幕山公園

湯河原の大自然で遊び、花を愛でるスケールの大きい公園

湯河原を代表する公園で、通年アウトドアに親しむ人々が訪れる。特に紅白の梅が花開く季節は、梅見の人々で梅林が賑やかになる。BBQやキャンプもできるのでグループや家族連れにも人気だ。

紅白の梅がバランスよく植えられた湯河原梅林

幕山(まくやま)公園は幕山の南山麓、新崎(にいざき)川に沿って造られた広い公園で1980年(昭和55)に完成。春夏秋冬を通じて花を愛でることができ、花を求めて他県からも多くのツーリストがやってくる。春は梅に桜、コブシ、夏はアジサイやサルスベリ、秋はキンモクセイ、そして冬は水仙にサザンカ。湯河原は花の町でもあることを実感させられる。公園の名前のもとになった「幕山」の標高は626m。箱根山の側火山として15万年前に形成された溶岩ドームで、今でも山肌には火口から流れ出た溶岩が冷え固まった柱状節理が見られる。柱状節理の多くは六角形の断面だが、幕山は四角形のものが多いのが珍しい。豪快な自然を堪能しよう。

夏は緑深い木々が涼しげな木陰をつくる

ハイキングコースの幕山コースは、幕山公園から標高626mの幕山頂上までを目指す往復の歩行距離約5km、歩行時間155分の初心者向きコース。湯河原町にいくつかあるハイキングコースのなかでも初心者向けで、軽装で歩くことができる。山道はくねくねと曲がっているが極端な勾配はなく、中高年のハイカーにも人気。風の音や鳥の声を聞きながら快適に散策できる。幕山の山頂からは、天気がよければ真鶴半島や初島、群青色の相模湾と水平線、そして広い空を眺めることができる。幕山公園にそびえ立つ巨大な幕岩は、ロッククライマーたちが多く訪れる。花の香りに包まれてのクライミングはさぞや心浮き立つことだろう。幕山からの下山の道には大きなクスノキやさまざまな種類の植物が見られる。

幕山の山頂から真鶴半島を眺める

ハイキングの途中では小動物に出合うことも

幕山公園に隣接する北隣の山麓には紅白あわせて約4000本の梅が植えられた「湯河原梅林(または幕山梅林)」がある。毎年2月上旬から3月中旬には「梅の宴」が開催され、梅林の中は高貴な梅の香りに包まれる。見渡すかぎりの梅の花はまるでふわふわした梅の絨緞(じゅうたん)、あるいは梅の雲のよう。2023年(令和5)は2月4日から3月12日の間に開催予定だ。夜は梅林がライトアップされ幻想的な景色を観賞できる。また期間中、梅ソフトクリームや甘酒、その他湯河原の地場産品などを販売する出店もずらりと並び、祭り気分を盛り上げてくれる。ちなみに梅林は1954年(昭和29)頃から地元の有志により、ガケ崩れ対策と将来の観光資源として植えてきたそう。見事に観光資源として花開いている。

見事な梅林を眺めて感嘆の声を上げる人がたくさん！

幕山公園でBBQをするには許可が必要だ。湯河原町のウェブサイトから「公園内行為許可申請書」をダウンロードし、必要事項を記入して管理棟ポストに投函する。BBQでの利用は4月1日から10月31日の9時から16時まで。なおキャンプは2023年(令和5)現在、禁止されている。アスレチック施設も併設されており、数々の遊具も設置。子ども連れのファミリーに最適な空間だ。また、新崎川沿いには、ヤマメ・マス釣場もあるので太公望にはおすすめだ。四季折々の花とハイキングとBBQとキャンプとアスレチック、そしてフィッシングにロッククライミング。アウトドア派にはたまらない湯河原の自然公園で朝から晩まで心身を解放しよう。

木造のフィールドアスレチックの設備もある