平成になるまで住居として使用されていたのだから驚きです!

百万石の地に住んだ庶民の生活

金沢市足軽資料館 足軽資料館は、実際の足軽屋敷がそのまま移築されています。建物の作り、間取りなどが実物の形で残っていることから、当時の下級武士の生活がどのようなものであったか、リアルに想像ができます。また、面白いのが当時の足軽という身分は「足軽株」によって売買されていたということ。つまり、農民、職人、商人であっても「足軽株」を手に入れることができれば下級武士の身分になれました。こういった興味深いことも、足軽資料館内で説明があり、歴史好きの方なら大変満足できる資料館です。

写真提供:金沢市

金沢市足軽資料館の基本情報

住所 石川県金沢市長町1-9-3
アクセス 金沢駅からバスで15分「香林坊」バス停下車徒歩5分
お問い合わせ 076-263-3640

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