山中温泉
開湯1300年、四季折々の渓谷美に彩られた風情あふれる温泉街
開湯からの長い歴史と伝統工芸が息づく
今からおよそ1300年前、奈良時代の僧・行基が発見したという伝承が残る。大聖寺川の渓流に沿って温泉街が広がり、豊かな自然のなかに温泉情緒を漂わせている。街の中心部に観光案内所を併設した交流施設「山中座」と「山中温泉総湯菊の湯」があり、ここを拠点に温泉街を巡るのがおすすめだ。無料で利用できる足湯や飲泉場もあるので、散策に疲れたら気軽にひと休みを。山中温泉は日本三大漆器のひとつ山中漆器の産地でもあり、温泉街には漆器のギャラリーが点在。お気に入りの漆器を見つけるのは産地ならではの楽しみだ。ろくろを使った木地挽きを体験できるスポットもあるので、ぜひ挑戦してみたい。
遊歩道を散策し、鶴仙渓の自然を満喫
山中温泉の最大の魅力は、四季折々の表情が豊かな自然美にある。その醍醐味を満喫できるのが温泉街を貫く渓谷・鶴仙渓だ。上流のこおろぎ橋から下流の黒谷橋まで、約1.3kmの区間に整備された鶴仙渓遊歩道を散策してみよう。みずみずしい景色を愛でながら歩いていくと、行く手には奇岩怪石や優美な滝が。道すがらの可憐な山野草や苔の群生にも心がなごむ。また、鶴仙渓に架かる橋巡りも楽しみのひとつ。遊歩道のなかほどに位置する「あやとりはし」は、S字を描く斬新な形が印象的だ。総檜造りのこおろぎ橋、1935年(昭和10)に架けられた石造りの黒谷橋も、渓谷に映えて美しい。遊歩道はアップダウンがあるので、歩きやすい靴で出かけたい。
大聖寺川沿いに設けられた鶴仙渓遊歩道。清流の水音に心癒やされる
草月流家元・勅使河原宏(てしがはらひろし)氏がデザインした「あやとりはし」。長さ94.7mの徒歩専用橋だ
松尾芭蕉ゆかりのスポットに足を運ぶ
江戸時代の俳人・松尾芭蕉は、『奥の細道』の旅の途中で山中温泉に9日間もの長逗留をしたという。その時に詠んだのがこちらの句。「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」。薬効のある菊の露を飲まずとも、山中の湯に浸かるだけで長生きできるという意味だ。芭蕉が扶桑三名湯と絶賛した湯は、今も変わらずこんこんと湧き続けている。山中温泉には芭蕉ゆかりのスポットが多く、「行脚の楽しみここにあり」と渓谷美を絶賛した黒谷橋、芭蕉の忘れ杖を所蔵する医王寺、貴重な資料を展示する芭蕉の館など、その足跡を巡る散策も趣深い。
1910年(明治43)に建てられた芭蕉堂。鶴仙渓沿いにあり、中に芭蕉像を安置
ショッピング&グルメが楽しいゆげ街道
お土産選びや地元グルメを満喫するなら、温泉街のメインストリート「ゆげ街道」へ。石畳の歩道に沿ってギャラリーやカフェ、食事処などが軒を連ね、店先をのぞきながらのそぞろ歩きに、つい時間を忘れてしまいそう。揚げたてのコロッケや熱々の団子など、おいしそうなにおいに誘われ、食べ歩きをする楽しみも。温泉街の各店舗がオリジナルアイスを販売する「山中温泉アイスストリート」の取り組みも話題となっている。湯あがりにぴったりの個性派アイスを食べ比べてみよう。そのほか、山中漆器や九谷焼など伝統工芸品を扱う店も多いので、産地ならではの逸品をぜひ手に取ってほしい。
スポット詳細
- 住所
- 石川県加賀市山中温泉
- エリア
- 加賀市エリア
- 電話番号
- 0761780330
- 泉質
- カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉等
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、慢性消化器病、動脈硬化症、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾等
- 泉温
- 48.3℃等
- 源泉数
- 7
- 日帰り温泉施設数
- 3
情報提供: ナビタイムジャパン