下部温泉
武田信玄が傷を癒やしたという伝説の残る温泉郷
武田信玄の隠し湯として知られる名湯
1200年もの歴史をもつ下部温泉。下部川沿いに旅館が立ち並び、中心の温泉街は昔ながらの湯治場の雰囲気を今に伝えている。駅から温泉街までは少し歩くが、川沿いを散歩しながらアクセスしてみるのもおすすめだ。川中島の戦いで肩に傷を負った武田信玄が入浴して傷を癒やしたと伝えられ、現在でも「信玄の隠し湯」の名で知られている。また、日蓮聖人や徳川家康も湯治に訪れたという記録も残っている。いにしえより傷に効能のある湯として定評があり、現在でも傷を治しに湯治に訪れる人もいるという。
古くから金山や材木産業の拠点として栄えた下部村
その起源にはふたつの説がある。『甲斐国志』によると、836年(承和3)に熊野権現が出現して温泉が湧いたという伝承があり、その温泉を中心に下部村が形成された。もうひとつは、さらにさかのぼること古墳時代、甲斐国造の塩海足尼がたまたま発見し、「塩部(下部)の湯」と名づけたとする伝説も残っている。どちらにしてもその歴史は相当古く、温泉街から階段を登ったところにある熊野神社がその発祥地として現存している。戦国時代には湯之奥金山や木材などの産業を支える拠点になり、江戸時代に湯治場となって、身延山久遠寺を参詣する人々も利用した。近代では1956年(昭和31)に国民保養温泉地に指定されている。
250年の歴史をもつ旅館から大型ホテルまで
温泉街の中心部にある源泉館は、武田信玄がその傷を実際に癒やしたとされる「武田信玄公かくし湯大岩風呂」のある旅館。創業は江戸時代で約250年もの歴史を誇る。最重要治療施設として、土地浴場の免状を発行して手厚く保護していたという。ちなみに小説家の井伏鱒二も源泉館に足繁く通った人物のひとり。また、温泉街からは離れるが、駅の反対側の常葉川沿いに地域最大の宿泊施設である下部ホテルをはじめ、大型のホテルが点在。自分のスタイルに合わせて宿を選びたい。日帰りで温泉を楽しみたいなら、下部温泉会館へ。川の流れを眺めながら内湯を楽しむことができる。日帰り客を受け入れている宿泊施設もいくつかある。
周囲にも見どころが満載
下部温泉駅近くの川沿いには湯之奥金山博物館があり、下部が栄えたもうひとつの要因である湯之奥金山についての展示を見ることができ、毛無山には金山の遺跡も保存されている。駅から温泉街を抜けてさらに進んだところには、国の重要文化財に指定されている門西家住宅が立つ。江戸時代に金山や山林の管理などをする湯之奥村名主、関守を代々務めてきた有力者の邸宅跡だ。また、日蓮宗の総本山、身延山久遠寺までは車で20分ほど。合わせて訪れるのもいいだろう。
スポット詳細
- 住所
- 山梨県南巨摩郡身延町下部 地図
- エリア
- 身延・下部温泉エリア
- 電話番号
- 0556203001
- 泉質
- 単純泉等
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、慢性婦人病、痔疾等
- 泉温
- 30℃前後・51℃等
- 源泉数
- 7
- 日帰り温泉施設数
- 1
情報提供: ナビタイムジャパン