飯坂温泉
ヤマトタケルが発見したとされる奥州三名湯のひとつ
松尾芭蕉も湯あみした名湯
宮城県の鳴子(なるこ)、秋保(あきう)とともに東北を代表する名湯の飯坂温泉。福島駅から福島交通飯坂線でのアクセスがおすすめだ。電車は緑豊かな信夫山(しのぶやま)のふもとや住宅街を走り、途中かわいらしい駅舎があるなど、車窓も楽しめる。また、車内には「♨️飯坂温泉」の暖簾もかかり、電車の中から温泉気分にしてくれる。出発から25分で飯坂温泉駅に到着。駅は阿武隈川の支流、摺上川(すりかみがわ)のすぐ横に建ち、水流の音が心地良く響く。駅を出て遭遇するのは松尾芭蕉の像だ。芭蕉が旅をした江戸時代中期以降、多くの旅人が訪れるようになったという。明治以降は正岡子規や与謝野晶子も宿泊し、ヘレン・ケラーも2回訪れている。
地元の人も浸かりにくる9つの共同浴場
歴史ある温泉は、地元の人にも愛されている温泉だ。町内には9つの共同浴場があり、共同浴場ホッピングも楽しみ方のひとつ。ただし飯坂の湯はとても熱いので慎重に入りたい。最も古い「鯖湖湯(さばこゆ)」は日本最古の木造共同浴場で、風情ある姿は明治時代の浴場を再現したもの。西行法師が「あかずして 別れし人の住む里は 佐波子(さわこ)の見ゆる 山の彼方か」と詠んだことから「鯖湖湯」と呼ばれるようになったという。建物はヒバ、ケヤキ、檜、浴槽は御影石で造られている。駅から歩いて2分のところにある「波来湯(はこゆ)」は約1200年の歴史をもつ浴場。太鼓櫓のある建物は2011年(平成23)に建て替えられた。
旧堀切邸と足湯・手湯
飯坂温泉を代表する観光スポットの旧堀切邸にも足を運びたい。堀切家は江戸時代から続く豪農・豪商で、飢饉のときは農民救済に当たった大庄屋でもあった。敷地面積は約4000㎡、坪数にすると1230坪になるが、1880年(明治13)以前は倍の広さだったという。堀切邸では主屋以外にも見るべきものは多い。1775年(安永4)に建造され、現存する県内最古の土蔵の「十間蔵」、耐火金庫が備え付けられていた「中の蔵」、防湿の通気孔が板張りの床にある「道具蔵」など、先人たちの創意工夫が随所に見られる。ひととおり見学したあとは、足湯・手湯もあるので、こちらも忘れずに試したい。
お湯以外も楽しめる飯坂温泉
旧堀切邸のほかにも、中心部には無料の足湯が3か所ある。また、歴史のある温泉街だけに風情のある小道も多く、ぶらぶら歩くのもいい。飯坂温泉の中心部をざっと歩くと1時間ほどだ。少し足を延ばせば、4万点以上のフクロウのクラフトや雑貨が展示・販売されている「ギャラリー梟」や、タレントとしても知られる片岡鶴太郎氏の作品を集めた「福島片岡鶴太郎美術庭園」、奥州三十三観音特別霊場であり、松尾芭蕉が詠んだ句碑が立つ「医王寺」もある。さらにはフルーツラインも近く、季節によってはフルーツ狩り付きのパッケージを出しているホテルもあるので、チェックしておきたい。
スポット詳細
- 住所
- 福島県福島市飯坂町字十綱町3 地図
- エリア
- 福島市・国見・二本松エリア
- 電話番号
- 0245424241
- 備考
- 電話番号:024-542-4241(飯坂温泉観光協会)
- 泉質
- 単純泉
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、打ち身、くじき、慢性消化器病、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進
- 泉温
- 約59℃等
- 源泉数
- 14(財産区管理)
- 湯量
- 1500リットル/分
- 共同浴場数
- 9
- 日帰り温泉施設数
- 8
情報提供: ナビタイムジャパン