荒尾干潟水鳥・湿地センター
国内有数の規模を誇る荒尾干潟の豊かさに触れる
意外と深いマジャクの巣穴
JR南荒尾駅のすぐ南で線路を渡ると、目の前には有明海が広がっている。その海岸沿いに建つ荒尾干潟水鳥・湿地センターは2019年(令和元)に開館した。木造2階建ての建物は、周囲の風景に溶け込んだ目立たない造りとなっている。内部はさまざまなゾーンに分かれていて、有明海、そして荒尾干潟について学習できるようになっている。同センターの名称のとおり、海の生物だけではなく、この地に渡ってくる水鳥に関する展示も充実していて、どれほどこの地が自然に恵まれているかがよくわかる。なかでも興味深かったのは、マジャクの巣穴の展示。マジャク(正式名称はアナジャコ)は荒尾特産の海の幸で荒尾漁業協同組合の水産物直売店や地元スーパーなどで販売されていて、書道の筆を使ったユニークな漁で知られるが、その巣穴は意外と深く、複雑な構造だった。干潟の仕組みなども展示されていて、そのおもしろさや不思議さについて改めて知ることができる。
荒尾干潟の学習拠点施設としてセンター設置
同センターの2階からは、有明海が目の前に見渡せる。広がっているのは、荒尾干潟。岸から沖まで東西の最大幅約3km、南北の長さ約9km、面積は約1656万平方メートル(1656㏊)で、単一干潟としては国内有数の規模を誇る。2012年(平成24)、荒尾干潟の中心部の754万平方メートル(754㏊)が国指定鳥獣保護区の特別保護地区に指定され、同年7月に「国際的に重要な湿地」として、有明海で初めてラムサール条約湿地(正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)に登録された。さらに、渡り鳥の中継地としての重要性から、翌年、「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)」の重要生息地ネットワークにも登録された。そして、荒尾干潟の利活用を進める拠点として開館したのが、荒尾干潟水鳥・湿地センターだ。
歩いていける荒尾干潟
有明海では泥んこになりながらの干潟体験なども知られるが、荒尾の干潟はだいぶ異なる。有明海を反時計回りにめぐる潮流によって砂や貝が運ばれて堆積しているため、荒尾干潟は砂質の干潟で歩いても沈んでしまうことはない。同じ有明海でも、場所によって様子はだいぶ違うのである。そのため「テーラー乗車体験」というイベントも開催されている(開催状況については要問い合わせ)。テーラーとは耕耘機(こううんき)に荷台を付けたもので、海苔の養殖やあさり採りで使われる乗り物。1台の定員は6人となっていて、テーラーに乗って干潟を走り、途中、干潟を歩くなどの体験ができる。荒尾ならではのユニークなイベントだといえるだろう。そのほか、季節により、探鳥会や潮干狩り、マジャク釣り体験など多彩なプログラムが用意されている(詳細については、同センターへ問い合わせを)。
スポット詳細
- 住所
- 熊本県荒尾市蔵満20番地1 地図
- エリア
- 荒尾エリア
- 電話番号
- 0968577444
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
- 月(祝の場合は翌平日)、12/29-1/3
- 料金
- [入館料]無料
- 駐車場
- あり(35台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(くまもとフリーWIFI)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン