杖立温泉
昭和ノスタルジーの世界に迷い込む温泉街
湯治の街として愛されてきた歴史ある場所
熊本県と大分県の県境にある杖立温泉は、山道を抜けた杖立川がある渓谷に位置する。川の両側には数多くの温泉旅館が立ち並んでいるが、熊本県と大分県の両県をまたぐ宿泊施設があるなど、街並みもどこかおもしろい。「杖立」の名は、一説には空海が読んだ「湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人」という句からつけられたとされている。杖を使って湯治にやって来た旅人が、帰る際には杖なしで歩いたという話からきているという。ほかにも諸説があるが、どれもが古くから人々に温泉が愛されていることをうかがえる話ばかり。同時に、温泉の効能により杖立が湯治の街として有名になったことがわかる話でもある。
温泉街を散策して楽しむ
歴史ある杖立温泉も、昭和のはじめは歓楽街温泉として有名だったこともあり、その名残が今でもうかがえる。時代の流れに残された山あいの静かな温泉街は、昭和ノスタルジーの世界観に迷い込んだよう。「背戸屋」といわれる狭い路地が入り組み、昭和の時代に賑わいを見せた姿がさまざまなところからうかがえる。一部迷路のような街を、冒険のように散策するのも旅の楽しみのひとつ。ふらっと歩いていると辺りには湯けむりが立ち込め、そこには共同浴場があったりする。現在、この景観と歴史的な背景を生かしたまちづくりがされており、「みちくさ案内人」という地元ガイドもいる。これらのサービスを利用するのも旅の出会いにつながるかもしれない。
なるほど湯治の街とうなずける温泉の効能
杖立温泉の泉質は弱アルカリ性の無色透明な弱食塩泉。「メタケイ酸」という天然の保湿成分を多く含んでいることで美肌効果を期待できる。本来の効能は、リュウマチや皮膚病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、切り傷、やけど、肥満病など多岐にわたる。開湯してから1800年以上続く湯治の温泉としてもうなずける効能の多さだ。杖立温泉の湯はポンプで揚げることが禁止されていて、すべて自噴だという。体を芯から温めてくれるお湯をぜひゆっくりと楽しみたい。
「吉祥の湯」では森林浴のような癒やしと温泉を堪能することができる
名物の「むし湯」は天然のサウナ?
さまざまな効能を持ち、湯治場として多くの人々が長期滞在してきた杖立温泉。そんな湯治客の多くが愛した湯に「むし湯」がある。杖立の伝統風呂でもあるむし湯はサウナのようでサウナではない。空気を温める方法のサウナとは違い、温泉成分を含んだ蒸気による温熱浴法。じっくりと流れる汗にデトックス効果があり、体全身を包み込む蒸気から直接肌に温泉成分を吸収できるのが、むし湯の特徴のひとつといわれている。温泉といえば湯船に浸かって楽しむイメージがあるが、むし湯は、地元の人の生活にもなじむなど、杖立温泉にはなくてはならない入浴法だ。
スポット詳細
- 住所
- 熊本県阿蘇郡小国町下城杖立
- エリア
- 阿蘇エリア
- 電話番号
- 0967480506
- 泉質
- 塩化物泉等
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、打ち身、切り傷、美肌等
- 泉温
- 98-100℃
- 源泉数
- 約20
- 湯量
- 源泉・施設により異なる
- 共同浴場数
- 2
- 日帰り温泉施設数
- 3
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
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