強羅温泉

急勾配の坂がシンボルのリゾート地

かつて政財界の人々が別荘地として選んだエリアがここ強羅。現在は洗練された温泉宿や企業の保養所などが並び、各方面へのアクセスに便利な、箱根観光のハブともいえる場所になっている。夏には100年の歴史をもつ大文字焼きも行われる。

坂道のある風景は強羅のシンボル。踏切から延びる公園坂沿いに店が多く並ぶ

強羅駅はスイスの山小屋(シャレー)のような三角屋根のスタイルで、箱根登山鉄道と姉妹提携しているスイスのレーティッシュ鉄道にちなんだディスプレイも見ることができる。駅舎には「サン・モリッツ」と書かれた木のプレートがかけられており、箱根登山鉄道とレーティッシュ鉄道の友好の歴史が示されている。

山小屋のようなたたずまいの強羅駅。登山電車とケーブルカーの駅だ

強羅駅前には土産物店が並び、反対側にはタクシー乗り場がある

美しい庭があり、日本の陶芸品を展示する「箱根美術館」と、「強羅公園」はぜひ訪れたい。ケーブルカーでアクセスできるので、坂道を徒歩で上らずに観光することができる。まずは箱根美術館を訪問し、強羅公園の上の入り口(西門)から下ると楽に巡ることができる。強羅公園には複数のカフェや温室、春と秋に花の景色を楽しむことのできるローズガーデンなどもあり、たっぷりと滞在を楽しむことができる。公園下の入り口(正門)近くには、富士山の写真を常設展示する「箱根写真美術館」もある。

公園上駅までケーブルカーで上り、ここから下りながら観光するのがおすすめ

強羅公園は大噴水や工芸体験が可能なクラフトハウス、ローズガーデンなどもある有料の公園

芦ノ湖に行くほどの時間的余裕がない場合でも、早雲山からの眺めを楽しみ、大涌谷を訪問することをおすすめする。強羅には幅広いグレードの宿泊施設があり、さまざまな泉質の温泉も体験できるので、滞在してここを拠点に観光するのもいい。ちょうど箱根エリアの中心部に位置し、仙石原方面にも芦ノ湖の南、元箱根や箱根町に下るにもいい場所だ。朝いちばんに周辺の見どころを訪れれば、混雑を避けて観光することもできる。

上るのも下るのも足に負担がかかりそうなほど急な坂道が町の東西を結ぶ